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二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

正常・異常の境界例を生きた男 ~反時代的毒虫・車谷長吉をめぐって

2024年06月18日 | 小説(国内)
   (一昨日、BOOK OFFで手に入れた車谷長吉の2冊) 妻の留守中に、解凍中の生イカをのどにつまらせ、69歳で窒息死した小説家車谷長吉。 「四国八十八ヶ所感情巡礼」のレビューでこんな記事をお書きになっている方がいた。 《どこかの駅でうんこを垂れ流し、「この始末は誰がするのか」と駅員に言われて「それは、おまえの給料のうち」と言い捨てて、折から着た電車に飛び乗ったという話を得意気に書いて . . . 本文を読む
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決定版葛西善蔵論  ~YouTubeチャンネル

2024年05月31日 | 小説(国内)
https://www.youtube.com/watch?v=gmqNyuipogw 「何か分かりづらいチャンネル」 このタイトルが意味するものが、どうもわかりづらいが、番組としてみた場合、お見事というほかあるまい。 葛西善蔵の小説からの引用は、まことに的確。 この番組の制作者は何者だろう・・・と、気にかかって仕方ない(。-ω-) 葛西善蔵と嘉村礒多。 人間がいかに、どのように愚かしいかず . . . 本文を読む
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破滅型私小説の極北 その2

2024年05月28日 | 小説(国内)
   (「宇野浩二・葛西善蔵・嘉村礒多」日本の文学 33 昭和45年刊)    (「哀しき父・椎の若葉」講談社文芸文庫 水上勉解説 1994年刊)    (「贋物・父の葬式」講談社文芸文庫 鎌田慧解説 2012年刊) 本編「血を吐く」は、「日本の文学」(中央公論社の文学全集)にも、講談社文芸文庫の2冊にも収録されていない。 岩波文庫の旧版を探すか、Kindle版 (電子書籍)を探すしかないか . . . 本文を読む
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破滅型私小説の極北 その1 ~葛西善蔵「血を吐く」をめぐって

2024年05月28日 | 小説(国内)
   (「子をつれて 他八篇」谷崎精二解説 1952年刊) 上の岩波文庫(旧版)の表紙裏に、こういうコピーがある。 《貧窮と病苦の人間破産状況のなかに漂う詩情と飄逸味》 よくある葛西善蔵評といえる。 ついこのあいだ、「湖畔手記」の続編とみられている「血を吐く」を何気なく読んでいたら、つぎのような場面と遭遇し、あっけにとられ、心の底が冷えびえと疼いた。 400字詰めで20ページ前後のごく短い短篇 . . . 本文を読む
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絶やすな。昭和文学の火を。 <その2>

2024年05月24日 | 小説(国内)
いうまでもないけど、昭和が終わったのは昭和64年(1989)のこと。昭和1年は1926となる。どなたもいうことだろうが、長いながい昭和は、20年8月で、二つに折れ曲がっている。 わが国の元号を長い順に挙げると、 昭和(62年14日間) ※昭和は最初の1年と最後の64年はそれぞれ数日しかない 明治(44年187日間) 応永(約35年間) となる。2つに分断されているとはいえ、昭和がいかに長かったか . . . 本文を読む
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絶やすな。昭和文学の火を。 <その1>

2024年05月24日 | 小説(国内)
タイトルの標語は小学館P+D BOOKSのコピーである。 「絶やすな。昭和文学の火を。」かあ、苦笑いせずにはいられんけど(笑)。 P+Dがなんのことかというと、ペーパーバック+デジタル・・・とのこと。 わたしのように、昭和20年代生まれのじいさんには、たしかに愉しみの多い昭和文学である。 https://pdbooks.jp/index.html P+D BOOKSは以前から知っていたし、うち何 . . . 本文を読む
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スロットル全開、織田作之助の世界 ~「放浪・雪の夜」の周辺

2024年05月13日 | 小説(国内)
■織田作之助「放浪・雪の夜  織田作之助傑作集」(新潮文庫 令和6年刊) 西村賢太の本を物色するため戸田書店をうろついていたら、こんなのが目についた。 「おや、新潮文庫の新刊だな?」 そうかんがえながら手にしてみると、新たに編集されたおださく(織田作之助)だった。 織田作之助については、以前短く書いたことがある。 ■二草庵摘録:2019年3月 https://blog.goo.ne.jp/n . . . 本文を読む
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開高健の周辺をとぼとぼ歩く

2024年04月12日 | 小説(国内)
読み返しもしないで、その人物の周辺をとぼとぼ、うろうろ。 近ごろこういういやな病気を発症しているな(ノω`*) ううん、まいったぜ。 そろそろ元の路線に復帰! ・・・といきたいのだが、どうもまだしばらくかかるようだにゃ。 先日買った文庫本「夏の闇」に、新潮社の“お知らせ”が紛れこんでいた。 ふ~~む。 TOPに掲げた一枚が、いわば内容見本である。 2010年5月31日発売で、定価3360円 . . . 本文を読む
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開高健のいる光景

2024年04月08日 | 小説(国内)
開高健与えられたのは58年。 https://www.youtube.com/watch?v=h2FB-mS9Tbs この時代の人物としては比較的多くのフィルムを残した。 スコットランド紀行もすばらしい♬  デスクに座っているのに飽きると、世界中へ出かけていった。 いつも“奇蹟”のとなりに彼がいた。 輝かしき58年! あんな豪勢な絢爛たる笑いで周囲の人びとを巻き込む作家が、ほかにいただろうか(´ . . . 本文を読む
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開高健はほんまに巨人か ~この人をめぐるよしなしごと

2024年04月06日 | 小説(国内)
河出書房から出ているMOOKに「開高健 永久保存版」がある。そこに「今よみがえる巨人の全貌」というキャッチコピーが添えられている。 開高さん自身の著書に「ピカソはほんまに天才か」があるが、それにひっかけていえば「開高健はほんまに巨人か」といっても許されるだろう。 かねてから気になっていた開高健さん。サントリーの宣伝部から身を起こし、CMコピーの制作者から一流の小説家になった。同じくサントリーの宣 . . . 本文を読む
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