虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

グエムル -漢江の怪物-(2006/韓国)

2007年02月03日 | 映画感想か行
監督: ポン・ジュノ
出演: ソン・ガンホ パク・カンドゥ
   ピョン・ヒボン パク・ヒボン
   パク・ヘイル パク・ナミル
   ペ・ドゥナ パク・ナムジュ
   コ・アソン パク・ヒョンソ

 ソウルの中心を流れる漢江(ハンガン)の河川敷で売店を営むパク一家は、家長のヒボン、長男カンドゥ、次男ナミル、長女ナムジュ、そしてカンドゥの娘ヒョンソの5人家族。ある日突然、漢江に正体不明の巨大な生き物が出現、人々を襲う。ヒョンソも犠牲者となった。怪物の持つウィルス感染者として強制的に隔離された一家に死んだと思ったヒョンソから助けを求める電話が入る。取り合わない当局に対し、一家は病院を逃げ出し、ヒョンソの救出に向かうのだったが…。

 韓国映画でこんなに面白かったのはほんとに久々です。
 私はどうも韓国映画は肌に合わない感じで、素直に面白いなあと思ったのはほんとに1,2本なのだけれど、これは最初から最後まで面白かった。
 うまく形容できないのだけれど、どこか突き放したような、というか感情移入をさせないような第三者視点でいられるというか、そういうムードが実にうまくできていて、それが「やった!」というより「う~ん、やるなあ」「やられちゃった」という感覚で見た後にうならせてくれました。
 家族がののしりあいながらも、ヒョンソのために行動することをまったく疑わないし、やることなすことボケだらけながら全く後ろを振り返らず、前進あるのみといった点。韓国の国民なら素直に納得、というかあたりまえで気にも留めない心性なんでしょうか?この辺わかったら面白いのにねえ、と思ったのですが。ヒョンソもヒョンソでとんでもない環境でも、けっこう冷静で彼女なりに戦っている雄々しきヒロインぶり。
 ホラーコメディを見た、というより怪物の出てくる喜劇と悲劇…ものごとの多面性を一度に見た感覚。怪物も画面にとってつけたような違和感無かったし。
 ラストではバトルに拳骨作ってる私と、家族に抱きしめられる少女にジワッとしてる私と、火炎瓶投げる彼とか原始的な戦いにやっぱり笑いたい私が居りました。

 ちょっと「ルナ・パパ」を思い出してしまいました。
 これも劇場で見逃して実に残念でした。リバイバルがあったら絶対いきます。