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血管のアミロイドはニューロン周囲のアミロイドとは構造が異なる

2016-11-23 06:06:51 | 
Unique structure of brain blood vessel amyloid latest clue to Alzheimer's development?

November 21, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161121204116.htm


(赤は脳の血管、緑は血管アミロイドvascular amyloidの蓄積を示す
堆積物を構成するアミロイドの原繊維は、血管アミロイドに独特な徴候を示す

Credit: Image courtesy of Stony Brook University)

タンパク質の断片であるアミロイドが脳内に多く蓄積することは、アルツハイマー病のような痴呆症の発症と関連付けられてきた
今回ストーニーブルック大学の神経科学と生化学の研究チームは、脳の血管へのアミロイドの蓄積とニューロンの周囲へのアミロイドの蓄積の違いを初めて明らかにした
11月21日にNature Communications誌で発表された彼らの研究結果はアルツハイマー病とその原因の解明に向けた新たな道を開くかもしれない

神経外科学の教授であるWilliam Van Nostrand, PhDは、今回の研究が生化学・細胞生物学の教授であるSteven Smith, PhDとの共同研究に由来すると述べた
彼らが脳の血管に蓄積するアミロイドの構造的な徴候を詳細に分析し、ニューロン周囲のプラークに蓄積するアミロイドの構造と比較したところ、血管に蓄積するアミロイドのサブユニットは『互い違いのパターンalternating patterns』という独特の並び方をしており、ニューロン周囲のプラークのアミロイド蓄積とはほとんど正反対のパターンで存在していることが判明した

「今回の発見は新たな診断ツールや、この血管の病理を示す認知症患者のための治療的介入の開発へと我々を導くかもしれない」
とVan Nostrand博士は要約した

彼らは脳血管のアミロイドの独特な構造が異なる病理学的な応答や炎症を促進しうると仮説を立てた
それは認知障害や痴呆症にとって、ニューロン周囲のアミロイドとは異なる要因となりそうである


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms13527
Cerebral vascular amyloid seeds drive amyloid β-protein fibril assembly with a distinct anti-parallel structure.
脳血管のアミロイドの種は、独特な逆平行構造を持つアミロイドβタンパク質原繊維の組み立てを刺激する

※逆平行/antiparallel: 鎖状の二本鎖で互いの方向性が逆になっている構造を指す。DNAの二重らせんやタンパク質のβシートが代表例


Abstract
アミロイドβタンパク質(Aβ)の脳血管への蓄積は『脳アミロイド血管症/cerebral amyloid angiopathy (CAA)』として知られる病態であり、アルツハイマー病患者の一般的な病理学的特徴である
Dutch-E22QやIowa-D23Nのような家族性のAβ変異は重度のアミロイド脳血管蓄積を引き起こす可能性があり、血管性の認知障害ならびに痴呆症への強力なドライバとして作用する
その独特な病理学的性質の根底にある血管アミロイドの異なる特徴は不明のままである

今回我々はCAA変異体mutantを生じるトランスジェニック・マウスモデル(Tg-SwDI)、またはヒトの野生型のAβを過剰に作るマウス(Tg2576)を使い、CAA変異体の血管アミロイドが野生型Aβの脳内での蓄積に影響することを実証する

また、我々はTg-SwDIマウスから単離した微小血管のアミロイドの種seedが、ヒトの野生型Aβから、独特distinctな逆平行βシート原繊維への組み立てを刺激することを示す


これらの研究結果は脳血管アミロイドが効果的な足場scaffoldとして働き、Aβから独特uniqueな構造への急速な組み立てと強い蓄積を促進することを示す
この独特uniqueな構造はその特有distinctiveの病理に寄与しそうである


http://www.nature.com/articles/ncomms13527/figures/1
Figure 1:
Aβ40-DI CAA mutant amyloid fibril seeds promote the rapid assembly of wild-type Aβ40 and Aβ42 fibrils.



(a) Aβ40-DIのFourier transform infrared(FTIR)スペクトル。逆平行(緑)と平行(黒)のβシート二次構造を持つ
逆平行の原繊維anti-parallel fibrilsは、Tyckoプロトコルを使うと摂氏4度から6度(°C)で形成され、少なくとも22°Cで安定する

※Aβ40-DI: Dutch/Iowa CAA mutant Aβ40 peptide

(b) 22 °Cで得られた逆平行Aβ40-DIの透過型電子顕微鏡(TEM)画像。スケールバーは150 nmを表す
原繊維形成の速度と程度は、thioflavin T fluorescence measurementsによって37 °Cで評価した



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https://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151123201933.htm
Aβは血管に外骨格を形成してアストロサイトと血管を分離させ、認知症の症状を引き起こす




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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161003093400.htm
アルツハイマー病の3割から4割は血管性の痴呆症を併発している
 

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