機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

スタチンはなぜ諸刃の剣なのか

2015-08-16 08:21:08 | 免疫
Why statins should be viewed as a double-edged sword

August 12, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150812134445.htm

マクロファージは主に骨髄から生じるが、テュレーン医科大学Tulane University School of Medicineの研究によるとマクロファージは全身に存在する間葉系幹細胞/MSCsからも生じる
骨髄の幹細胞は主に血球に分化するが、MSCsはあらゆる種類の細胞(骨、軟骨、筋肉、マクロファージ)になる

今回の研究で、長期のスタチン投与はMSCsがマクロファージへ分化するのを阻害することが発見された
これは炎症を抑制して心血管疾患患者のプラーク安定性を改善するが、同時にMSCsの骨や軟骨への分化も抑制する
スタチンはMSCsの加齢と死亡率を上昇させ、DNA修復能力を低下させる

スタチンはアテローム硬化症には有効だが、幹細胞への影響のため予防法としては不適切かもしれないと研究者は記している


http://dx.doi.org/10.1152/ajpcell.00406.2014
The Impact of Statins on Biological Characteristics of Stem Cells Provides a Novel Explanation for Their Pleotropic Beneficial and Adverse Clinical Effects.
 

CA125が陰性の卵巣癌幹細胞が発見される

2015-08-16 06:44:29 | 癌の治療法
Combination therapy may be more effective against the most common ovarian cancer

August 3, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150803083712.htm

UCLAの研究チームは、CA125(卵巣癌のバイオマーカーとして使われる)を作らない腫瘍サブセットではDNAの修復能力が促進されていて、プログラム細胞死(アポトーシス)に抵抗することを発見した
それにより腫瘍は抗癌剤を逃れ、長く生きて元の腫瘍を再生する

その再生能力とカルボプラチン治療への抵抗性により、この細胞集団は非常に危険になると筆頭著者のDeanna Janzenは言う


実験薬であるビリナパントbirinapantは、CA125が陰性の細胞にアポトーシスを復活させることで化学療法に影響を受けやすくする
今回の研究で、実験薬と化学療法の組み合わせはこの危険な細胞集団を排除し、ヒト卵巣癌モデルで生存期間を改善することを示した

これはCA125陰性細胞を標的とすることが卵巣癌の最も一般的なサブタイプである高悪性度high-gradeの漿液性卵巣癌serous cancerの転帰を改善することを示唆する
このことは非常に重要である。なぜなら、このサブタイプの卵巣癌は標準的な治療では80から85%が再発するからである


卵巣腫瘍のほとんどの細胞はCA125が陽性だが、研究チームはCA125陰性の小さな集団を発見した
研究者は、このCA125陰性の細胞がCA125陽性と同じくらいに増殖するかどうかに興味を抱いた
そして結果は驚くべきものだったalarming

Janzenは言う
「CA125が陰性の細胞は、CA125が陽性の細胞よりも700倍も効果的にbetter増殖する」


UCLAのジョンソン総合がんセンターの一員であるMemarzadehも同意する
「医師である私にとって、この結果はぞっとさせるものだったfrightening」

「化学療法薬はCA125が陽性の細胞を殺すが、腫瘍を再生regrowさせる能力を持った細胞を残してしまう」

漿液性癌serous cancerの再発を調べるために最も広く使われているテストはCA125レベルを計測する
結果として、ゆっくりと腫瘍を再生させるCA125陰性の細胞をこのテストは完全に見逃すとMemarzadehは言う


研究者が分離したCA125陰性細胞の遺伝子発現を調べたところ、化学療法による遺伝子のダメージを素早く修復する能力があり、さらに「死に抵抗する」タンパク質が発見された

「これらの細胞は化学療法に対する『髪』と似たような反応をする。治療で患者の髪はダメージを受けて抜け落ちるが、髪を再生させる細胞は生き続けて、治療をやめると髪は再生する」


Memarzadehたちは抗死亡タンパク質レベルが高い女性で臨床試験を実施しようと計画中である
約50%の卵巣癌の女性がこのタイプの腫瘍であると彼女は推定している

「今回の研究はCA125陰性の高悪性度漿液性卵巣癌が幹細胞の性質を持ち、プラチナに抵抗する固有の性質があるというエビデンスを提供する」


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms8956
An apoptosis-enhancing drug overcomes platinum resistance in a tumour-initiating subpopulation of ovarian cancer.
アポトーシス促進薬は、卵巣癌の癌幹細胞サブ集団においてプラチナ抵抗性に打ち勝つ


Abstract
CA125陰性のサブ集団はカルボプラチン抵抗性の癌幹細胞である

トランスクリプトーム分析によると、
相同組換えによるDNA修復経路ならびに抗アポトーシスシグナルが上方調節されている


カルボプラチンcarboplatinとビリナパントbirinapantという組み合わせは、アポトーシス阻害タンパク質inhibitor of apoptosis protein/cIAPの発現が高いCA125陰性の高悪性度の漿液性卵巣癌/high-grade serous ovarian cancers (HGSCs) を殺した


birinapantは、cIAPの分解を仲介することにより、CA125陰性細胞がカルボプラチン感受性にしてアポトーシスを回復した


Results
プラチナによるDNA傷害は、
 シトクロムc
 second mitochondrial activator of caspase (SMAC)
 TNFα
の放出によりアポトーシスを引き起こす (38, 39)


cIAPはアポトーシスを阻害するが、それは
(a) SMACに結合して、そのX-linked-inhibitor of apoptosis (XIAP) との相互作用を阻害する
(b) TNFαによるカスパーゼ8の活性化を阻害する一方で、同時にNF-κBにより生存促進シグナル伝達ができるようにする (38, 40, 41, 42

