二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

べっこうの櫛(ポエムNO.35)

2011年07月29日 | 俳句・短歌・詩集
書くに値しないようなつまらないことなのだが なぜかふと書いてみたくなったささいな出来事。 そこが・・・北陸だったか 山陰だったかもう覚えていない。 月夜の浜にべっこうの櫛がひとつ落ちていた。 ぼくは石とまちがえ その櫛をひろいあげた。 歯は半分近く欠け 傷だらけだが それは疑いもなく だれかが長年使った 古いひとつの 弓形の背をもった櫛なのである。 R・Mとだけイニシャルが彫られている。 昔べっこうは長寿のしるしとして珍重された国があった。 事情があって持ち主の手をはなれ あるいはその遺族の手をはなれ . . . 本文を読む
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