作成日:2023.4.10|更新日:2023.4.11
❏ 地域循環共生概論 69
今月に入り、5日には。敦賀原発2号機の再稼働審査 再中断と
の、7日には「処分見通し立たぬ」保管続く下水汚泥の異常事
態の新聞が舞い込む。プーチンのウクライナ侵攻による2つ
の原子力発電所非常事態の緊張が続いている。ここでは、放
射性物質を含む下水汚泥廃棄物保管を記載しておく。
2023/4/7 15:12 放射性物質を含む下水汚泥廃棄物保管量
(関東地方) via 毎日新聞 yohooニュース
放射性物質含む下水汚泥 関東で3万4200トン未処理
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質を含む下水
汚泥について、毎日新聞が関東地方の主要な自治体などに取
材したところ、5県内で計約3万4200トンを処理できず、今も
焼却灰などの形で一時保管していることが判明した。大半は
放射性物質濃度が比較的低い。東京23区で発生する汚泥焼却
灰の約1年分に相当する。港湾や山林への埋め立てを巡って地
元の理解を得るのに難航し、事故から12年たつ現在も処理の
見通しが立っていないものもあるという。その結果、23年2月
末時点で横浜市が約2万6600トンを下水道施設内で、川崎市が3
435トンを港湾区域内で、それぞれ汚泥焼却灰として保管して
いた。いずれも国が処理責任を負う指定廃棄物(放射性物質濃
度が1キロ当たり8000ベクレル超)となっていないため、自治
体が管理や処理を担当している。周辺での被ばく線量は一般人
の年間限度(1ミリシーベルト)を下回る。川崎市は24年3月ま
でに全てを民間の管理型最終処分場へ搬出する計画だが、横浜
市は処理が終わる見通しが立っていないと伝える。
また、環境省などによると、関東地方では、指定廃棄物とな
っている下水汚泥が茨城、栃木、群馬、千葉の各県に 計約
4,180トン残っている。放射性物質汚染対処特別措置法に基づ
き国が国有林などに処分場を設置して長期管理する方針だが、
いずれも住民の反対などで候補地が決まらず、計画が宙に浮
いた状態。一方、自治体管理分の汚染された下水汚泥全ての
処理を終えたと回答したのは東京都、埼玉県、神奈川県と水
戸市、さいたま市、千葉市。各自治体が回答したピーク時の
保管量から、処理量は少なくとも約12万トンに上るとみられ
ると報じている。
「処分見通し立たぬ」保管続く下水汚泥、
続く原発事故の影響
2011年の東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質は、
気流に乗って遠く離れた関東地方にも降り注ぎ、下水処理で
発生した汚泥の焼却灰などから検出された。多くは放射性物
質濃度が低く、既に埋め立てるなど処理されている。一方、
事故から12年を過ぎた今も処理のめどが立っていないものも
あり、広範囲で長期間にわたって続く事故処理の難しさを浮
き彫りにしている。
横浜市、地元反対きっかけで処理できず
福島第1原発から約250キロ離れた横浜市鶴見区の港湾区域。
下水を浄化した際に出る汚泥の焼却施設の敷地に、941箱のコ
ンテナが2段重ねで置かれている。放射性セシウムに汚染され
た汚泥焼却灰500キロが入ったフレコンバッグが1箱に20袋計
10トン詰まっているという。
➲ この項つづく
琵琶湖で原因不明のプランクトン増殖、
財政難の京都市では水道の脱臭費用が3倍、5億円超
6日には、琵琶湖で異臭を放つプランクトンが増殖し、飲用水
を引く京都市の脱臭費用が3年前の3倍近い5億円超に急増して
いる。財政難の中、プランクトンが増える原因はわかってお
らず、市の担当者は「いつまで出費が続くのか」と頭を悩ま
せている(活性炭投入し脱臭処理による処理経費)。水道水
