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トリプルネガティブ乳癌を飢えさせて殺す方法

2016-11-25 06:06:00 | 
Cellular starvation kills treatment-resistant breast cancer

November 21, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161121162442.htm


(癌組織の顕微鏡画像
紫色の癌細胞が、ピンク色で示されるリボン状の結合組織の中に収まっているnestled様子を示す

Credit: Dr. Cecil Fox, National Cancer Institute, NIH)

癌は腫瘍細胞の代謝を配線し直して、無駄がなくlean、ケチなmean、増殖するための機械にする
しかし、特別な食事に頼って高い成績を出すオリンピックのアスリートと同様に、腫瘍細胞の盛り上げられた代謝amped-up metabolisもまた、特別な栄養素に頼るのである


長年の間、科学者たちは腫瘍の細胞が渇望するものを理解して突き止めようと努力してきた
その目的はといえば、必要な栄養素へのアクセスを阻止して腫瘍を飢えさせ、癌細胞を死に至らしめるという新たな治療法を産み出そうとしてのことである

今回の研究でデューク大学の研究者は、悪質viciousな治療抵抗性の乳癌である『トリプルネガティブ乳癌/triple negative breast cancer (TNBC)』は、鍵となる重要な栄養素のシスチンcystineが欠乏すると死に絶えるということを報告する

細胞死の原因を詳しく調査したところ、この『シスチンへの依存/耽溺cystine addiction』は、腫瘍細胞が元の場所から逃げ出して別の場所へ移動するために使うメカニズムによって引き起こされることが明らかになった

「このプロセスはよく知られているもので、転移する癌細胞で観察される
我々はまさにそのプロセスが癌細胞をシスチンに依存させることを発見した」
分子遺伝学と微生物学の準教授associate professorで、研究の首席著者senior authorでもあるJen-Tsan Ashley Chiは言う

「これは素晴らしい知らせだ
なぜなら、この癌細胞こそ我々が本当に取り除きたいと望んでいる細胞だからだ」

この研究結果が示すのは、シスチンの取り込みを阻害することが
トリプルネガティブ乳癌だけでなく他の悪性の癌、特に転移する間にこの経路を使う癌を治療するための有効な方法になるかもしれないということだ
彼らの研究は11月21日にOncogene誌のオンライン版で発表された


トリプルネガティブ乳癌は乳癌の約10パーセントから20パーセントを占める
トリプルネガティブには手術か化学療法以外にはほとんど治療の選択肢がないが、そのわけは乳癌の治療で最も成功しているのが腫瘍細胞上の受容体、つまりエストロゲン受容体やプロゲステロン受容体、Her2/neu受容体を標的にするものだからだ
トリプルネガティブ乳癌はそれら3つの受容体を全て持っていない


過去のいくつかの研究で、トリプルネガティブ乳癌の細胞はシスチンcystineがなければ生き残れないことが暗示されていた
シスチンはアミノ酸のシステインが互いに結合してできている分子である

今年早くにChiの研究グループは
悪性のタイプの腎臓癌の細胞がシスチンに依存することを示す研究を発表していた

それがトリプルネガティブ乳癌にも当てはまるかどうかを明らかにするため、以前Chiのラボでポスドクpostdoctoral fellowだったXiaohu Tangはトリプルネガティブ乳癌とエストロゲン受容体が陽性の乳癌の細胞に栄養素を欠乏させるテストを実施し、細胞を様々な培養地で育成した
それらの培地はそれぞれが15のアミノ酸の内1つだけを欠くものだった
細胞のほとんどはそのような小さな変化に対してほんのわずかな反応しか示さなかったが、1つだけ顕著な例外が存在した

「トリプルネガティブ乳癌の細胞は、シスチンに対して非常に感受性が高かった
シスチンを取り除くとトリプルネガティブ乳癌は急速に死に絶えた一方で、他の乳癌細胞は影響を受けなかった」

彼らは原因を突き止めるべくそれらの細胞を一連の遺伝学的な分析にかけたところ、シスチンへの依存は『上皮間葉転換/epithelial to mesenchymal transition (EMT) 』というプロセスと関連があることが明らかになった
上皮細胞epithelial cellsは静止した細胞で通常は頑丈なジッパーのような分子によって一ヶ所に留まっているが、
EMTというプロセスは遺伝子の発現をわずかに変化させて上皮細胞を間葉系細胞mesenchymal cellsに転換し、動き回るroveことを可能にする


