機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

「重力波の直接検出に初めて成功」のニュース

2016-02-13 06:06:06 | 天文
Gravitational waves detected 100 years after Einstein's prediction

LIGO opens new window on the universe with observation of gravitational waves from colliding black holes

February 11, 2016

http://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160211103935.htm

(Credit: LIGO)

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160211104237.htm

(Credit: Simulating eXtreme Spacetimes)

<コメント>
詳細は新聞記事などで既出なので訳す必要はないということで、ソースの忠実度を見てみる

Sciencedaily/プレスリリースで目を引く記述として、重力波の検出の順番が「ルイジアナ州リビングストン→ワシントン州ハンフォード」であり、その差が「7ミリ秒」だったとある
「重力波は光速度と同じなのか?」という疑問を抱いたり耳にしたことがある人(私だ)にとって興味深い一語だと思う

しかし『リビングストン ハンフォード "7ミリ秒" 重力波』と検索すると、日本語で引っかかったのはわずかに3件

http://www.astroarts.co.jp/news/2016/02/12gravitationalwave/
アストロアーツ天文ニュース

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/021200053/
ナショナルジオグラフィック日本語版

https://www.facebook.com/webronza/posts/961627517252003
ウェブロンザ(朝日新聞社)

※『リビングストン ハンフォード 重力波』で検索すると220件


ギズモード・ジャパンにプレスリリースを改変したような記事が掲載されているが、「7ミリ秒」が抜けている
http://www.gizmodo.jp/2016/02/_gravitationalwave_official.html


英語で『Livingston Hanford "7 milliseconds" Gravitational waves』と検索すると、1390件ヒット

※『Livingston Hanford "Gravitational waves"』で検索すると30000件


3件 / 220件=1.3%
1400件 / 30000件=4.7%




関連サイト
http://scienceminestrone.blog.fc2.com/?no=759
現状、本格的な重力波観測所はアメリカ合衆国のLIGOの2ヶ所のみである。2ヶ所の干渉計だけでは、重力波の発生源は大雑把にしかわからず、今回のGW150914も発生場所は天球の南半球の140平方度 (50%の確率) ないし590平方度 (90%の確率) の領域と、極めて大雑把にしかわからない。590平方度とはオリオン座の面積に匹敵し、満月の3000倍もある。当時は運用を休止していたイタリアのVIRGOの1ヶ所を加えると計3ヶ所となり、これで初めて三次元的な場所が絞られる事になる。それでも検出エラーや2ヶ所同時に到達する可能性を考えると4ヶ所以上が望ましく、今の所日本のTAMA300とドイツのGEO 600が候補に挙がる。
いずれにしろ、極めて弱い重力波を用いた天文学を行うためには、国際的な連携が欠かせず、重力波を初めて観測した事は、重力波による天文学の発展の始まりに過ぎないのである。



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/ff172273721d866bf8adcf2ecf493ccb
超電導体コイルの磁場で重力場をコントロールする
 

超電導体コイルの磁場で重力場をコントロールする

2016-01-12 06:06:58 | 天文
Gravitation under human control?

Physicist proposes using magnetic fields to produce and detect gravitational fields

January 8, 2016

http://www.sciencedaily.com/releases/2016/01/160108083918.htm

磁場magnetic fieldsを使って自由自在に重力場gravitational fieldsを生成して検出し、制御して研究して、新しい技術を開発する --
向こう見ずで斬新daringに聞こえるかもしれないが、まさにそれをナウル大学Naur UnimversityのAndré Füzfa教授は科学誌のPhysical Review Dで発表された論文で提案している
この提案が発展を続ければ、物理学を一変させてアインシュタインの一般相対性理論を揺るがすことになる可能性がある

現在科学者たちは重力場を『受動的』に研究しており、巨大な慣性質量inertial massによって生成される重力場の存在を観測して理解しようとしている
その質量は例えば星や地球であり、それらのあるがままを磁場などで変化させることはできない

