二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

新企画・短編小説10編を読む

2013年01月22日 | 小説(国内)
今年から新企画をスタートさせる。それがこの「短編小説10編を読む」である。日本の近代文学から5編、世界(海外)の文学から5編を、とりあえずリストアップしてみた。いたって気まぐれまので、途中で挫折もありうる。あるいは、直前になって、リストを変更し、違う作品と差し替えるかもしれない。ほんとうは、モームのように、あるいは池澤夏樹さんのように長編小説10編といきたいが、時間的な制約があるうえ、精神的に少々フィクション放れしているので、短編とした。日本の近代文学5編1.寒山拾得(森鴎外)2.「思い出す事など」の中の1編3.「忘れ得ぬ人々」国木田独歩4.名人伝(中島敦)5.出征まで(大岡昇平) . . . 本文を読む
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大ピアノスト ~バックハウスの場合

2013年01月22日 | 音楽(クラシック関連)
バックハウスは1884年(明治17)に生まれ、1969年(昭和44)に85才で亡くなっている。ベートーヴェンの直系といわれる20世紀最高のピアニストのひとり。たいへん厳しい態度で演奏会に臨み、音楽の“録音”がはじまった初期のころから、85才で亡くなるまで、多くの名演を収録し、後世に「遺産」としてつたえた・・・そういう意味では、ピアニストとしてはめぐまれた巨匠であったとおもう。わたしが意識してピアノ音楽を聴くようになった30代なかばのころ、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、バックハウスで聴くか、ケンプで聴くか、限られた予算とにらめっこしながら、をその都度大いに頭を悩ませたものであった。ポリーニでモーツァルトを聴きながら、「ではあのころ感動したバックハウスはどんな演奏家だったのだろう」と、気になってきて、数日まえに、ベートーヴェン、ラスト3曲のピアノ・ソナタを聴きなおしたところ、これがいま聴いてもやっぱりすばらしい名演で、深く心を動かされてしまい、「そうか・・・忘れていたものがよみがえってきた」と胸をときめかせたのであった。 . . . 本文を読む
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