虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

300 <スリーハンドレッド>(2007/アメリカ)

2007年11月01日 | 映画感想さ行
300
監督: ザック・スナイダー
出演: ジェラルド・バトラー    レオニダス
   レナ・ヘディ    王妃ゴルゴ
   デヴィッド・ウェンハム   ディリオス
   ロドリゴ・サントロ    クセルクセス

 紀元前480年、大帝国ペルシアの服属要求を拒み、10万のペルシア軍に抗して全滅するまで戦い抜いたスパルタのレオニダス王と300の精鋭の戦い。

 テルモピレー、またはテルモピュライの戦いについては、高校の世界史の時間の研究発表の時に、この辺の歴史好き級友が張り扇の音がしそうな名調子の語りで、実演も交えてこってり教えてくれたのでそれなりに記憶に残ってました。覚えていたのが、最期の食事シーンでのレオニダスのセリフ。級友は「今宵はハデスの館で宴をしようぞ」とか言ってたけど、映画では「地獄(hell)で~」 になってました。ちょっと残念。
 あと締めくくりは「折れた槍を捨て、剣を振るい、それもまた刃が毀れ尽きれば、武器がなくなっても己が拳と歯と、あらゆるもので、最後の一人が倒れるまで闘い抜いたのでした!」…なあんて調子でした。(こういうラストも見たいな)
 かなりそれと違うところは多かったのですが、こっちの映画の設定もヒロイックなので、お話としては可です。まるでゲームか娯楽アクションの怪物みたいな敵が出てくるのが笑えます。
 結論への持っていき方は強引だし、スパルタの社会はどう考えてもいびつだし、私のような弱いものは絶対脱落するのでやだなあとも思いますが、この「誇り高く死力を尽くして殉じる」姿の吸引力はしぶしぶながらも認めざるを得ません。

 ドラマ部分に突っ込みいれたくなるとはいえ、私がこの映画の魅力だと思うのは、戦闘シーンの映像と全体セピアがかった色彩。
 原作がコミックだそうだが、実際絵がひとつひとつ素晴らしく決まっている。ストップモーションではないけれど、動きが分解されて漫画のコマを追うような感じで、身体の躍動とか力が思い切り漲った絵をつないで見るような映像に(苦手な血みどろシーンなんだけど)眼が離せない。

 これは絶対、大スクリーンで見たかった!

 和製英語らしいけど、歴史劇をコスチュームプレイっていいますよね。この身体そのものがコスチュームというこの映画の、あれだけの筋肉作り上げた出演者の皆さんはすごい、えらい。