この不満がFüzfaを革新的なアプローチへと導いたlead
十分に制御された磁場から重力場を自由自在に作り、この磁場がどのようにして時空space-timeを曲げるのかを観察するというものである

彼は論文において数学的な証明をもって重力場を検出可能なデバイスを提案している
このデバイスは超電導superconducting電磁石electromagnetを基礎にしていて、したがってCERNやITERのリアクターreactorで日常的に使われている技術による

この実験は大規模な資源を必要とするだろうが、もし実施されればアインシュタインの一般相対性理論theory of general relativityをテストするために使われる
これがもし成功すれば、重力場を生成し、検出し、究極的にはコントロールするという、確実に物理学の大きな一歩となるだろう
他の三つの基本相互作用fundamental interaction(電磁場、強い力、弱い力)と同様に重力相互作用gravitational interactionを作り出すことができるようになり、それは重力を新たな実験と工業の時代へと導くだろう

これまでこのような科学の進歩はSFの夢物語だったが、それは例えば重力波を使った通信分野のような未来の多くの応用への道を開くだろう
世界の反対側に衛星や地上の中継を通すことなく『電話』で話せるようになるのである


http://arxiv.org/abs/1504.00333
How current loops and solenoids curve space-time.
どのようにして電流ループとソレノイドが時空を曲げるのか

※ソレノイド: 円筒形に線を螺旋状に巻いたコイル

任意arbitrarilyの大きな定常電流large steady electric currentを持つ電流ループcurrent loopsとソレノイドsolenoidsの周囲で湾曲した時空は、円柱状の対称性cylindrical symmetryにおいて
アインシュタインとマクスウェル方程式/Maxwell equationsをつなげたcoupled数字的な解から得られる

磁場の生成と関連する人工的な重力場は、光子の重力赤方偏移gravitational redshiftと光の偏光deviationを生み出す

曲がった時空における電流ループとソレノイドのゼロnullの測地線geodesic(曲面上の2点を結ぶ最短曲線)も提示される

最後に我々は、超伝導コイルの現行技術で達成可能な実験機構setupを提案する
それは地上設置の重力波観測所における天体物理学シグナルと比べて同種の強さの、光の位相のずれphase shiftを生成する


<コメント>
論文によると、2つのソレノイドからなる超電導ヘルムホルツコイル/Helmholtz coilが重力場を生成し、
生成された重力場に光を蓄えるためのファブリーペローキャビティー(共振器)を備えた高感度のマイケルソン干渉計/Michelson interferometerを用いて、
数ヶ月かけて跳ね返る光bouncing lightの位相のずれphase shiftの蓄積accumulationから重力場を検出するとのことです

 

矮小銀河からのガンマ線でダークマターを調べる

2015-11-23 06:21:45 | 天文
Dark matter dominates in nearby dwarf galaxy

November 18, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151118155444.htm


(矮小銀河は星の数は少ないがダークマターは多い
上の画像はカリフォルニア工科大学 (Caltech) の 『現実的環境におけるフィードバック/Feedback in Realistic Environments (FIRE)』によるシミュレーション画像で、
左はそこから示される銀河系のような銀河の周囲に予想される星の分布、右図がダークマターの分布である
画像中の赤い円はさんかく座II/Triangulum IIのような矮小銀河を示す
矮小銀河は多くのダークマターを持つにもかかわらず、星の数は非常に少ない
さんかく座矮小銀河IIのようにダークマター優位の銀河は、ダークマターの自己消滅self-annihilationから放出されるガンマ線シグナルを検出をするための有力な候補excellent prospectsである)


ダークマターが『ダーク/暗い』と呼ばれるのはもっともな理由good reasonがある
ダークマターは通常の物質より10倍以上/by a factor of 10も多いが、その粒子が具体的に何なのかは不明であるelusive

