琵琶湖の富栄養化

2010年03月02日 | 日誌





【水質の推移:窒素及び燐濃度】





 

・北湖、南湖とも過年度に比べて少し低い値。
・また、経年変動を見るとここ近年減少傾向。





・北湖、南湖とも過年度並に比べて少し低い値。
・ また、経年変動を見ると減少傾向。

【注釈】

概ね、横ばいから現象傾向にある。瀬田川は全窒
素濃度が高値安定にあり半分程度の濃度に引き下
げる対策が必要。





富栄養化問題



富栄養化とは?

「富栄養化」とは、湖沼や湾などの水域で窒素や
リンなどの「栄養塩類」が多くなること(有機物
によって水が汚れる「有機汚濁」とは異なる)。
もともと「富栄養化」というのは、生まれたばか
りの湖に、だんだんに栄養塩類が増えていき、植
物が繁殖し、湖が沼となってやがて消滅していく、
という自然現象が、近年問題になっている「富栄
養化」は、その原因が生活廃水や工業排水、農業
廃水などの人為的なものであり、かつ急速に進ん
でいる点が問題とされている。
ここで「栄養」と
いうのは、植物性プランクトンの成長のための栄
養分を指している。



1977年5月に大発生した琵琶湖の赤潮は、琵琶湖が
衝撃を与えた。滋賀県は、調査団に委託して科学
的な赤潮発生の原因とメカニズムを解明するとと
もに、水質審議会に諮っていた富栄養化防止のた
めの具体策づくりを急ぎ、一方、県民は富栄養化
の主因のひとつであるリンを含んだ合成洗剤から
天然油脂を主原料にした粉石けんの使用に切り替
える運動を展開しながら、国や県に対して実効性
のある対策を強く求めた(運動体として、映画「
襤褸の旗」自主上映運動、「琵琶湖を県民の手に
取り戻す会」の県下展開、「環境生協」設立、「
琵琶湖・淀川汚染総合調査団」の発足など大日本ス
クリーン労働組合や湖東北部生活協同組合を拠点
に彦根から展開)。



合成洗剤の無リン化

かつて、洗濯用合成洗剤には、助剤として燐酸塩
が配合されていが、1977年以後、琵琶湖で赤潮が
発生して、富栄養化が深刻な問題となり、富栄養
化の原因物質である窒素・燐の排出を減らすため、
1979年に滋賀県で「琵琶湖富栄養化防止条例」が
制定され、工場排水中の窒素・燐の排出規制と合
わせて、燐を含む合成洗剤を、滋賀県内で使用・
販売・贈与することが禁止された。このことは、
滋賀県だけでなく全国的に大きな波紋を投げかけ、
洗剤メーカーはすぐに無リン洗剤を発売し、現在
の日本では、家庭用洗剤はほとんど全て、燐酸塩
を含まない無燐洗剤になった(ただし、業務用洗
剤には燐酸塩を含むものが今でも使用)。



合成洗剤業界の猛烈な抵抗(燐系添加→節燐系洗
剤→非燐系代替)。「琵琶湖条例」(滋賀県琵琶
湖の富栄養化の防止に関する条例)が、1979年に
制定。「琵琶湖条例」は、県民と行政の双方から
の琵琶湖浄化への願いとして制定。1980年7月1日
に施行され、琵琶湖条例は、今年で30周年を迎え
た。

最近の合成洗剤と富栄養化

助剤として使われていたリン酸塩は使われなくな
ったが、最近の合成洗剤の中には、界面活性剤の
中に窒素やリンなどを含むものが増えている。例
えば、ボディソープやシャンプーの中には、燐を
含むアルキルリン酸塩や、窒素を含むアミノ酸系、
ベタイン系の界面活性剤を主成分にしているもの
があり、台所用洗剤には、窒素を含むアルキルア
ミンオキシドや脂肪酸アルカノールアミド、脂肪
酸メチルグルカミドなどが使われているものが増
えてきている。



窒素や燐は、現在の下水処理では十分に取り除く
ことができず放流されている。台所洗剤やシャン
プーに含まれる窒素やリンは、かつての洗濯用洗
剤に含まれていた燐と比べると、量的には少なく、
ただちに富栄養化を起こすとは言えませんが、低
濃度の窒素や燐を含む洗剤の増える傾向が指摘さ
れている。



※ 関連運動体リンク

・「環境監視研究所
・「環境生活協同組合
・「石鹸百科
・「琵琶湖市民大学


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