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鉄の過剰摂取は食欲を増大させる

2015-08-29 06:41:07 | 代謝
High iron intake may increase appetite, disease risk

August 24, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150824212301.htm

鉄は、脂肪細胞からのレプチン分泌を減少させて、食欲を増加させる

「高レベルの鉄を食べたマウスは食べる量が増加したことを我々は示した」
ウェイク・フォレスト・ユニバーシティ・バプティスト・メディカル・センター/Wake Forest Baptist Medical Center の Don McClain 博士は言う

「鉄の多い食事は、それが通常から多い範囲でさえ、糖尿病、脂肪肝疾患、アルツハイマーなど多くの疾患の一因contributing factorとして関与する
これは、それほど多くの赤身肉を食べるべきではないというもう一つの理由になる
なぜなら、赤身肉の鉄は、植物性の鉄よりも、容易に吸収されるからである」


今回の研究では、オスのマウスに鉄を多く含む食餌 (2000 mg/kg) と鉄が低い~通常の食餌 (35 mg/kg) を2ヶ月間与え、その後に脂肪組織の鉄レベルを計測した
実験の結果、鉄の多い食餌のマウスは鉄が215%増加し、血中のレプチンレベルは42%低かった


http://dx.doi.org/10.1172/JCI81860
Adipocyte iron regulates leptin and food intake.

Abstract
食事による鉄の補給は、食欲の増大と関連する
我々は鉄のレプチンへの影響を調査した

メタボリックシンドロームの患者コホートにおいて、血清フェリチンは血清レプチンと負の相関を示した
さらに、食餌から鉄を多く摂取したマウスで同様の逆相関が観察された


鉄を排出するトランスポーターiron exporterであるフェロポーチンferroportinの脂肪細胞特異的な喪失が結果として鉄負荷増大ならびにレプチン減少につながった一方で、
遺伝性ヘモクロマトーシスhereditary hemochromatosisのマウスモデルにおいて
ヘプシジンhepcidinレベルの低下は
 脂肪細胞のフェロポーチン発現を増大させ、
(鉄が排出されることで)脂肪細胞の鉄を減少させ、
 レプチンを増加させた

※遺伝性ヘモクロマトーシス: 鉄の腸からの過剰吸収により、肝臓、膵臓、皮膚、心臓、内分泌腺にヘモジデリン(フェリチンの変性集合体)の沈着が起こり、二次性の糖尿病などが起こる

※ヘプシジンはフェロポーチンの分解を誘導する


3T3-L1脂肪細胞に鉄を投与すると、用量依存的dose-dependent mannerにレプチンのmRNAは減少した
我々は、鉄がcAMP応答配列結合タンパク質/CREBの活性化によりレプチンの転写を負に調節することを発見した
さらに、レプチンのプロモーター領域に2つの潜在的potentialなCREBの結合箇所を確認した

ChIP分析によると、鉄を投与した3T3-L1脂肪細胞では鉄を投与しない細胞と比較してリン酸化CREBの結合がこれら2箇所で多いことが明らかになった

 鉄→CREB─┤レプチン


レプチンの変化と一致して、食事の鉄の量は、摂食量と直接関連し、体重の変化からは独立していた


Introduction
鉄が欠乏した人は食欲がなく、一方で鉄の補充は子供の食欲の増加と関連する (2, 3)


Discussion
間葉系幹細胞において分化プロセス中のCREBの活性化はレプチン分泌ならびに発現を抑制するという報告がある (51)

生命情報科学的分析では2箇所のcAMP応答配列/CREがヒトobプロモーター内に存在することが示されるが、その機能についての報告はこれまで存在しない (32)


興味深いことに、我々は以前、
ヘキソサミン(六炭糖の水酸基/OHがアミノ基/NH2で置換された化合物)の生合成経路/hexosamine biosynthesis pathway /HBPという別の栄養感知経路を発見している
HBPもCREBの調節に関与することが知られ (52)、レプチン発現を調節することが報告されていて (53)、鉄により誘導されるレプチン発現の変化にも寄与する

すなわち、CREBのリン酸化の増加は、CREBのO-N-アセチルグルコサミン化/O-GlcNAcylationの減少と関連する
グルコサミンによるHBP経路の活性化は、鉄により誘導されるレプチン阻害を抑制するovercome (data not shown, Yan Gao, unpublished data)

※リン酸化とO-GlcNAc化による修飾はどちらもセリン/スレオニン残基で起きるために両者は拮抗する

ゆえに、飢餓経路 (CREB) と過食経路 (HBP) の相対するreciprocal相互関係interplayは、鉄応答的なやり方でin an iron-responsive mannerレプチン発現を調整する
これらの発見は、鉄レベルと全ての栄養状態ならびに全ての代謝調節との間の密接な関係の重要性をさらに示すものだ
 


