
あの雲は動いているんだろうか?
あまりに大きくて そのあたり一面を陰りが覆っている。
雲のへりにはひざしがあってね。
そこからさきへはめったに出られた
ことがない。出られたこと・・・がない。
だれかが忘れていった荷物のように
ぼくは“そこ”にころがっている。
犬がきたり猫がきたり
いろいろな黒い虫がぼくの周りを通り過ぎる。
スイフトが書いたガリバーのように いや
配達人が忘れていった荷物のように
ぼくはころがっている。
ああ おお。
本が枯れてゆく。どんどんと本から文字が逃げ出して
ぼくの手がとどかないところへ。
とどかないところへ逃げてゆく。
結局はだれかが忘れていった荷物となって
ぼくは白いページばかりで出来た
不思議なふわふわした本のからわらに
寝そべっている。
雲がどんどん どんどん
あっちへいってしまう。
日陰も消えてゆく。
消えた日陰のことを だれか憶えているかしら。
※この写真と詩には直接関係はありません。
あまりに大きくて そのあたり一面を陰りが覆っている。
雲のへりにはひざしがあってね。
そこからさきへはめったに出られた
ことがない。出られたこと・・・がない。
だれかが忘れていった荷物のように
ぼくは“そこ”にころがっている。
犬がきたり猫がきたり
いろいろな黒い虫がぼくの周りを通り過ぎる。
スイフトが書いたガリバーのように いや
配達人が忘れていった荷物のように
ぼくはころがっている。
ああ おお。
本が枯れてゆく。どんどんと本から文字が逃げ出して
ぼくの手がとどかないところへ。
とどかないところへ逃げてゆく。
結局はだれかが忘れていった荷物となって
ぼくは白いページばかりで出来た
不思議なふわふわした本のからわらに
寝そべっている。
雲がどんどん どんどん
あっちへいってしまう。
日陰も消えてゆく。
消えた日陰のことを だれか憶えているかしら。
※この写真と詩には直接関係はありません。