二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

落差(ポエムNO.2-89)

2017年01月29日 | 俳句・短歌・詩集
やろうとしたことと
やってしまったことのあいだに
大きな 大きな落差があってね
そこを滝が流れ下っている。
グァオグァオ という地鳴りがあたり一面の空間と
そこを満たしている香ばしい空気を
疵だらけにする。

たとえば右目で少し太ったセクシーな女を見
左目で買ったばかりの唐詩選見る。
しばらく女の腰のあたりのS字カーブに見とれ 
漢字それ自体の美しさに見とれる。
日常生活のいたるところに
大きな滝がある。
なかば茫然自失となりながら

ぼくは生活のつぎのステージへとすべり込む。
かろうじて
かろうじて特定の日付をもった
今日という一日の真っ白なホームベース。
やろうとしたことと
やってしまったこと。
さあ つぎはなに?

なにを どうしたいのか・・・を考える。
なんで男はこう二元論が好きなのだろう。
そういう動物なのだ たぶん・・・。
滝を巨龍か鮟鱇になったつもりで のぼったり下ったりする。
大歓声をあげながら
ときに頑ななほど沈黙したまま。
寡黙な男が美しいのは 銀幕のスターばかりじゃない。

過去からの重圧と 未来からの重圧が
ぼくの眠りを圧縮し 圧縮する。
ゆがんでしまった真珠となって
たくさんの夢がまろび出てくる。
やろうとしたこと やってしまったこと。
その高低差が途轍もないエネルギーとなって

ときに 美しく結晶したりするけど
それはいつだって
ある「ゆがみ」のために美しく・・・
美しい永遠の輝きを放っている。
そこから今日という一日が
きみやぼくのために ゆっくり
ゆっくりと降りてくる。

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