2つのタンパク質が協力してパーキンソン病を防ぐ

2015-08-29 06:22:28 | 
Two proteins work together to help cells eliminate trash; Parkinson's may result

August 20, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150820144850.htm

VPS35は膜タンパク質の回収retrievalに必要である
VPS35のレベルは年とともに自然に低下し、そしてVPS35の変異はまれなタイプのパーキンソン病患者で見られる

VPS35はレトロマー/retromerというタンパク質複合体の構成要素でもあり、
レトロマーの主な役割は細胞内のリサイクルである

Lamp2aは、不適切なタンパク質unfit proteinsをリソソームlysosomes内で砕いてchewed up分解するdegraded insideことを可能にする

※retro 「逆」


科学者たちはこれまで、VPS35が存在しないとLamp2aをガラクタのある場所/trash siteから回収して再利用できないことを示してきた
回収されないLamp2a(lysosomal-associated membrane protein 2)は、分解され、重要な機能が失われる


ジョージア・リージェント大学医学部/Medical College of Georgia at Georgia Regents UniversityのXiong教授たちがVPS35を欠損するマウスを作成したところ、そのマウスは運動制御motor controlができなくなる等のパーキンソン病状態になった
マウスを詳しく調べると、ドーパミンニューロン内のリソソームが適切に機能していなかった
実際、VPS35がないとLamp2a自体の分解は加速される
結果として、通常はLamp2aによって破壊されるα-シヌクレインが増加する
α-シヌクレインはパーキンソン病患者の脳で見られるレヴィ小体という異常なタンパク質の塊clumpsの主な要素である


反対に、MCGの科学者がVPS35欠損マウスのドーパミンニューロンでLamp2aの発現を増大させると、α-シヌクレインレベルは低下した



[ドーパミン作動性ニューロン]
 VPS35→Lamp2a回収─┤α-シヌクレイン

 VPS35↓→Lamp2a回収↓─┤α-シヌクレイン↑



http://dx.doi.org/10.1523/JNEUROSCI.0042-15.2015
VPS35 in Dopamine Neurons Is Required for Endosome-to-Golgi Retrieval of Lamp2a, a Receptor of Chaperone-Mediated Autophagy That Is Critical for -Synuclein Degradation and Prevention of Pathogenesis of Parkinson's Disease.


関連サイト
http://www.neurol.med.tohoku.ac.jp/cgi-bin/uptodate/webdir/44.html
家族性パーキンソン病PARK17原因遺伝子VPS35の異常はリソソームにおけるαシヌクレイン分解を妨げ、ショウジョウバエモデルにおける神経毒性を悪化させる


関連サイト
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6527
3つのパーキンソン病関連遺伝子の産物,LRRK2,RAB7L1,VPS35は,同じ細胞内輸送経路において機能し,パーキンソン病の発症リスクの制御につながる.

 

たった1つの変異が自閉症を引き起こす

2015-08-29 06:16:44 | 
How a single genetic mutation causes autism

August 6, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150806121956.htm

UBE3Aはリン酸が結合するとスイッチがオフになる
自閉症と関連する変異はこの調節スイッチを破壊する
スイッチが破壊されると酵素はオフに切り替わることができず、過剰に活性化して異常な脳の発達を引き起こし、自閉症につながる


http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2015.06.045
An Autism-Linked Mutation Disables Phosphorylation Control of UBE3A.


Highlights
・PKAはUBE3Aのスレオニン485/T485をリン酸化して、UBE3Aのユビキチンリガーゼ活性を阻害する

・自閉症と関連するUBE3AのT485Aミスセンス変異は、リン酸化による調節を妨害する

・T485A変異はUBE3Aを過剰に活性化して、in vivoでシナプス形成を増大させる


Summary
UBE3Aの欠失deletionはアンジェルマン症候群Angelman syndrome (AS) を引き起こすが、UBE3Aの重複duplicationまたはtriplicationは自閉症と関連する

これらの遺伝子に関する発見は、正常な脳の発達を促進するためにはUBE3Aのユビキチンリガーゼ活性がきちんと維持されなければならないことを示唆する


※UBE3A: E6関連蛋白質遺伝子。E3ユビキチン蛋白質リガーゼをコードする。アンジェルマン症候群患者の約10%にUEB3Aの変異がみられる



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>CHD8遺伝子の突然変異がある人々は、自閉症と胃腸障害、そしてより大きな頭部と広い眼が特徴である可能性が高い
>自閉症スペクトラム障害の6,176人の小児の研究では15人にCHD8の突然変異があり、これらの症例すべてに同様の外見と、そして睡眠障害と胃腸問題の問題があった。