トリプルネガティブ乳癌細胞は他の様々なタイプの癌と同じく、このプロセスを利用tap intoして元の場所から逃げ出して全身に転移する
しかしこのプロセスは、シスチンが使えなくなるとすぐに急速な死につながるような細胞のシグナル伝達の経路の引き金も引くようである

「この上皮と間葉系の転換が基本的にはシグナル伝達の違いを広げ、細胞をシスチン欠乏に対して脆弱にすることで細胞死につながることを我々は明らかにした」
Chiは言う

「これは治療としても役立つ可能性がある
なぜなら実際にそれを阻害する化合物が存在するからだ」

Chiによるとチームは現在シスチンを阻害する分子を腫瘍に対して実際に試し、癌がこの治療法にうまく反応しそうかどうかを明らかにするためのバイオマーカーを探す過程にあるという

「腫瘍の細胞はEMTというプログラミングを使うことでより早く移動し、体中を動き回る」
Chiは言う

「我々はその同じ経路を利用して癌を治療したいと考えている」


http://dx.doi.org/10.1038/onc.2016.394
Cystine addiction of triple-negative breast cancer associated with EMT augmented death signaling.
トリプルネガティブ乳癌のシスチン耽溺はEMTと関連し、細胞死のシグナル伝達を強める

アミノ酸を欠乏させるスクリーニングにより、シスチン欠乏はトリプルネガティブ乳癌でほとんど見られる基底細胞様の乳癌細胞basal-type breast cancer cellsに対してアポトーシスではなく、急速なプログラムネクローシスを引き起こすことが明らかになった
対照的に、管腔タイプの乳癌細胞luminal-type breast cancer cellsはシスチンに依存せず、シスチンが欠乏していてもほとんど細胞死を示さない
シスチン依存の表現型はシスチン欠乏の徴候の高さと関連し、それは基底細胞様の乳癌細胞と腫瘍で顕著notedだった

我々は
シスチン依存の乳癌細胞と腫瘍ではTNFαならびにMEKK4-p38-Noxaの経路が強く活性化していることを発見した
それらの経路はシスチン欠乏によって誘発されるネクローシスに対して細胞を感受性susceptibleにする

このモデルと一致して、TNFαとMEKK4のサイレンシングはシスチン欠乏による細胞死を劇的に減少させる

加えて、シスチン依存の表現型はmiR-200cによって無効化することができる
miR-200cというマイクロRNAは、間葉系様の細胞に対して、上皮細胞の特徴を採用するように変換させる

反対に、シスチンに依存しない乳癌細胞に上皮間葉転換/epithelial-mesenchymal transition (EMT) の誘導物質inducerを導入するとシスチン依存の表現型がもたらされ、
それはシスチン依存のシグナル伝達コンポーネントを調整modulatingすることによるものだった

合わせて考えると、我々のデータは、腫瘍進行の間のシスチン依存が乳癌細胞のEMTと関連することを明らかにするものだ
これらの研究結果は、シスチンの欠乏がどのようにして『突出した間葉系の特徴を持つトリプルネガティブ乳癌細胞』に既存の発癌経路oncogenic pathwaysによってネクローシスを引き起こすのかを説明するための、遺伝学的な、そして機構的な基礎を提供する


関連サイト
http://www.jci.org/articles/view/76711
miR-200a/miR-200b/miR-200c、miR-141とmiR-429は、EMTを促進する転写因子ZEB1/2を標的にすることで浸潤を抑制する



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/3d33483b5a0c8f43e18bb563c9101da1
VHLが失われた腎細胞癌はアミノ酸のシスチンが欠乏するとネクローシスする



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/a42f46f190c4e408448d70b0cd3aa91e
マトリックスから離れた癌細胞は強い酸化ストレスを経験する



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161101093257.htm
悪性度の低い腫瘍でMnSODのレベルを上昇させると、悪性度の高い腫瘍の特徴であるビメンチンが現れた
ビメンチンはしばしばEMTのマーカーとして使われる
癌細胞は高い酸化ストレスにさらされており、そしてMnSODは抗酸化タンパク質である



参考サイト
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3545.html
>実は、がん細胞はブドウ糖しかエネルギー源として使えないことがわかっているのです。

は?
 

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