Tau, not amyloid-beta, triggers neuronal death process in Alzheimer's, new research shows
November 1, 2014
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141101173217.htm
ジョージタウン大学メディカルセンター/Georgetown University Medical Center (GUMC) の新たな研究によると、アルツハイマー病のような疾患でニューロンの細胞死を刺激するために大きな影響力を持つイベントseminal eventなのはアミロイドベータのプラークではなく、タウタンパク質であることが示されたという
この研究はMolecular Neurodegeneration誌のオンライン版で発表された
ニューロンの細胞死はニューロンの中に存在するタウが機能しなくなった時に起きる
タウの役割はニューロンの内部に線路train trackのような構造を供給することであり、この構造によって細胞は 不要で有害なタンパク質の蓄積物を除去できるようになる
「タウに異常が起きると、アミロイドベータを含む有害なタンパク質がニューロン内部に蓄積する」
研究の首席調査員senior investigator、Charbel E-H Moussa, MB, PhDは言う
彼はGUMCで神経学の助教授assistant professorである
「細胞は細胞外の空間へ、できるだけas best they canタンパク質を吐き出し始め、細胞内で有害な影響を発揮できないようにする
アミロイドベータは粘着性stickyなので、互いに凝集してプラークを形成する」
Moussaによると、細胞を破壊するのは『放出されずにニューロン内部に残ったアミロイドベータ』であり、細胞外に形成されるプラークではないことが研究からは示唆されるという
「タウが機能しないと、細胞はがらくたgarbageを除去できない
その時点での『がらくた』にはアミロイドベータや機能しなくなったタウのもつれが含まれ、やがて細胞は死ぬ
死んだニューロンから放出されたアミロイドベータは、形成されつつあったプラークにくっつくstick」
動物モデルでの実験では、タウが機能していると細胞外に蓄積するプラークが少なく、タウを持たないニューロンに再びタウを挿入するとプラークは育たなかった
タウの機能不全は、遺伝子の異常や加齢を通じて起きる可能性がある
個々人が年を取るにつれてタウの中には機能不全を起こすものがあり、一方でがらくたの除去を助ける正常なタウも十分に残っているような場合、ニューロンは死なないとMoussaは言う
「プラークは蓄積しているが認知症はまったくない年老いた人々という混乱させる臨床的な観察は、それで説明できる」
Moussaは長い間、ニューロンに強制的にがらくたを除去させるような方法を探してきた
彼は今回の研究で抗癌剤のニロチニブがこのプロセスを手助けしうることを示す
ニロチニブはニューロンががらくたを除去するのを助けるが、しかしそれには機能するタウがいくらかは必要だと彼は言う
「ニロチニブは、機能しないタウよりも機能するタウの割合が高ければ作用することができる」
Moussaは言う
「タウが機能しない一方でプラークは蓄積しないような認知症、例えばパーキンソン症候群と関連する前頭側頭型認知症/frontotemporal dementia(FTD)のような疾患は多い
それらに共通する元凶culpritはタウであり、タウの仕事を助ける薬剤は疾患の進行から脳を保護するのを助けるかもしれない」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25384392
Tau deletion impairs intracellular β-amyloid-42 clearance and leads to more extracellular plaque deposition in gene transfer models
タウの削除は細胞内のベータアミロイド42の除去を損ない、遺伝子導入モデルにおける細胞外プラークの蓄積につながる
Abstract
背景:
タウは軸索axonalのタンパク質であり、微小管に結合してその機能を調節する
タウの過剰なリン酸化は微小管への結合を低下させ、アルツハイマー病におけるベータアミロイドの蓄積depositionと関連する
逆説的だが、タウの減少はベータアミロイド病理を防ぎ、タウは細胞内Aβの除去を仲介する
今回の研究では、Aβ1-42のオートファジーによる除去ならびにプロテオソームによる除去におけるタウの役割を調査し、その後に起きるプラーク蓄積への影響を調べた
結果:
タウの消去はオートファジーを介するAβ除去を損なったが、プロテオソームによる除去は損なわれなかった
Tau-/-マウスに 野生型のヒトのタウを導入したところ、オートファジーによるAβ除去は部分的に回復した
このことは、外因的exogenousなタウ発現がオートファジーによるAβ1-42の除去を補助しうることを示唆する
タウの消去はオートファジーの流れを損ない、リソソーム前オートファジー空胞/pre-lysosomal autophagic vacuoleにおけるAβ1-42蓄積という結果になり、リソソーム内へのAβ1-42の蓄積depositionに影響した
Tau-/-マウスにおけるこのオートファジーの機能不全は細胞内Aβ1-42の減少ならびにプラーク負荷の増加と関連し、マウスは細胞死の減少を示した(細胞外プラークは増えたが細胞死は減少した)
Ablチロシンキナーゼ阻害剤のニロチニブはオートファジー除去メカニズムを促進し、Tau-/-マウスにヒトのタウを発現させた時のみAβ1-42を減少させた
結論:
タウの消去は細胞内Aβ1-42の除去に影響し、細胞外プラークにつながることをこれらの結果は実証する
関連記事
http://newsroom.cumc.columbia.edu/blog/2015/12/21/improving-brains-garbage-disposal-may-slow-alzheimers-disease/
タウはプロテアソームに接着してタンパク質分解を遅くするが、抗鬱剤として使われるロリプラムはcAMP-PKAを介してプロテアソーム機能を促進する
