二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

ブラームスな気分

2010年07月03日 | 音楽(クラシック関連)
このところ、ブラームス熱にとりつかれ、
4つのシンフォニーをはじめ、2つのピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲などを、
あらためて聴きなおしている。

交響曲はどれもコクがあって、ディテールのニュアンスが豊かであるうえ、「一音もゆるがせにしない」といわれるその緊迫感につつまれていると、いつしか「ブラームス的宇宙」へとトリップしてしまう。

最近とくにのめりこんだのは、交響曲第3番と、ピアノ協奏曲第2番。
かつてはカラヤンで聴いていたけれど、
いまはバーンスタイン&ニューヨークフィルの一枚を愛聴している。

名作映画等で取り上げられ、すっかり有名になったこの第3楽章はなんど聴いても、胸をしめつけてくるような哀調をおびていて、ときどき、ホルンが奏でるあのメロディーが唐突に記憶の底からよみがえり、口ずさんでしまうほど。
http://www.youtube.com/watch?v=5-HcTI8zuBo&feature=related

ベートーヴェンの肖像を部屋に飾り、モーツァルトの大ト短調シンフォニーの自筆譜を秘蔵していたブラームス。偉大は偉大だけれども、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンが神々だとすれば、ブラームスには、はるかに人間的な「生活と感情のにおい」が感じられるのがいい。シューマンの妻、クララに宛てた手紙を読むと、
彼の情熱の奔騰を感じずにはいられない。それは否応なしに楽曲に反映している。

ピアノ協奏曲第2番は、かつて聴きほれたことのあるバックハウス+カール・ベーム&ウィーンフィルを見つけてきて、このコンチェルトに浸っている。この音楽を聴いていると、
自分がちょっと偉くなったような気分につつまれるのが不思議(^-^)

ほかには、チェロ・ソナタや弦楽六重奏曲、ドイツ・レクイエムに手をのばして、
ますますブラームスな気分にはまっている。
ブラームスは暗くて重たいから、あまり好きではないと、わたしの友人などもいう。
たしかに、とっつきにくい部分はあるし、メロディーで聴衆を惹きつけるという作曲家ではない。しかし、モーツァルトのような天性の陽気さはないものの、ハンガリー舞曲集などを聴いていると、ブラームスの笑顔が想像できる。
微笑というだけなら、4つのシンフォニーのいたるところに、ちらばっている。

ふだん滅多に笑顔を見せない人が、たまにみせるかすかな微笑み。
深い霧のような憂愁のなかから、陽光がきらきらと射し込んでくるようで、そこがファンにはたまらない魅力である。うーん、ヴァイオリン・ソナタや晩年のピアノ小品集など、
まだまだ分け入ってみたい曲はたくさんある。



ところで。
昨日、なぜか疲れが出て、公園に止めたクルマのなかで、うたた寝をしてしまった。
雨が降ったあとで、少し気温がさがっていた。
「あっ、眠りすぎたか!」と思って飛び起きたら、40分ばかりたっていた。
そのとき・・・15cmほどあけてあった窓の隙間を、
この子がはっていた。






ゴマダラカミキリの、すごくきれいな個体。
「そうか、そうか。記念写真が撮りたいのだな」
わたしは彼(彼女)をつまみ上げて、すぐ近くのアジサイの葉っぱにのせてやった。
すると、そこにたまった水滴を舐めるようなしぐさをしている。

わが家の近所にも、ゴマダラが棲息していて、子どものころは、
クワガタとこのカミキリがわたしの小さなマスコットだった。
光線によっては、黒ではなく、非常に黒に近い、つや消しの濃紺に見えることがある。
写真では再現できないのが残念(=_=)
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