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2014年8月25日

2014-09-01 11:56:40 | 腸内細菌

食事性アレルギーから保護する腸細菌
Gut bacteria that protect against food allergies identified


近年小児の食事性アレルギー率は急上昇しており、1997~2011年の間に約50パーセント増加した。

以前の研究では、食事性アレルギーは抗生物質および抗菌物質の利用と相関を示した。

「抗生物質の濫用のような環境の刺激、高脂肪食、帝王切開、一般的な病原体の除去、そして人工栄養さえも、我々が共に進化してきた微生物叢に影響を及ぼした」、シカゴ大学のキャスリン・ナーグラー博士は言う。



腸細菌が食事性アレルギーに影響を及ぼす方法をテストするために、ナーグラーと彼女のチームは、マウスで食品アレルゲンへの応答を調査した。

彼らは、無菌マウス(無菌状態で生まれて成長したマウス)と新生児の時に抗生物質を投与したマウス(腸の細菌が著しく減少する)を、ピーナッツ・アレルゲンに曝露させた。

マウスはどちらも強い免疫応答を示し、ピーナッツ・アレルゲンに対して正常な腸細菌のマウスよりも著しく高い抗体の濃度を生じた。

しかしながら、食品アレルゲンに対するこのような感作は、マウスにクロストリジウム属(Clostridia)を再導入することによって覆された。

しかし、バクテロイデス属(Bacteroides)の再導入は感作を軽減するのに失敗した。

このことはクロストリジウム属が食品アレルゲンに対して独特の保護的な役割を持つことを示す。



この保護的なメカニズムを確認するため、ナーグラーたちは腸の細菌と免疫応答に関する分子を調査した。

遺伝子解析の結果、クロストリジウム属は自然免疫細胞にインターロイキン-22(IL-22)の産生を促進させることが明らかになった。

IL-22は腸内層の透過性を減少させることが知られているシグナル分子である。


抗生物質を与えたマウスに、IL-22を投与するかクロストリジウム属でコロニーを作らせたマウスは、ピーナッツ・アレルゲンに曝されると、コントロール群と比較して血液中のアレルゲン・レベルは低下した。

しかし、マウスにIL-22の中和抗体を与えると、アレルゲン・レベルは著しく上昇した。

このことはクロストリジウム属によって誘発されたIL-22はアレルゲンが血流に入らないように防止することを示す。

学術誌参照:
1.共生の細菌は、食品アレルゲン感作から保護する。

Proceedings of the National Academy of Sciences、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140825152016.htm

<コメント>
クロストリジウム属(Clostridia)がIL-22の産生を促進して腸の透過性を低下させ、アレルギーを防ぐという記事です。

IL-22は杯細胞のムチン分泌を促進することが知られています

クロストリジウム属といえば酪酸菌とディフィシルですが、健康な子供はクロストリジウム属が多く、1型糖尿病の子供はバクテロイデス門が多いという記事が以前にもありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/9511d3372d8ee41a0fbeb937fbf108e4

>3歳未満の糖尿病の小児では、バシラス綱(Class Bacilli)の特に連鎖球菌と、バクテロイデス門(phylum Bacteroidetes)を合わせた量(combined abundance)は通常より多く、

>健常な対照者では、重要な(そして通常有益な)細菌のクロストリジウム属クラスターIVとXIVaの量が多かったことを発見した。

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