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興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

高血糖は免疫系の機能不全を引き起こす

2015-08-09 08:11:28 | 免疫
High blood sugar of diabetes can cause immune system malfunction, triggering infection

Scientists show how sugar-derived molecules can weaken infection-fighting antimicrobial beta-defensin peptides

August 6, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150806151354.htm

ジカルボニルdicarbonyls化合物であるメチルグリオキサールmethylglyoxal (MGO) とグリオキサールglyoxal (GO) は、ヒトβ-ディフェンシン-2 (hBD-2) ペプチドの構造を変化させて、炎症ならびに感染と戦う機能を阻害する


ジカルボニルはhBD-2のいくつかのアミノ酸残基に結合し、特にhBD-2の表面近くに位置する正に帯電した2つのアルギニン残基にpositively charged arginine不可逆に結合する
タンパク質の正または負の帯電はタンパク質や抗菌ペプチドの機能に関与し、他の化合物や分子との相互作用に影響するので重要である

ジカルボニルで処理したhBD-2はグラム陰性細菌の攻撃を止める能力が大幅に低下し、
細菌の増殖を阻害して殺す能力が約50%減少し、免疫細胞を呼ぶ能力も低下した


http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0130533
Modification of β-Defensin-2 by Dicarbonyls Methylglyoxal and Glyoxal Inhibits Antibacterial and Chemotactic Function In Vitro.
ジカルボニル化合物のメチルグリオキサールならびにグリオキサールによるβ-ディフェンシン-2の修飾は、抗菌機能ならびに化学走性をin vitroで阻害する
 

1型糖尿病は4つのタンパク質の血中レベルが低い

2015-08-09 07:00:54 | 免疫
Type 1 diabetes patients have lower blood levels of four proteins that protect against immune attack

July 29, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/07/150729155243.htm

1型糖尿病の子供と健康な子供で、13のサイトカインを調べたところ、
1型ではIL-8, IL-1Ra, MCP-1, MIP-1βが低かった


MIP-1βは動物モデルでT1Dを防ぐことが示されている

IL-1Raの遺伝子組み換えrecombinant versionは既に関節リウマチで使われ、T1D/T2Dでも研究中である

新規にT1Dと診断された患者での研究では、寛解remissionに至る人はIL-1Raのレベルが高いことが示されている


サイトカイン・ケモカインは炎症を促進も抑制もする(MIP-1βは両方である)
適切な比率the proper mixは炎症が起きないようにするのを助ける
例えば、複数の種類の細胞から分泌されるIL-1Raは、炎症性サイトカインIL-1βのアンタゴニストである


http://dx.doi.org/10.1210/JC.2015-1388
Large scale discovery and validation studies demonstrate significant reductions in circulating levels of IL8, IL-1Ra, MCP-1 and MIP-1β in type-1 diabetes patients.
 

1型糖尿病の新たな治療に関する有望な進歩

2015-08-09 06:50:35 | 免疫
Promising progress for new treatment of type 1 diabetes

July 30, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/07/150730081148.htm

ウプサラ大学のStellan Sandler教授の研究グループのPhD studentのDr. Kailash Singhは、1型糖尿病マウスモデル/T1Dでの制御性T細胞/Tregを研究した

このマウスでのTregは機能が変化していて、抗炎症性タンパク質のIL-35の代わりに、炎症性タンパク質を産生していた

※IL-35: Foxp3+Tregが恒常的に産生している抗炎症性タンパク質。CD4+CD25+Tregの増殖とIL-10産生を誘導し、エフェクターT細胞の増殖とTh17細胞の分化は抑制する


Sandler教授の研究チームはストレプトゾトシンによりT1Dを誘導したマウスモデルでは、T1D誘導後でもIL-35の投与がT1D発症を防いだ
2日間連続してconsecutive糖尿病にかかった状態diabeticだったマウスにIL-35を投与すると、血糖は正常化した

別の糖尿病モデルのnon-obese diabetic/NODマウスでも同様の結果だった
どのマウスモデルでも、IL-35を中断interruptionしても糖尿病が再発returnすることはなかった

T1D患者でもIL-35の濃度は低かった
研究者はTregの変化を説明する新しいメカニズムを発見した


http://dx.doi.org/10.1038/srep12633
Interleukin-35 administration counteracts established murine type 1 diabetes – possible involvement of regulatory T cells.

