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アルツハイマー病でグリンパ系/アクアポリン4を標的にする

2016-12-09 06:06:41 | 
Possible new target for treating and preventing Alzheimer's

December 1, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/12/161201165405.htm


(左は高齢のアルツハイマー病患者の脳のスキャン画像で、右は認知が正常な人のもの
赤い蛍光色は膜タンパク質のアクアポリン4を示す

認知が正常な人はアクアポリン4の発現が組織全体で比較的均一evenであり、血管の周囲では際立って促進stark enhancementされている一方で、
アルツハイマー病の人は不均一で『不調和な/まだら状のpatchy』 発現である

Credit: OHSU)

今回の新たな科学的発見は、アルツハイマー病の治療と予防に新たな道を示すかもしれない

JAMA Neurology誌で11月28日に発表された研究では、脳細胞の膜タンパク質であるアクアポリン4/aquaporin-4について調査した
オレゴン健康科学大学(OHSU)の研究者たちは科学研究のために提供された献体の脳を調査し、年老いた人々のアルツハイマー病の有無とアクアポリン4の分布prevalenceとの間に相関があることを発見した

「アクアポリン4はアルツハイマー病の予防と治療に役立つ標的である可能性が示唆される」
首席著者senior authorのJeffrey Iliff, Ph.D.は言う
彼はOHSU医学部の麻酔・周術期医学部/Department of Anesthesiology and Perioperative Medicineで助教授/Assistant Professorである

「しかしながら、我々はこれ一つだけを修正すればそれでアルツハイマー病が治癒できるという、思い違いをしているわけではない」


アルツハイマー病は進行性の疾患でほとんどは加齢と関連して生じ、記憶、思考、行動で問題が起きる
世界的に痴呆の主な原因で、現在のアメリカでは死因として6番目である
治癒する方法は知られておらず、いくつかの症状に対症療法があるのみである

アクアポリン4は脳全体に広がる『グリンパ系/glymphatic system』という水路channelsのネットワークの重要な一部である
グリンパ系は、脳に蓄積するアミロイドやタウのようなタンパク質を脳脊髄液が洗い流すことを可能にする
それらのタンパク質はアルツハイマー病に罹患する人々の脳内に蓄積する傾向があり、その後の神経細胞の破壊に関与する可能性がある

「アルツハイマー病の人々では多くのことが狂ってうまくいかなくなるが、グリンパ系はその一つである」
Iliffは言う

今回の研究ではOHSU Layton Aging and Alzheimer's Disease Centerの一部であるOregon Brain Bankを通じて提供された79の献体の脳を詳しく調査した
研究者はそれらを次の3つのグループに分類した

・60歳未満で、神経疾患の病歴がない人々
・60歳より上で、アルツハイマー病の病歴がある人々
・60歳より上で、アルツハイマー病ではない人々

調査の結果、アルツハイマー病ではない60未満と60より上の人々の脳内では、アクアポリン4タンパク質が十分に整っていてorganized、脳の血管を裏打ちlineしていた
しかしながら、アルツハイマー病の人々の脳内ではアクアポリン4タンパク質は乱れてdisorganizedいるように見えた
それは脳がアミロイドベータのような廃棄物を効率的に除去できないことを反映しているのかもしれない

研究の結論としては、将来のアクアポリン4の形態または機能に注目した研究が最終的にはアルツハイマー病を治療または予防するための薬剤の開発に繋がるかもしれないという
2015年、Iliffが率いるOHSUの科学者からなる集学的multidisciplinaryな研究チームは140万ドルのグラントをPaul G. Allen Family Foundationから受けた
その目的はMRIをベースとした新たな画像化技術の開発であり、高齢者の脳でアクアポリン4を含めたプロセスが作用しているところを観察するためである


http://dx.doi.org/10.1001/jamaneurol.2016.4370
Association of Perivascular Localization of Aquaporin-4 With Cognition and Alzheimer Disease in Aging Brains.
高齢者の脳における血管周囲へのアクアポリン4の局在と認知ならびにアルツハイマー病との関連


キーポイント/Key Points

問題/Question
アストログリアの水チャネルwater channelであるアクアポリン4の発現または局在は、高齢者advanced ageまたはアルツハイマー病患者で変化するのか?

※星状膠細胞/アストログリアastroglia: この細胞の突起の一部は血管壁に終わっていて(終足endfeetと呼ばれる)、終足と血管壁が接触する部分にはアクアポリン4が存在する

研究成果/Findings
年老いているが認知的に完全な人々とアルツハイマー病患者の死後の脳皮質でアクアポリン4タンパク質の発現と局在を分析したところ、アクアポリン4の発現と加齢との間には統計的に有意な関連があることが明らかになった
アクアポリン4タンパク質の『血管周囲アストロサイト終足/perivascular astrocytic endfeet』への局在が失われることは、アルツハイマー病の状態statusならびに病理pathologyと強い関連があった

意義/Meaning
アクアポリン4発現の上昇は、年老いたヒトの脳の特徴である
アクアポリン4の局在の異常は、アルツハイマー病の病理の発生と関連がある


Abstract

Results
アクアポリン4(AQP4)の発現は、全ての人々で加齢advancing ageと関連していた (R2 = 0.17; P = .003)

血管周囲へのAQP4の局在は、年齢とは関わりなくアルツハイマー病(AD)の状態と有意に関連していた (OR, 11.7 per 10% increase in localization; z = −2.89; P = .004)
認知的に完全で85歳より上の最高齢の人々の間では、血管周囲へのAQP4の局在は保持されていた

年齢で調整したところ/when controlling for age、血管周囲へのAQP4の局在が喪失することは、アミロイドβの負荷の増大と関連し (R2 = 0.15; P = .003) 、Braak神経原線維変化ステージの上昇とも関連した (R2 = 0.14; P = .006)

※Braak神経原線維変化ステージ: ステージIからステージVIまで。http://dementia.umin.jp/link4-3.html



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グリンパ系と睡眠とアルツハイマー病の関連



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161026105336.htm
オメガ3多価不飽和脂肪酸はグリンパ系の機能を仲介することにより脳からのAβ除去を促進する



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Aβを分解するネプリライシンneprilysinと、Aβを排出させるABCC1、それらを両方とも欠くマウスはアルツハイマー病のようになった
 

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