昭和町界隈（ポエムNO.61）

秋がふかまって　モズどもがけたたましく啼く時節。 昭和町界隈のカメラ散歩をおえたぼくは 場末のカフェ「オールドマン」でモカを飲みながら カメラの背面液晶をのぞき込んでいる。 ルーズリーフのメモ帳があるし 記憶の淵からは風が吹いていて ぼくのくせっ毛をたえまなくなぶっている。 たよりないようでいて ぼくのこの右手はよりしろなのだ。 ただし　下りてくるのは神ではなくことば。 指の先端が　空気中をただよう母国語の飛沫をたえまなく浴びている。 . . . 本文を読む