二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

何者かの指が  2022-18(11月2日)

2022年11月03日 | 俳句・短歌・詩集
     (2017年5月 撮影)



枝のミカンをもいで食べた。
4つ5つと食べてみたけど
どれも少しずつ味が違う。
人もそうだと思うけど。

お隣どうしなのに何をかんがえているかわからない。
話をしてみないと ね。
けさも陽がのぼった。
あすもたぶんのぼるだろう。

空気と水について
かんがえることなんて
めったにない。
あたりまえに“そこにある”ものは

あたりまえにあるものは
ニュースにはならないし かんがえる必要のないものさ。
地球というこの青い惑星のなかでご先祖が移動を開始して
たった20万年だって 見たわけじゃないだろうが。

ミカンをもう一つ食べよう。
そのあとどうするかは
食べたあとでかんがえる。
つまり ゆくさきをどこにするか と。

この自由と不自由。
だれに強いられたわけでもない自由と不自由。
起床装置のスイッチが入ったので
きみは70年前にピコピコ動き出した。

だれがスイッチをONにしたのだろう。
その人がいずれスイッチをOFFにするだろう。
それまではぎこちないブリキの兵隊みたいに動いてゆく。
何者かのしなやかな指が ふたたびOFFにするまで。

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