※by a factor of ~:「~倍」。動詞がdecreaseなどの場合は「~分の一」の意

その存在は銀河における重力の影響によって推測されているが、これまで直接ダークマターからのシグナルを観察した者は一人もいない
天文学の助教授であるEvan Kirbyは、銀河に近い『さんかく座矮小銀河II/Triangulum II』の質量を計測することにより既知の銀河で最も高濃度のダークマターを発見した可能性がある


2015年に発見されたさんかく座IIは我々の銀河系の近くに存在する小さくて不鮮明な矮小銀河であり、その星の数はわずか1000個ほどに過ぎない
今回Kirbyは矮小銀河の中心を動きまわる6つの星の速度velocityを検討することでさんかく座IIの質量を計測した

Kirbyは「この銀河は観察するのが非常に難しいchallenging」という
「ハワイのケック望遠鏡で観察するのに十分明るい星は6つしかない」

Kirbyは6つの星の速度を計測して星にはたらく重力を推測し、銀河の質量を決定した
「この銀河の総質量は、目に見える星の総質量よりも本当に非常に大きかった
このことは、多くのダークマターが密集して詰め込まれた状態で存在し、莫大な総質量に寄与していることを意味する」

「この銀河の通常の物質に対するダークマターの比率は我々が知るどんな銀河よりも高く、
計測結果を見た私は声を出すのも忘れて驚くばかりだった(After I had made my measurements, I was just thinking--wow.)」


この結果から、さんかく座IIはダークマターのシグネチャーを直接検出するための最も有力な候補になりうるという
あるダークマターの粒子は超対称性WIMP (weakly interacting massive particles)と呼ばれ、それが互いに衝突して対消滅するannihilate際にガンマ線を生じて地球から検出できる可能性がある

現在の理論ではダークマターが宇宙のいたるところでガンマ線を生じていると予測されるが、パルサーから放出されるガンマ線のような宇宙のノイズの中からこれら特定のシグナルを検出するのは難題である
一方でさんかく座IIはとても静かな銀河であり、星を形成するためのガスや他の物質が存在しないため『死んでいる』銀河である
ダークマター粒子が衝突して生じるガンマ線シグナルは理論的に観察が容易である


しかしながら、Kirbyが計測したものが銀河の総質量であるかどうかが完全に確認されているわけではない
フランス・ストラスブール大学/University of Strasbourgの研究グループがさんかく座矮小銀河IIのちょうど外側の星の速度を計測し、
それらの星が予測に反して矮小銀河の中心に向かって近づく星the stars closer into the galaxy's centerよりも速く動いていることを明らかにしている
このことは、矮小銀河が銀河系の重力によって引き裂かれpulled apartつつあることを示唆する(『潮汐力で破壊される/tidally disrupted』)

※tidal disruption: 潮汐破壊

「次のステップは他の研究グループの結果を計測して確認することだ」とKirbyは言う
「もし外側の星が内側よりも速く動いていなければ、矮小銀河はいわゆる『動的平衡/dynamic equilibrium』状態にある可能性がある
であれば、ガンマ線でダークマターを検出するための最も優れた候補となりうるだろう」

この研究についての論文は11月17日号のAstrophysical Journal Lettersに掲載される


http://dx.doi.org/10.1088/2041-8205/814/1/L7
TRIANGULUM II: POSSIBLY A VERY DENSE ULTRA-FAINT DWARF GALAXY.


