二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

風の音

2010年09月04日 | Blog & Photo
昨日は前橋36.8℃。
今日も最高気温36℃の予測が出ている。
長期予報サイトを眺めると、まだ一週間は、こんな暑さがつづくらしい。
日本は熱帯(亜熱帯)になったのだと、なかばあきれながら覚悟を決めた(;_;)

だけど、けさはとてもすずしかった。
朝晩はコオロギの大合唱。
裏庭には、スズムシもいるらしい。
「調子が狂うよねぇ、これじゃ」
といってみるが、彼らから返事はない、むろん。

7、8年前の8月、インドへいったとき、郊外でいちばん眼についた光景を思い出す。
大きな木の下に、牛や山羊や男どもが集まっている。
木陰の涼をもとめて、そこへと集まってくるのだ。
デリー周辺は、35~6℃だったような覚えがあるが、付近は乾燥地帯が拡がっていて、
木陰に入ると、体感温度はぐっと下がる。

人間はむろん、家畜どもも、そこで寝そべっている。
一日中、なにもしないで、哲学者みたいな顔をして。
人目も気にせず、あんな風に、盛大に寝そべっていることに、少々驚かされたからよく覚えているのだ。
それに比べ、われわれ日本人の、なんといじましく、勤勉なことだろう。
「そんなにあくせく、毎日働いていたら、遠くから吹いてくるこの風の音は聞こえないだろう」
哲学者のような顔がそう語りかけている。



2003年8月、デリー郊外。
ここが彼のダイニングキッチン。左の建物が寝室で6畳1間。
インド版「方丈記」とでもいいたくなるような、シンプル・ライフである。





冒頭の一枚は、ジャープール「風の宮殿」。
風の音を愉しむために、こんな宮殿を建てた王様もいたのだ。
こんな贅沢があるとはね! 気宇壮大。
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