は法令に基づき、取水する自治体が有害物質などを基準に適
合するように浄化して給水する。京都市の水道水の水源は99
%が琵琶湖で、滋賀県外の自治体で唯一、湖から琵琶湖疏水
を通じて直接取水。
カビのような臭いがあるプランクトンの一種、フォルミジウ
ムだ。市の水質検査では2019年5月、フォルミジウムが出す臭
いの原因物質「メチルイソボルネオール」が25年ぶりに検出
され、翌月までに水質基準(1リットル中10ナノ・グラム)の
8倍超となる86ナノ・グラムとなる。
市は市民からの苦情が多くなるとして、基準の半分以下の4ナ
ノ・グラムに達した時点で脱臭効果のある粉末状の活性炭を
浄水時に投入することにした。20年度の投入量は716トンで、
調達費は1億8000万円だった。その後、春が中心だったフォル
ミジウムが冬場にも発生するなどし、22年度の投入量は1503ト
ンに増加。調達費は4億3000万円に膨らんだ。輸送費の高騰な
どで23年度は5億2000万円と、20年度の約3倍を見込む。
職員削減など財政再建に取り組んでいる市の水道料金収入は
23年度、ピーク時の02年度より43億円少ない264億円の見通し。
人口減少などで収入が減る中で支出が増える事態になってい
る。
滋賀県内で最大の取水量の大津市でも活性炭の使用量が増え、
22年度までの3年間で累計数千万円の費用増になるという。一
方、大阪市など下流の自治体では、大きな影響は出ていない。
支流の水が混ざることで、プランクトンの濃度が薄まるため
とみられる。滋賀県琵琶湖環境科学研究センタは、琵琶湖で
は、1970~80年代には水質の悪化による富栄養化でプランク
トンが増えたが、近年水質は改善しており、増加の理由は特
定できていない。当面、様子を見るしかないとのこと(出所:
讀賣新聞 2023.4.6)。
※ 2-メチルイソボルネオール (英: 2-Methylisoborneol, 2-MIB) :
水道水への不満としてあげられることの多い、カビ臭の原因
物質の1つとして知られる(他にはゲオスミンなどが挙げられ
る)。このカビ臭は、貯水池などで繁殖したアナベナなどの藍
藻類が産生することが知られている。人間にとっては、水中に
ごく微量含まれていても感知できる物質であり、閾値は5 ng/L
といわれているが、過去の実験結果では0.1–115 ng/Lとされて
おり個人差が大きい。毒性は報告されていない。
かび臭原因物質の除去
滋賀県企業庁では、かび臭が発生した時は、通常の浄水処理
に加えて、粉末活性炭を注入し、かび臭の原因物質を活性炭
に吸着させて取り除くことで、水質基準値以下に保つよう努
めている。なお、かび臭の原因物質を吸着させた活性炭は
浄水処理の過程で取り除き、水道水に含まれていないことを
確認している。
✔ 原因究明が喫緊の課題。
【エピソード】
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桜満開、日本晴れの城内で予定通り観桜会を挙行。佐々木さ
ん、吉田さん、後藤さん(飛び込み参加)の4人と少人数と
なりましたが、最高のタイミングとなりました。これど日々一
期一会。新型コロナウイルス・パンデミックで会う機会が無
くストレスのようなものが澱のようにたまっていましたが、
それぞれ家庭内事情を抱えながらも元気な顔をみつことがで
き安堵しました^^;。
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□ その後の彦根広域ごみ処理施設建設問題 Ⅹ
放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分(第4版)
KPRとは川崎事業所でのプラスチック原料化事業の略称
2023年1月1日、昭和電工はレゾナックに生まれ変わりました.