<コメント>
Triangulum IIの日本語訳が見つかりませんでしたが、他の矮小銀河の呼び方からとりあえず『さんかく座II/さんかく座矮小銀河II』としておきます




関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b90af671e5f7ca0075e8c8d3dd31c5fd
ダークマターの候補「ステライルニュートリノ」が崩壊したと思われるX線シグナルを捕らえる



関連サイト
http://www.astroarts.co.jp/news/2015/03/13reticulum2/index-j.shtml
「ダークマターを探すにあたり、矮小銀河からのガンマ線は、強力な証拠の1つと長い間考えられてきました。どうやら私たちは初めてその証拠を検出したようです」
ダークマターの正体はわかっていないが、ほとんど相互作用を起こさない粒子「WIMP」はダークマター候補の1つとされる。
 

2014年12月11日

2014-12-31 23:37:18 | 天文

研究者はダーク・マターからのシグナルを検出した可能性がある
Researchers detect possible signal from dark matter



結局、ダーク・マターが存在する具体的な証拠はこの宇宙に存在するのだろうか?

EPFLの素粒子物理学宇宙論研究所(LPPC)とライデン大学の科学者はおびただしい量のX線データを厳密に調査し、ダーク・マターの粒子のシグナルを特定した可能性があると考えている。ダーク・マターは現在は全くの仮説であり、重力を除く物理学の標準的なモデルの何によっても作用を受けない。彼らの研究は次週のフィジカル・レビュー・レターズで発表される。

http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.113.251301


銀河の力学と星の運動を研究する物理学者は、謎に直面する。彼らが目に見える物質だけを考慮する時、彼らの方程式は単純な合計にはならない。観察されうる要素は物体の回転と既存の重力を説明するためには不十分であり、そこには失われた何かが存在する。

このことから彼らは「光とは相互作用しないが全体としては重力と相互作用する見えない物質があるにちがいない」と推論した。この「ダーク・マター」と呼ばれる物質は、宇宙の少なくとも80%を構成するようである。

最近、Oleg RuchayskiyたちEPFLの科学者と、オランダのライデン大学の教授Alexey Boyarskyは、ペルセウス座銀河団アンドロメダ銀河が発するX線を分析することによりずっと探し求められてきたシグナルを検出したと発表した。

ESA(欧州宇宙機関)のXMM-ニュートンX線衛星から得られた何千というシグナルから既知の粒子と原子に由来するすべてのシグナルを消去し、さらに機器と測定の誤差の可能性を考慮した後に検出された異常が、彼らの注目をとらえた。そのシグナルは弱く、そして非典型的な光子の放出としてX線スペクトルで現れ、これまで知られているどんな種類の物質にも由来しない。

とりわけ「それらの銀河の中のシグナル分布は、我々がダークマターを予測していたものとまさしく対応するものだ。つまり天体の中央にシグナルは強く集中し、縁に近いほど弱くなり拡散する」、Ruchayskiyは説明する。

「我々は次に我々自身の銀河である天の川のデータを分析して、同じシグナル分布を観察した」、Boyarskyは言う。

このシグナルは宇宙できわめてまれな出来事、つまり仮説の粒子である「ステライルニュートリノ」の崩壊によって発された光子であると思われる。もしこの発見が確認されれば、粒子物理学の研究に新しい道が開けるだろう。

「この発見が確定すれば、ダークマター粒子のシグナルを研究する望遠鏡の新しい構造の設計に通じるかもしれない」、Boyarskyは言う。

ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=aogKkzESbgs&feature=youtu.be

記事供給源:
上記の記事は、スイス連邦工科大学ローザンヌ校によって提供される素材に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141211115520.htm



<コメント>
ダークマターの候補とされる「ステライルニュートリノ」が崩壊するシグナルを捕らえたかもしれないという記事です。

去年6月のNASAESAからの発表を訳して要約したAstroartsさんの記事の中に、

>ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのEsra Bulbulさんらの論文公開を受けて他の研究者からも同様の輝線を見つけたとの報告があり、誤検出の可能性は小さくなった。

とありますが、この「他の研究者」が今回の記事のAlexey Boyarsky氏です(Bulbul氏の論文の公開を受けて報告したというわけではないと思いますが)。

>Only a week after Bulbul et al. placed their paper on the arXiv, a different group, led by Alexey Boyarsky of Leiden University in the Netherlands, placed a paper on the arXiv reporting evidence for an emission line at the same energy in XMM-Newton observations of the galaxy M31 and the outskirts of the Perseus cluster. This strengthens the evidence that the emission line is real and not an instrumental artifact.