<コメント>
「タウはプロテアソームを阻害する」
「タウはオートファジーに必要」
November 1, 2014
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141101173217.htm
ジョージタウン大学メディカルセンター/Georgetown University Medical Center (GUMC) の新たな研究によると、アルツハイマー病のような疾患でニューロンの細胞死を刺激するために大きな影響力を持つイベントseminal eventなのはアミロイドベータのプラークではなく、タウタンパク質であることが示されたという
この研究はMolecular Neurodegeneration誌のオンライン版で発表された
ニューロンの細胞死はニューロンの中に存在するタウが機能しなくなった時に起きる
タウの役割はニューロンの内部に線路train trackのような構造を供給することであり、この構造によって細胞は 不要で有害なタンパク質の蓄積物を除去できるようになる
「タウに異常が起きると、アミロイドベータを含む有害なタンパク質がニューロン内部に蓄積する」
研究の首席調査員senior investigator、Charbel E-H Moussa, MB, PhDは言う
彼はGUMCで神経学の助教授assistant professorである
「細胞は細胞外の空間へ、できるだけas best they canタンパク質を吐き出し始め、細胞内で有害な影響を発揮できないようにする
アミロイドベータは粘着性stickyなので、互いに凝集してプラークを形成する」
Moussaによると、細胞を破壊するのは『放出されずにニューロン内部に残ったアミロイドベータ』であり、細胞外に形成されるプラークではないことが研究からは示唆されるという
「タウが機能しないと、細胞はがらくたgarbageを除去できない
その時点での『がらくた』にはアミロイドベータや機能しなくなったタウのもつれが含まれ、やがて細胞は死ぬ
死んだニューロンから放出されたアミロイドベータは、形成されつつあったプラークにくっつくstick」
動物モデルでの実験では、タウが機能していると細胞外に蓄積するプラークが少なく、タウを持たないニューロンに再びタウを挿入するとプラークは育たなかった
タウの機能不全は、遺伝子の異常や加齢を通じて起きる可能性がある
個々人が年を取るにつれてタウの中には機能不全を起こすものがあり、一方でがらくたの除去を助ける正常なタウも十分に残っているような場合、ニューロンは死なないとMoussaは言う
「プラークは蓄積しているが認知症はまったくない年老いた人々という混乱させる臨床的な観察は、それで説明できる」
Moussaは長い間、ニューロンに強制的にがらくたを除去させるような方法を探してきた
彼は今回の研究で抗癌剤のニロチニブがこのプロセスを手助けしうることを示す
ニロチニブはニューロンががらくたを除去するのを助けるが、しかしそれには機能するタウがいくらかは必要だと彼は言う
「ニロチニブは、機能しないタウよりも機能するタウの割合が高ければ作用することができる」
Moussaは言う
「タウが機能しない一方でプラークは蓄積しないような認知症、例えばパーキンソン症候群と関連する前頭側頭型認知症/frontotemporal dementia(FTD)のような疾患は多い
それらに共通する元凶culpritはタウであり、タウの仕事を助ける薬剤は疾患の進行から脳を保護するのを助けるかもしれない」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25384392
Tau deletion impairs intracellular β-amyloid-42 clearance and leads to more extracellular plaque deposition in gene transfer models
タウの削除は細胞内のベータアミロイド42の除去を損ない、遺伝子導入モデルにおける細胞外プラークの蓄積につながる
Abstract
背景:
タウは軸索axonalのタンパク質であり、微小管に結合してその機能を調節する
タウの過剰なリン酸化は微小管への結合を低下させ、アルツハイマー病におけるベータアミロイドの蓄積depositionと関連する
逆説的だが、タウの減少はベータアミロイド病理を防ぎ、タウは細胞内Aβの除去を仲介する
今回の研究では、Aβ1-42のオートファジーによる除去ならびにプロテオソームによる除去におけるタウの役割を調査し、その後に起きるプラーク蓄積への影響を調べた
結果:
タウの消去はオートファジーを介するAβ除去を損なったが、プロテオソームによる除去は損なわれなかった
Tau-/-マウスに 野生型のヒトのタウを導入したところ、オートファジーによるAβ除去は部分的に回復した
このことは、外因的exogenousなタウ発現がオートファジーによるAβ1-42の除去を補助しうることを示唆する
タウの消去はオートファジーの流れを損ない、リソソーム前オートファジー空胞/pre-lysosomal autophagic vacuoleにおけるAβ1-42蓄積という結果になり、リソソーム内へのAβ1-42の蓄積depositionに影響した
Tau-/-マウスにおけるこのオートファジーの機能不全は細胞内Aβ1-42の減少ならびにプラーク負荷の増加と関連し、マウスは細胞死の減少を示した(細胞外プラークは増えたが細胞死は減少した)
Ablチロシンキナーゼ阻害剤のニロチニブはオートファジー除去メカニズムを促進し、Tau-/-マウスにヒトのタウを発現させた時のみAβ1-42を減少させた
結論:
タウの消去は細胞内Aβ1-42の除去に影響し、細胞外プラークにつながることをこれらの結果は実証する
関連記事
http://newsroom.cumc.columbia.edu/blog/2015/12/21/improving-brains-garbage-disposal-may-slow-alzheimers-disease/
タウはプロテアソームに接着してタンパク質分解を遅くするが、抗鬱剤として使われるロリプラムはcAMP-PKAを介してプロテアソーム機能を促進する
<コメント>
「タウはプロテアソームを阻害する」
「タウはオートファジーに必要」