プラスチックリサイクルの基礎知識2022(一般社団法人プラス
チック循環利用協会)を参考に編集部作成
廃プラスチックのリサイクルで目指す循環経済
❏ ブラスチック問題への新たなアプローチとは
創業以来、その企画力であらゆる企業の課題解決に寄与して
きた総合商社フジテックス。リサイクルや資源循環に必要な
機器・プラントを取り扱う環境事業部においては、近年多く
の企業からリサイクルに関する相談が増えている。
ケミカルリサイクルの特徴
1.ケミカルリサイクル:回収した廃棄物を洗浄、粉砕した
後に化学分解し、原料まで分解・精製した物質を利用する
2.マテリアルリサイクル:回収した廃棄物を洗浄、粉砕し
た後に溶かして成形し、再び製品として利用する
3.サーマルリサイクル:回収した廃棄物を燃やす際に発生
する熱エネルギーを利用する
同社環境事業部部長代理寺原拡志氏にリサイクルの現状と展
開する事業内容についてインタービュ記事が、環境ビジネス
2023年春季号に掲載されている。企業の脱炭素に対する意識
は年々高まってきているといえる。しかし温室効果ガスの排
出だけではなく、広く環境問題という観点で考えると、まだ
まだ取り組むべき事項は山積している。
そのひとつが廃プラスチック。マイクロプラスチックの流出
による海洋汚染や生態系への深刻な影響、限りある化石資源
など、世界的にも大きな課題となっている。
出所:株式会社フジテックス
ケミカルリサイクルのためのRPF製造ユニット KS-13120HDR
国内では2022年4月から「プラスチックに係る資源循環の促進
等に関する法律」(通称、「プラ新法」)が施行されるなど、プラ
スチックの取り扱いはどの企業においても考えるべき課題で
あるとし、従来、マテリアルリサイクルが容易でない廃プラ
スチックは燃料化されていた。 RPF(廃棄物固形燃料)やフラ
フ燃料と呼ばれる代替燃料化か進んでいますが、一方で限ら
れた資源であるプラスチックを使い続けるという主旨から、
産業界では素材まで分解して化学原料を取り出すケミカルリ
サイクルヘの期待が高まっている。
RPFでは、プラスチックだけで燃料化してはカロリーが高すぎ
るため、通常は紙や木の混合が必要になる。しかしその際、
企業の工場単位ではそれら紙や木の必要量を確保するのが困
難といった課題もあり、ケミカルリサイクルは廃プラスチッ
ク100%が基本構成となる。
工場から出る廃棄物だけでなく、流通した後に回収したプラ
製品も対象とできます。例えば衣類や家具、雑貨。これらの
理由から検討しやすいといった理由もあってケースが増えて
いる。受け入れ先となるリサイクラーも徐々にあらわれ始め
ているため、従来のサーマルリサイクルの提案に加え、ケミ
カルリサイクルの提案も始まっている。
省コストと環境負荷低減を同時推進
相談が寄せられる背景には大きく2つの要因がある。
1つ目は経営コストを見直す動き。燃料調整による電気代の
高騰や理立処分場のひっ迫為替変動など、複合的な影響を受
け、廃棄物処理の費用も年々高騰。「廃棄物を出す側の工場
としては、生産量や売上が増えるにつれ廃棄物にかかる経費も
当然増えていく。但し近年はコストの上昇幅が大きく利益を
圧迫しているのが現状がある。そこで外注していた廃棄物処
理を一部内製化することにより、コスト適正化を図ろうとい
う動きが加速の流れ。
2つ目としては、環境負荷低減の観点だ。経営の脱炭素化に向
けた中期計画を策定する企業も増えており、自社で排出する
廃棄物や資源物を、いかに合理的かつ環境に負荷を与えない
かたちで処理していくかは重要なファクターである。従来のマ
テリアルリサイクルが容易にできる製品は既に取り組まれて
いる場合が多く、それ以外の対象物への着手が始まっている
ことがある。
既存事業を活かし資源循環に貢献
あらゆる資源の有効利用が推進される中、サーマルリサイク
ルは燃焼させた際の排熱を回収してエネルギーとして利用す
るため、繰り返し使い続けるということができない。そこで新
たな選択肢として検討されるのがケミカルリサイクルという。
資源の循環という観点で考えると、素材として再利用できる
マテリアルリサイクルが理想的だが、一度製品化されたもの
は複合樹脂物が多く、マテリアルリサイクルが困難なため、原
料を取り出せるケミカルリサイクルに注目が集まってきてい
る。サーマルリサイクルによって廃プラスチックを燃料とし
て使用するのと、分解するのにエネルギーを使用するケミカ
ルリサイクルではどちらの二酸化炭素排出量がより少ないの
か、処理工程にもよるため、現状では未知数だが、ケミカル
リサイクルによる排出量の方が少ないということであれば、
資源循環をしながら脱炭素社会の実現も進めていけること
になる道理がある。
フジテックス(※彦根市宮田町のフジテックとの混同に注意)
は30年近く廃棄物・資源物の業界で事業を行っきた。その知見
やネットワークを活かし各企業様に合ったご提案をすること
が可能で、機械設備にとどまらず、事業そのものの実現をトー
タルでサポートすることができる。まずはご状況を伺えれば、
お力になれることも多くあるはずと言う。ケミカルリサイク
ルには、様々な企業が参入することを発表している。イヒ石燃
料由来のプラスチックは限られた資源であり、今後は使用済み
プラスチックの需要が高まる可能性も大いにある。日本は国
土が狭く埋め立て処分の割合が低いが、過去に埋め立てられ
たプラスチックもリサイクルされる日が来るかもしれない言
う。こういった実情をも踏まえ家庭ゴミ問題を考えていくこ
とも重要であろう。
この項つづく
【脚注及びリンク】
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- では水道の脱臭費用が3倍、5億円超、読売新聞, 2023.4.5
- 放射性物質含む下水汚泥 関東で3万4200トン未処理 ,
毎日新聞 2023.4.7 - 敦賀原発2号機の再稼働審査 再び中断する異例の事態
に 福井, NHK 2023.4.5 - 高浜停止、電気系統に異常か 朝日デジタル 2023.3.2
- ウクライナ侵攻と原発 今その意味を考えて NHK 2023.3.
