虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

吹替映画大事典/とりみき 吹替愛好会著

2007年11月19日 | 映画の話題
三一書房(1995年刊)

 この本も存在は知っていて、でもめぐり合わないうちに10年以上経ってしまい、思い立ってすぐ買える本ではなくなってしまいましたが、出来れば買っておこうかという本です。
 私は、お子様向け・家族向け映画を家族一緒に見にいって映画にはまっていったわけではなく、テレビ放送の吹替え映画から映画というメディアの虜になっちゃったので、吹替えの声優の方々にはかなりお世話になっています。それでも最近は字幕ばっかり見ていて、よほど気に入った映画でないと吹替えまでは見なくなっていました。それでもバート・ランカスターは日本語版では久松保夫氏の声でないとバート・ランカスターの感じがしない、とは思ってました。

 日本のアテレコが如何に質の高い声の演技陣を持っていたか、ということをあらためて気付かせる本です。なるほど、最近NHKBSで次々放送されている「スター・トレック」「ローハイド」「ヒッチコック劇場」「奥様は魔女」などを見ていて、日本語吹替えの声が、本人が話してるとしか思えないくらいにはまりきっているのを見せられているし、特に、レンタルビデオ字幕版を見ていた「スター・トレック」は、英語力が無い私には吹替えのほうが人物の聞き分け、性格や劇中ポジションの違いがくっきりわかることを(さみしいけど)確認させられたところでした。特にウィリアム・シャトナーのカーク船長は吹替えのほうが端正に聞こえる。
 しかし、私の興味は、それ以上に冒頭に紹介された「続・夕陽のガンマン」の吹替え版ラストシーンのような吹替え版独自の楽しみを作り出していた部分に思い切りひきつけられる。
 以下緑字は文中より

 イーライ・ウォラックが首に縄をかけられるシーンで彼が絶叫する。「ごめんなさあい!」

 (うわあああ~~~~ほんと?!! と、私も絶叫)

 縛り首男=イーライ・ウォラックの声で「俺、汚ねえ奴」
 死体=リー・ヴァン・クリーフの声で「俺、悪い奴」
 そしてポンチョ男=クリント・イーストウッドは「おれ、いい人」と結び笑わせる。(5p)


 きゃあ、きゃあ、きゃあ、しゃべらせちゃったの~!おもしろそ~~~~~見たい~~、とまた私は絶叫するのです。

 それに、この本に出てくるテレビシリーズも是非見なくては、と息が荒くなるようなのばかりでレンタルDVD検索に恐ろしい時間かけました。
 で、とりあえず広川太一郎氏が「吹替えの過激な実験をした」と述べておられる「ダンディー2」を予約。
 それに「宇宙家族ロビンソン」のドクター・スミスというキャラの形容にもしびれました。

 わがままに手足をつけて変わり身という衣を着せたような奴(175p)

…強烈に見たい。