2014年11月12日

2014-11-13 10:30:45 | 天文

木星の大赤斑は、おそらく日焼けである
Jupiter's Great Red Spot is likely a sunburn, not a blush



NASAのカッシーニ・ミッションの最新の分析によれば、木星の大赤斑の赤い色は、おそらく惑星の高層大気で日光によって分解された単純な化学物質の産物である。これは赤斑の印象的な色の起源に関する他の主要な理論、つまり「赤みがかった化学物質は雲の下に由来する」という主張と矛盾する。

この結果はアリゾナ州トゥーソンで開かれているアメリカ天文学会の惑星科学部会(Division for Planetary Science)ミーティングでKevin Bainesにより今週発表されたものである。彼はカリフォルニア州パサデナのNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory; JPL)に拠点を置くカッシーニ研究チームの科学者である。



BainesとJPLの同僚Bob CarlsonとTom Momaryは、カッシーニの2000年12月の木星接近通過と研究室実験から得られたデータを組み合せることでこの結論に到達した。

研究者は大赤斑の雲の最大高度に存在する物質に対する太陽の影響をシミュレーションするため、アンモニアとアセチレン・ガスを紫外線とともに吹き付けた。これらは木星に存在することが知られている化学物質である。

結果として生じた赤みがかった物質を、研究チームはカッシーニの可視光・赤外線マッピング分光計(Visible and Infrared Mapping Spectrometer; VIMS)によって観察された大赤斑のものと比較した。彼らが得た赤い混合物の光散乱特性は、「赤い物質が巨大低気圧のような特徴の最上部の領域(uppermost reaches)に閉じ込められる」という大赤斑モデルにうまくマッチした。

「大赤斑の赤みがかった物質の雲の上層部の下では、実際にはほとんどが、赤色は非常に穏やかであることを我々のモデルは示唆する。」、Bainesは言う。

「赤みがかった『日焼け』の下で、雲は多分白っぽいか、灰色がかっているだろう。」



木星はほとんどが水素とヘリウムから構成され、他の元素はわずかである。科学者は元素のどんな組合せが木星の雲の中で観察される色の原因であるかを理解することに関心があるが、それは巨大惑星の構造に対する洞察を提供すると思われるためである。

Bainesたちは初めに大赤斑の色が複雑な分子、硫化水素アンモニウムが太陽により分解された物に由来するかどうかを決定しようとした。硫化水素アンモニウムは木星の主な雲層を構成する物質の1つである。

しかし彼らの実験が生み出した産物は赤色ではなく、鮮やかな緑の色合いであった。この驚くべきネガティブな結果は、研究者に木星の高い高度で一般的な炭化水素とアンモニアの単純な組合せを試みさせた。紫外線でアンモニアとアセチレンを分解することは、カッシーニによって集められたデータに最も適合することが分かった。

木星は3層の主な雲の層を持つ。それは木星大気で特定の高度を占める; 最も高い高度から、アンモニア、硫化水素アンモニウム、そして水雲(water clouds)である。



強い赤色が大赤斑といくつかのやや小さい斑だけで観察される理由に関しては、研究者は高度が重要な役割を演じると考えている。

「大赤斑は非常に高い」、Bainesは言う。

「大赤斑の雲は、木星上の他の場所の雲よりも高いところまで届く。」

研究チームは赤斑の高度が、赤い色を発色し、さらにそれを強めることを可能にすると考える。木星の風はアンモニアの氷粒子を通常よりも大気の高い所へと運び、そこで太陽の紫外線にずっと多くさらされる。加えて赤斑の渦の性質が粒子を閉じ込め、逃げられないように阻止する。

