ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

ザ・ウォーク

2019-08-24 20:28:11 | 映画

少し涼しくなったと思ったら、また残暑がぶりかえしてきましたね。
さて、今日も古い記事で申し訳ありませんが、去年の暮れの寒い時期に書いたものを掲載します。
あと少しでこの(「ないない島通信」)シリーズも終わりますので、もうしばらくのご辛抱を。


(2018年12月の記事です)

今年もついに残すところ一週間を切りました。
速いもんだねえ。
なぜこうも時間のたつのが速くなったのか?
こちらがのろくなってきたせい?
だから、相対的に
周囲の時間が早送りされているように見える?

この現象はますます加速度を増すだろうから、今から十年後というのは(来年以降の私の感覚でいうと)2年後くらい??
Oh my God!!

さて、今年のクリスマスに私が見た映画は、

「ザ・ウォーク」(ロバート・ゼメキス監督、2015年)

1974年、NYのワールドトレードセンター(WTC)の二つのビルの屋上にワイヤーを張って、命綱なしでビルの間を綱渡りした、フィリップ・プティという人の実話です。地上411mの綱渡り。

これ、実話というところがすごい。
しかも、あのWTCよ、今はもうない。

そのWTCを取り上げ、しかも9.11には全く触れない。触れないからこそ、失ったものの大きさがよくわかるというわけ。さすが、ロバート・ゼメキス監督。(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の監督です)

それにしても、
世の中にはとんでもないことを考える人がいるもんだと思った。
ただでさえ、高所恐怖症の私。
映画を見終えるまでに、何度中断したことか。
映画だとわかっていても、足がゾクゾクして見てらんない。
クレイジーにもほどがある。

でも、最後まで見て、なんかよかったなあと思った。
理由の一つは、ジョセフ・ゴードン=レヴィットかな。
彼が出る映画には何かしら余韻があります。
「インセプション」や「500日のサマー」で有名ですが、今回の彼はちょっと毛色が違って、破天荒なチャレンジャーといった役柄。

映画は彼自身のナレーションで始まりますが、
なんと、NYの自由の女神のテッペンに立って自身の物語を語り始めます。

おいおい、そんなところに立って怖くないんかい?

最後にWTCを綱渡りするのだから、自由の女神ごときでは怖いわけがない。

高所恐怖症とは無縁なのでしょう。羨ましいような全然そうでもないような。

物語はとてもシンプルで、
彼がなぜWTCビルの綱渡りに挑戦し、どのように成功したか、というストーリー。

答えは「山がそこにあるから」と言ったジョージ・マロリーと同じ。これはチャレンジャーに共通する心理なのでしょう。

挑戦すべきものが目の前にあるなら、挑戦せずにはいられない。

私にはよくわからないけど、そういうものらしい。
特に男は。
もちろん成功する確率は高くない。落ちたら必ず死ぬわけですが、だからこそ挑戦しがいもあるのでしょう。

でも、見ているとわかるのですが、このために彼がした準備は万端怠りなく、しかも、彼のスキルそのものがもう無敵なわけです。これだけの自信があったからこその成功というわけ。

そして、
命の使い方って、人によってえらく違うもんだなあ、と思った。

考えてみれば、私たちも日々何かに挑戦してはいるのです。
いつもと違う道を歩いてみるとか、知らないお店に入ってみるとか、食べたことのないモノを食べてみるとか、知らない国に旅行に行くとか、初めての人に会うとか・・

でも、WTCを綱渡りしようとは思わない。

「これはクーデターなのだ」と彼は言います。
誰も挑戦しない、かつ違法でもある事に挑戦するクーデターなのだと。

最後に彼は屋上で待ち構えていた警察に捕まりますが、下に降りると、万来の拍手に迎えられます。
NYの人たちが一斉に上を見上げて、彼の成功を息を詰めて見守っていたわけですから、彼は偉大なヒーローです。

でも、ヒーローになったから素晴らしいのではない。
彼が成功しようが失敗しようが、破天荒なことに挑戦した、その事に意味がある、と誰もが思います。

命の使い方は人それぞれ。
せっかく生まれてきた命、持ち合わせた才能、それを開花せずに終わるほうがもったいない。

そうしたことを、この映画は教えてくれました。

私は、WTCはおろか我家の屋上でさえ無理だけど、
今年から来年に渡るのも、ある意味、綱渡りかしれない。

大きなジャンプをして来年を迎えたいと思います。

皆さんはどんな綱渡りをしたいですか、来年?

コメント
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