虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ロビンフッドに鉛の玉を/ステュアート・カミンスキー

2007年07月02日 | 
文春文庫

 眼の充血も少し良くなりまして、仕事相手に泣いているのかとびくびくされたり、「眠いの?」と頻繁に聞かれたりしなくなりました。あと少し!今週中にはパイレーツ見るぞ!(遅い!泣きそう!)

 で、最近は爆発しない温泉でないスパ施設でVシネマのしょこたんやら星野アキ主演のアクション映画(と言っていいのだろうか)をちらちら見てそれぞれのファンの皆さんには悪いけどがっかりしたり、画面の動かない本や漫画を読んだりして居りました。

 恥ずかしいことに未読だったステュアート・カミンスキーの探偵トビー・ピータースシリーズ(入手困難だった)が、なんと図書館で揃っていたので一気読みできました。
 1940年代のハリウッドが舞台で、監督・スターの実名バンバンでてきます。
 まずタイトル見ただけで、誰にからんだ事件かがわかります。

 ロビンフッドに鉛の玉を 
 虹の彼方の殺人
 我輩はカモじゃない
 ハワード・ヒューズ事件
 吸血鬼に手を出すな

 第1作はもちろんエロール・フリン。 何かと女性関係の問題の多かったスターの事件は、やはりそれ方面のものです。(これを書いているときも、ふりんの変換が不倫になったりするのがなんとなく平仄があいすぎておかしい。)
 プライベート探偵なので、各作品で違った映画会社を動き回る主人公が、問題を解決するために綺羅星の如き映画人の間を動き回りますが、この時はワーナー。
 エロール・フリンのスキャンダル解決のために殺人事件に巻き込まれ、フェイ・レイをキングコングから救った男に助けられたり、ピーター・ローレに事件解決のヒントを貰ったり(ローレはなかなか頭脳明晰に描かれてます)、E・G・ロビンソンに画商と間違えられたり、ゆすりの犯人を追ってエドワード・アーノルドを突き倒しG・クーパーに助け起こされたり(スタンウィックはいなかったシーンですね)、「黒い鳥の置物」の中から手がかりを取り出したり…
 あ、あの映画ね、と映画クイズとしてもけっこう楽しめます。未知の事実もかなりあってほんとに面白かった。
 ドン・シーゲルはダーティーハリーのイメージ強くてこの世代の監督じゃないように思っていたけど、そうか、エロール・フリンと同じスタジオにいたのかとか、「ハイ・シエラ」も「マルタの鷹」もジョージ・ラフトにまずオファーが行ったのか、などなど。
 実は「ハイ・シエラ」未見。早速見なくては。