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2014年6月12日

2014-06-18 15:34:40 | 腸内細菌

腸微生物組成は、1型糖尿病の幼児とそうでない幼児で異なる




欧州糖尿病学会の学術誌Diabetologiaで発表される新しい研究は、1型糖尿病と診断される小児は糖尿病ではない同年齢の小児と比較して、より均衡のとれていない腸内細菌の組成を持つことを示す。

この研究は、オランダにあるフローニンゲン大学医療センターのマーカス・デGoffau博士とHermie Harmsen博士たちによるものである。

1型糖尿病の発生率は世界的に増加しているが、特に5年未満の小児で急激な増加を示す。



今回の研究では、新規に1型糖尿病を発症した1歳の小児の微生物叢は、年齢がマッチした健常な対照者と比較された。

微生物叢組成の深い全体的な分析は、ヒト腸管チップ(Human Intestinal Tract Chip; HITChip)を用いた系統発生学的マイクロアレイ分析法によって実施された。

患者は2つの研究プロジェクトに採用された。フィンランドのDIPP(Finnish Type 1 Diabetes Prediction and Prevention; フィンランドの1型糖尿病の予測と予防)研究と、国際VirDiab(Viruses in Diabetes; 糖尿病のウイルス)研究であり、それは7つのヨーロッパ諸国からの症例と対照の児童が含まれた。

DNAは、28人の糖尿病の小児からうまく分離された:

フランスから4人、ギリシャから1人、エストニアから3人、リトアニアから2人、フィンランドから18人。



糖尿病の小児は、年齢によって対照児童とマッチングした;

DNAは、うまく27人の対照児童から分離された。

対照児童の1人はリトアニアの出身で、残りはフィンランドからだった。

糞便の検体は1型糖尿病と新しく診断された小児と対照群から採取された。

糖尿病の小児からの検体は、糖尿病の診断から4週以内に採取された。




研究者は3歳未満の小児で、バシラス綱(Class Bacilli)の特に連鎖球菌と、バクテロイデス門(phylum Bacteroidetes)を合わせた量(combined abundance)は糖尿病の小児でより高かったが、健常な対照者では重要な(そして通常有益な)細菌のクロストリジウム属クラスターIVとXIVaの量が多かったことを発見した。



3歳以上の対照群は、クロストリジウム属クラスターIVとXIVaで酪酸塩を産生する種の高い画分が特徴であった。

それは対応する糖尿病の小児よりも高く、そして正常だがより幼い小児よりも高かった。

3歳以上の糖尿病の小児は、微生物の異常に高い多様性を持つことによって区別された。

そのような増加した多様性は、しばしば不安定であるか、普通でない細菌ネットワークに関連している;

微生物の異常に高い多様性は、小児脂肪便症の小児または結腸直腸癌の成人において見られる。*



腸にとっての理想的なシナリオは、発酵産物である酪酸塩を産生する細菌の適切なバランスを持つことであると著者は考察する。

酪酸塩は直ちにヒトの腸によって吸収されて、エネルギーに変えられる。

腸細菌による充分な酪酸塩の産生は、最適な腸機能につながり、炎症と他の代謝的な問題を予防するか最小にする。



著者は、幼い小児(1-3歳)の腸微生物叢はまだ非常に急速に発達している最中なので、酪酸塩を産生する適切な種類のバランスは、3歳以上の小児と必ずしもそのまま同一ではないと説明する。

彼らは以下のように付け加える:
「特に遺伝子的な1型糖尿病を発症するリスクをもつ小児では、最適な酪酸塩産生レベルを獲得するか維持することを目的とする食事の介入は、1型糖尿病を発症する危険を明らかに低下させるかもしれない。」

「我々は、果物と野菜で高い食事が最善であると思う。なぜならこれらは繊維/複合糖質が豊富であり、酪酸塩の産生種は、繊維分解者(fibre degraders)との相互の栄養補給関係を経て、間接的にそれらに依存しているからである。」

「一方で単糖は、糖を急速に利用することに非常に熟達している種(例えば連鎖球菌)の過剰を生じる。それらは、ヒトの健康のために有益である種を競合して追い出すか、量を制限する。」



「過剰なタンパク質と動物性脂肪の消費は、酪酸塩産生に同じように間接的に負の影響を及ぼすかもしれない。

それらは酪酸塩を産生しない、このタイプの食物源を利用するのが非常に上手な種(例えばバクテロイデス属)を刺激する。」

記事ソース:
上記の記事は、Diabetologiaにより提供される材料に基づく。

学術誌参照:
1.幼児における1型糖尿病の発症時の異常な腸微生物叢組成。

Diabetologia 2014年6月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140612212529.htm

<コメント>
腸内細菌は多様なほど良いと思ってましたが、そういうものでもないんですね。

複合糖質を利用して酪酸塩を産生する種類(クロストリジウム属)が多く、単糖を利用する種類(バシラス綱の特に連鎖球菌)とタンパク質や動物性脂肪を利用する種類(バクテロイデス門)が少ないなどの、安定したバランスが重要なようです。

腸内で作られる酪酸塩(butyrate)のような短鎖脂肪酸が重要だという研究を最近よく見かけます。

http://www.nature.com/nature/journal/v504/n7480/full/nature12721.html

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