HGSCサブセットのCA125陰性細胞ではcIAPのレベルが高い (Fig. 3e)

 cIAP─┤SMAC─┤XIAP─┤カスパーゼカスケード→アポトーシス

 cIAP↑─┤SMAC↓─┤XIAP↑─┤カスパーゼカスケード↓→アポトーシス↓


我々は、SMACを模倣mimeticするビリナパントbirinapantが薬理学的にcIAPを標的にすることでアポトーシスを再び可能にして、これらの細胞をカルボプラチン感受性にするだろうと仮説を立てた

 SMAC模倣─┤cIAP↓─┤SMAC↑─┤XIAP↓─┤カスパーゼカスケード↑→アポトーシス↑


Figure 9

 








細胞を癌化させる最も単純なタンパク質

2015-08-16 06:20:47 | 
New simple proteins play active role in cellular function

August 11, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150811140354.htm

ロイシン/Lとイソロイシン/Iだけから構成される26個の疎水性アミノ酸は、
PDGFβ受容体と相互作用して、細胞を形質転換させる

「我々は最も単純なタンパク質を作った
それは活性があるだけでなく特異的でもある
細胞でただ一つの標的を見つけて活性化し、結果として細胞の増殖が制御不能になる」
エールがんセンターの代表者であるDiMaioは言う

「このような単純さゆえに見過ごされてきた同様のタンパク質が他にも存在するのではないかと我々は思っている
そのうちいくつかはがんを引き起こす可能性がある
活性のあるタンパク質とは何なのかを考えなおす時かもしれない」


http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1514230112
Biologically active LIL proteins built with minimal chemical diversity.

メチオニンから始まりロイシンとイソロイシンからのみ構成される膜貫通ドメインのタンパク質は、
PDGFβ受容体/platelet-derived growth factor β-receptorの膜貫通ドメインと相互作用して活性化させ、形質変換/癌化させるtransform


阻害ではなく活性化させて癌を殺す薬

2015-08-16 06:12:09 | 癌の治療法
Drug candidate kills cancer cells through overstimulation

August 10, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150810132114.htm


(右がMCB-613を投与した癌細胞)

ステロイド受容体コアクチベーター/steroid receptor coactivator/SRCsというファミリーのメンバーの癌遺伝子は有望な治療標的である
これらのタンパク質は癌細胞が急速な増殖や転移、薬剤抵抗性で使う重要なシグナル経路の結合nexesに存在する
ベイラー医科大学のLonardとO'Malleyは数多くの化合物をスクリーニングすることでSRCを阻害する分子を決定し、様々な癌細胞を殺して腫瘍の増殖を阻害した

SRCs阻害剤は発癌遺伝子の活性を阻害する従来の化合物と同様である
しかしLonardとO'Malleyは、直感に反したcounterintuitive考えを抱いた:

SRCsを過剰に刺激することで重要なシグナル経路を妨げて癌細胞を殺すのはどうだろう?
つまるところ癌細胞はSRCsに強く依存していて、繊細にdelicately様々な細胞イベントを組織化orchestrateしているので、
SRCを刺激しても阻害するのとちょうど同じように癌細胞のシグナル活性のバランスを妨げるのに効果的かもしれない


彼らは数千の化合物からスクリーニングによりSRCを活性化するMCB-613を特定した
MCB-613は乳癌、前立腺癌、肺癌、肝細胞癌を殺したが正常な細胞には危害を加えなかった


MCB-613は、折りたたまれないタンパク質unfolded proteinsを小胞体/ERに蓄積させることで癌細胞を殺す
癌細胞は急速な増殖を支えるために大量のタンパク質を合成し、ERはタンパク質の適切なフォールディングのため重労働を続ける
SRCsの過剰な刺激は、既に能力の限界のERに余分な負担を強いることになり、折りたたまれないタンパク質が大量に蓄積することになる
この蓄積はストレス応答を引き起こし、毒性のあるROSを生じさせる


http://dx.doi.org/10.1016/j.ccell.2015.07.005
Characterization of a Steroid Receptor Coactivator Small Molecule Stimulator that Overstimulates Cancer Cells and Leads to Cell Stress and Death.


癌細胞が依存する増殖経路の統合により、ステロイド受容体コアクチベーター (SRC-1, SRC-2, SRC-3) は、癌の治療における新たな標的を代表する



http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=NCOA1
NCOA1遺伝子

Aliases
 SRC1/Steroid Receptor Coactivator-1
Entrez Gene Summary
 p160/steroid receptor coactivator (SRC) ファミリー


http://ta4000.exblog.jp/17936543
※AIB1 (amplified in breast cancer-1): 別名SRC-3 (steroid receptor coactivator-3)、TRAM-1 (thyroid hormone receptor activator molecule 1)、NCOA3 (nuclear receptor coactivator 3)