木星の他の領域はオレンジ、茶色、赤い色合いの混合パレットを示すが、Bainesが言うには、これらは高く明るい雲が、より薄いことを知られている場所である。その薄さは、よりカラフルな物質が存在する大気圏深部への視界を許す。

記事出典:
上記の記事は、NASAによって提供される素材に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141112133207.htm

<コメント>
木星の大赤斑の色は「日焼け」であるかもしれないという記事です。

2014年6月4日

2014-06-05 20:49:53 | 天文

天文学者はソーン-ジトコフ天体(奇異なタイプの雑種星)を初めて発見する



科学者は、1975年に物理学者キップ・ソーンと天文学者アンナ・ジトコフによって最初に提案された『理論上の』星を初めて検出した。

ソーン-ジトコフ天体(Thorne-Żytkow object; TŻO)は、赤色超巨星と中性子星の雑種である。それは正常な赤色超巨星(例えば星座オリオンにおけるBetelguese)と表面上は似ている。

しかしながら、それらは近い連星系にある2つの大きい星、赤色超巨星と中性子星の相互作用によって超新星爆発の間に形成されると考えられる。



正確なメカニズムは不明だが、広く知られている理論は、2つの星の進化の相互作用の間にずっと重い赤色超巨星が中性子星を飲み込んで、中性子星は赤色超巨星のコアへと落ち込むことを示唆する。

正常な赤色超巨星はコアの核融合からエネルギーを引き出すが、TŻOは吸収された中性子星コアの変わった活動で動く。

したがって、このTŻOの発見は、天文学者によって以前に気付かれていない恒星内部のモデルのエビデンスを提供する。

英国ケンブリッジ大学のアンナ・ジトコフと、チリのカーネギー天文台のニディア・マレルたち天文学者は、チリ、ラスカンパナスの6.5メートルマゼラン・クレイ望遠鏡でそれらの発見をした。

彼らは外見上の赤色超巨星から放出される光のスペクトラムを調べた。

そして特に1つの星のスペクトラム、小マゼラン雲のHV2112の変わった特徴のいくつかに、観察者はとても驚いた。

レベスクと彼女の同僚がスペクトルで希薄な線の詳細に観察すると、彼らはそれが過剰なルビジウム、リチウムとモリブデンを含むことを発見した。

過去の研究は正常な恒星プロセスがこれらのエレメントの各々を生み出すことができることを示した。

しかし、赤色超巨星に典型的な温度で、これらの3つ全てが非常に豊富なのは、TŻOの独特のサインである。

しかしチームは、HV 2112が理論モデルに全くマッチしない化学特性を示すことを指摘するように注意する。

学術誌参照:
1.小マゼラン雲におけるソーン-ジトコフ天体候補の発見。

Monthly Notices of the Royal Astronomical Society Letters(2014);

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140604115117.htm

<コメント>
見かけは赤色超巨星のソーン-ジトコフ天体の候補が発見されたという記事です。
少し前には、青色巨星のウォルフ・ライエ星についてのニュースがありました。
巨星のニュースが続きます。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140521133800.htm
>Supernova progenitor revealed with new technique

http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/53616
>IIb型超新星に進化するウォルフ・ライエ星


2014年5月14日

2014-05-17 11:26:23 | 天文

高速太陽風は、地球上で落雷を増加させる



科学者は、地球に関する落雷がただ宇宙からの宇宙線によってだけでなく、太陽からのエネルギッシュな微粒子によっても引き起こされることを示唆する新しい証拠を発見した。

リーディング・ユニバーシティの研究者は、地球に関する増加した雷雨活動と、太陽風によって加速される高エネルギー微粒子の流れの関連を発見した。

それは宇宙からの微粒子が落雷を引き起こすのを助けるという、動かぬ証拠を提供する。




リーディング・ユニバーシティ気象学部の研究者は、地球の大気に向かって毎時100万マイル以上で進む高速太陽風の出現後、最高40日間、ヨーロッパの全域で落雷率の著しい増加を発見した。

