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癌の転移が高脂肪食で増加することを示す革新的なエビデンス

2016-12-13 06:06:59 | 
Cancer spread is increased by a high fat diet, ground-breaking evidence shows

Researchers discover new cancer spreading protein

December 7, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/12/161207132117.htm



イギリスの慈善団体/UK charityである『世界がん研究/Worldwide Cancer Research』から一部資金提供を受け、バルセロナ研究所/Institute for Research in Barcelona(IRB)の教授であるSalvador Aznar Benitahが率いる研究チームは、転移する能力を持つ癌細胞上にCD36というタンパク質を初めて特定した
腫瘍細胞の細胞膜内に見られるCD36は細胞が脂肪酸を取り込むためのタンパク質である
この独特なCD36の活性ならびに脂肪酸への依存は、他の腫瘍細胞とは異なり、転移を開始する細胞の本質的特徴である
研究は本日Nature誌で発表される


癌が致死的となるのは転移を始めた時であり、治療の成功は難しくなる
したがって世界中の科学者たちが転移のプロセスがどのようにして起きるのかを理解しようと努力しており、それを止めるための方法を開発しようとしている

Benitah教授の研究チームは、様々な腫瘍の患者から得られた転移癌細胞の表面にCD36が存在することを発見した
調査された腫瘍には口腔癌、メラノーマ皮膚癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、乳癌が含まれる

CD36が癌の転移に必須となる役割を演じていることを確認するためにCD36を『転移しない癌細胞』に加えたところ、その細胞は転移するようになったのである

「我々はまだ腫瘍の全てのタイプでテストしてはいないが、CD36は転移する細胞の大部分に共通するマーカーgeneral markerであると言える
これは私が知る初めての転移全体に特異的な特徴である」
IRBバルセロナの幹細胞・癌研究室/Stem Cell and Cancer Labの代表/HeadであるBenitah教授は言う

「我々はこの研究が科学界/scientific communityに大きな衝撃を与え、転移の研究にさらなる進歩をもたらすと予想している
また、我々は転移に対する治療法としてのCD36の潜在性を実証できればと思っている
このようなことは毎日そうそう起きるものではない」


研究チームは続いて、脂肪の取り込みが癌の転移にどのように関与するのかを調べた
マウスへ高脂肪食を与えた後にヒトの口腔癌タイプの癌細胞を注入すると、高脂肪食は50パーセント多いマウスで転移を大きくし、転移の頻度を増加させた

彼らは次に、パルミチン酸palmitic acidという特定の飽和脂肪酸をテストした
パルミチン酸は動物脂肪や植物油の主な要素であり、特にパーム油に高濃度で含まれている
パーム油はピーナッツバターや加工食品から歯磨き粉に至るまで、日常的な家庭用品house hold productsの多くで使われる油である

研究チームがヒトの口腔腫瘍をパルミチン酸で二日間処理し、それを通常食を与えていたマウスに注入すると、CD36を持つマウスの全てが転移を生じた
しかし、パルミチン酸で処理しなかった場合は半分しか転移が起きなかった


Benitah教授が警告する
「ヒトの腫瘍細胞を接種されたマウスでは、脂肪の取り込みと、CD36による転移の潜在能力potentialの増加との間には、直接のつながりが存在するように思われるappear
この興味深い関連を解明するためには、さらなる研究が必要である
その理由は特に、工業化された国々では飽和脂肪や砂糖の消費が驚くほどの増加を示しているからである」

「脂肪は人体の機能に必要である
しかし、制御不能の脂肪摂取は健康に影響を与えうる
それは既に結腸癌のようないくつかの腫瘍で示されており、また我々が今回転移で示したようにである」


さらに研究チームはヒトの口腔癌を持つマウスを使い、CD36の阻害が転移を完全に阻止することを示した
既に転移した癌細胞を持つマウスでは、CD36を阻害する抗体により20パーセントのマウスで転移が完全に除去された一方で、残りのマウスでも転移を80パーセントから90パーセントも劇的に減少させ、腫瘍のサイズを縮小させた
重要なことに、それらは全て、深刻な副作用が全くなく達成された

研究者たちは現在CD36に対する抗体をベースとした新たな治療法を開発中である
将来それは潜在的に、幅広い癌の治療に適する可能性がある


Worldwide Cancer ResearchのScience Communications ManagerであるLara Bennett博士は次のように言う
「我々は何年もの間Benitah教授の研究をサポートしてきたが、今回このような真に革新的な結果を目にすることはとても素晴らしいことだ
もし研究チームがヒトの治療に使える抗体を開発できれば、毎年何千何万という命が救われるだろう」




http://dx.doi.org/10.1038/nature20791
Targeting metastasis-initiating cells through the fatty acid receptor CD36.
脂肪酸受容体CD36を通じて転移開始細胞を標的にする


Abstract
転移を開始する細胞のアイデンティティがヒトのほとんどの癌で不明であるという事実は、転移に対する治療法の開発を妨げている

今回我々はヒト口腔癌におけるサブ集団のCD44bright細胞について記述する
それは間葉系遺伝子を発現せず、細胞周期が遅く/slow-cycling、脂肪酸受容体CD36ならびに脂肪代謝遺伝子を高レベルで発現し、そして転移を開始する能力は唯一無二uniqueである

パルミチン酸または高脂肪食は、CD36陽性の転移開始細胞の転移の潜在能力を明確に加速し、それはCD36に依存的なやり方である/CD36-dependent manner

CD36を阻害する中和抗体を使うことにより、免疫不全immunodeficientまたは免疫応答immunocompetentのどちらでも、ヒト口腔癌の同所(移植)マウスモデル/orthotopic mouse modelsにおいて転移はほとんど完全に阻止され、副作用はない

※orthotopic graft: 同所移植(正常に存在すべき解剖学的部位に移植すること)

臨床的には、非常に多くのタイプの癌でCD36陽性の転移開始細胞の存在は予後の悪さと相関があり、
CD36を阻害することは、少なくともメラノーマと乳癌由来の腫瘍では転移を抑制する

合わせて考えると、我々の結果は、転移開始細胞は転移を促進するために食事の脂質に特に依存することを示す



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http://dx.doi.org/10.1053/j.gastro.2015.10.020
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参考サイト
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3545.html
>実は、がん細胞はブドウ糖しかエネルギー源として使えないことがわかっているのです。

はぁ?
 

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