- 最延長60年原発運転期間 実質的延長法案閣議決定
NHK 2023.2.28 - Q&A 原発の運転期間の延長、ホントにいいの? FoE
Japan 2022.12.23 - 原発ってどこにある?今、動いてる?再稼働はいつ 2023.
2.9 - ごみ焼却場長寿命化改修工事のお知らせ、 2022.11.30
- 原発の運転延長 なぜいま?リスクは? - NHKニュース
2022.11.7 - 彦根愛知犬上地域の新ごみ処理施設建設に向けての
経緯、彦根愛知犬上広域行政組合 2022.12.28 - ごみ焼却場長寿命化改修工事のお知らせ 彦根市 2022
.11.304 - 彦根市ごみ焼却場長寿命化総合計画 彦根市・環境技術
研究所 2021.3.31 - 彦根愛知犬上地域一般廃棄物(ごみ)処理基本計画( 概
要版) 2022.07 改訂 - 原子力発電の円滑な廃炉へ残る課題―--日本の状況に
合わせた体制整備が急務 スマートジャパン、2022.8.5 - 関西電の美浜原発3号機、12日予定の送電開始に遅れ
水漏れの影響 2022.8.3 ロイター - 原発稼働本格化 今冬までに最大9基、岸田首相 Yahoo!
ニュース、2022.7.15 6:55* - IEA、原子力投資「3倍」必要 脱炭素・エネ安保に貢献
日本経済新聞, 2022.6.30 14:00* - 「ごみ施設総工費」年内示す 滋賀彦根新聞 2022.7.6
- 相模原市がごみから貴金属を回収してSDGsを推進 極
東極楽 2022.6.17 - 放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処分(技術資
料第4改定版) 国立環境研究所 2014.4.14 - 美浜3号機、8月並列へ/関電、運転再開2ヵ月前倒し
電気新聞デジタル 2022.6.13 - 処理水放出の海底トンネル掘るシールドマシン設置 東
電福島第一原発 東京新聞 2022.4.25 - 焼却が復旧も「予断も許さない」- 貯留ごみの処分他市
町に要請 滋賀彦根新聞 2022.1.29 - 彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備事業に係る環境
影響評価方法書一般意見に対する事業者の見解
2021.4.20 - 彦根の新ごみ処理場で反対意見書提出 毎日新聞
2021.2.11 - 「グラスゴー気候合意」採択し COP26 閉幕、石炭の段階
的削減へ ジェトロ,2021.11.16 - 清掃センター焼却炉(3号焼却炉)の運転再開 2021.5.24
- 「感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う〜」 NHK、
2020/12/27 - 福島第一原発の処理水、海洋放出を政府決定 2021.4.
13 BBCニュース - 彦根市清掃センタ焼却炉 2基(3基)停止、 1号炉のみに
滋賀彦根新聞 2021.12.25 - 湖東地域広域ごみ処理施設整備に関するQ&A 彦根
市 2019.8.30 - 彦根市一般廃棄物処理基本計画の 進捗状況評価につ
いて(平成30年度, 2018) - 彦根圏の広域新ごみ処理場計画、難航 朝日新聞
2015.8.31 - 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia
- モントリオール議定書の成果について Nature
Communications, 2015.5.27
地球温暖化, フリー百科事典『Wikipedia』
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