Abstract
MLDSTZでTregは増加したが、このTregは抗炎症性サイトカインが減少し (IL-10, IL-35, TGF-β)、炎症性サイトカインが増加した (IFN-γ, IL-2, IL-17)

※MLDSTZ:
複数回/頻回低用量ストレプトゾトシン投与によるT1Dモデル
multiple low dose streptozotocin induced (MLDSTZ) T1D model [27]


Introduction
PanらはIkaros転写因子ファミリーの一つEosがFoxp3とともにTregの抑制性機能の維持に必須であることを示した [26] が、Eosの自己免疫疾患/感染症における役割は研究されていない


Figure 11:
Tentative outline of IL-35 mediated protection against T1D in MLDSTZ.
仮説の概要




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http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140614192638.htm
Reversal of type 1 diabetes in mice may eventually help humans

以前、非肥満糖尿病マウス/non-obese diabetic miceでは自然免疫細胞に欠陥があり、TLR4がT1D発症の予防において保護的な枠割を演じることが報告されている
 

1型糖尿病を予防する腸内細菌

2015-08-09 06:13:52 | 免疫
Bacteria that prevents type 1 diabetes

August 6, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150806112101.htm

(赤が膵島のCRAMペプチド。緑はβ細胞、青はα細胞)


INSERMの研究者は中国とスウェーデンの研究チームと協力して、
微生物叢がどのようにして1型糖尿病の発症から保護するかについて示した

彼らはカテリシジンのような抗菌ペプチドに注目した
抗菌ペプチドは保護的機能の他に、複数の自己免疫疾患に対して免疫を調節する能力も示しているからである


彼らはまず糖尿病ではないマウスのβ細胞がカテリシジンを産生することを観察したが、興味深いことに、糖尿病マウスではその産生に障害があった
彼らは仮説をテストするため、糖尿病マウスにカテリシジンを投与した

「カテリシジンの投与は膵臓の炎症を阻害し、自己免疫疾患の発症を抑制した」
INSERMのJulien Dianaは述べる


カテリシジンの産生は腸内細菌によって作られる短鎖脂肪酸によって制御されることから、Julien Dianaのチームはこれが糖尿病と関連するカテリシジン欠乏の原因であるかもしれないと考えて研究を進めた
事実、糖尿病マウスは健康なマウスと比べて短鎖脂肪酸のレベルが低かった

腸内細菌の一部を健康なマウスから糖尿病マウスに移したところカテリシジンは正常なレベルまで回復し、この微生物の移行は糖尿病の発生を減少させた



http://dx.doi.org/10.1016/j.immuni.2015.07.013
Pancreatic β-Cells Limit Autoimmune Diabetes via an Immunoregulatory Antimicrobial Peptide Expressed under the Influence of the Gut Microbiota.

 [腸内細菌]短鎖脂肪酸SCFA→[膵島]CRAMP→[Mφ,cDC]TGF-β→TGF-β/レチノイン酸→制御性T細胞
 [腸内細菌]短鎖脂肪酸SCFA↓→[膵島]CRAMP↓→[Mφ,cDC]TNF-α→IL-12→糖尿病誘発性T細胞
 CRAMP→EGFR


Highlights
・膵臓β細胞は「カテリシジン関連抗菌ペプチド/cathelicidin-related antimicrobial peptide (CRAMP)」を発現している

・CRAMPは、成体NODマウスにおいて保護的である(NODマウスは1型糖尿病のモデル)

・CRAMPは、膵臓において炎症性免疫細胞を調節性免疫細胞へと変換する

・腸の微生物叢は、短鎖脂肪酸short-chain fatty acids/SCFAによりβ細胞によるCRAMP産生を制御するgovern


Summary
抗菌ペプチドantimicrobial peptides (AMPs) は上皮細胞や免疫細胞によって発現され、その侵入してくる微生物に対する防御について広く説明されている

最近、その免疫を調節する機能immunomodulatory functionsが様々なコンテキストで強調highlightedされるようになっている
しかし、非免疫細胞によって発現されるAMPsがどのようにして膵臓のような末梢組織における自己免疫応答に影響するのかについては知られていない


今回我々は、インスリンを分泌するβ細胞が「カテリシジン関連抗菌ペプチドcathelicidin related antimicrobial peptide (CRAMP)」を産生し、
その産生が非肥満糖尿病マウス/non-obese diabetic (NOD) において欠陥があることを発見した
前糖尿病状態のNODマウスに投与されたCRAMPは膵島に調節性免疫細胞を誘導し、
自己免疫による糖尿病の発生を抑制したdampening


さらなる研究により、β細胞によるCRAMPの産生は腸内微生物叢によって作られる短鎖脂肪酸short-chain fatty acidsによって制御されることが明らかになった
それに合うようにAccordingly、NODマウスにおいて腸内微生物叢の操作manipulationsは
CRAMP産生ならびに膵島における炎症を調整した
このことは腸の微生物叢が直接に膵臓の免疫環境を形成し、自己免疫による糖尿病の発症に関与することを明らかにする


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1型糖尿病を発症する乳児は、発症前に腸内微生物叢の多様性が25%低下していた

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