研究者は、太陽風から入って来る荷電粒子が空気で衝突するため、空中の電気的な特性がどうにかして変えられていると提案する。



研究のリード著者、クリス・スコット博士は以下のように述べた:

「太陽が27日ごとに回転するにつれて、これらの微粒子の高速流は、予測可能な規則性をもって我々の惑星を通過する。

長期の天気予報をするとき、そのような情報は役立つ可能性がある。」



この結果に至るまでに、研究者は2000~2005年に英国気象庁の落雷検出システムから得られた英国の落雷に関するデータを分析した。

落雷の記録は、Nasaの高度な組成エクスプローラー(Advanced Composition Explorer; ACE)宇宙船からのデータと比較された。それは太陽と地球の間で、太陽風の特徴を計測している。


太陽風の出現の前後の落雷は、40日前の平均321回と比較して、平均422回の落雷が次の40日で英国に出現した。

落雷の率は、太陽風の出現の12~18日後にピークに達した。



太陽風は、毎時100万マイル程度でSunの空気から推進されるエネルギッシュな微粒子 ― 主に電子と陽子 ― の安定した流れから成る。

地球の磁場は太陽風に対するしっかりした防御を提供する。そして、惑星の回りにエネルギッシュな微粒子を偏らせる;

しかし、速い太陽風が遅い太陽風に追いつくと、それは物質と、関連する磁場、その両方とも増大させる。

発見の概要は、付随するビデオ要約で見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=v-r-3qhed1s&feature=youtu.be

学術誌参照:
1.落雷の太陽風による調整の証拠。

環境研究レター、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140514205758.htm

<コメント>
落雷の頻度は高速太陽風の影響も受けることが明らかになったという記事です。
これで天気予報の精度が上がるといいんですが。 :P

関連記事は、雷雲の上空に発生するスプライトについてです。
スプライトはHuluの科学番組でも見れますね。

http://www.sciencedaily.com/releases/2010/04/100413202850.htm


スプライトの発生確率は世界でも日本がいちばん多いんだそうです。

http://www.mech.tohoku.ac.jp/sena/series26/vol1/vol1-3.html

2014年5月10日

2014-05-12 11:55:05 | 天文

天文学者は太陽の『長い間所在不明だった兄弟』を発見して、家族の再会のために道を舗装する



オースティンのテキサス大学の天文学者イヴァン・ラミレツたち研究者は、太陽 ― ほぼ間違いなく、我々の星と同じガスと塵の雲から生まれたスター ― の第1の「兄弟」を特定した。

「我々は、自分たちがどこで生まれたのかを知りたい」、ラミレツは言った。

「もし我々が太陽が銀河のどの部分で形をなしたかについてわかるなら、我々は、早期の太陽系の状況を限定することができる。

それは、我々がなぜここにいるかについての理解を助ける可能性がある。」

さらに、可能性はある。「小さいが、ゼロではない」、ラミレツは言う。これらの太陽の兄弟には、生命が住んでいるかもしれない。



彼のチームが特定した太陽の兄弟は、HD 162826と呼ばれる星で、太陽より15パーセント大きい。

ヘラクレス座に位置しており、110光年離れている。

星は肉眼では見えないが、明るい星のヴェガから遠くはなく、弱拡大の双眼鏡で容易に見ることができる。



「太陽は、1000、または10万の星のクラスタで生まれた。このクラスタは45億年以上前に形をなしたが、その後解体した」、彼は言う。

いくつかの星は、HD 162826のように、まだ近くにいる。

他は、非常に遠くにいる。

学術誌参照:
1.太陽の兄弟の候補の基本的な発生量。

天体物理学学術誌、2014(印刷中)

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140510151703.htm


<コメント>
110光年先に、太陽と同じガス雲から生まれた兄弟星が同定されたようです。
太陽の兄弟が数千以上も存在するという可能性にも驚きました。