1996年/邦/神山征二郎監督/三上博史 仲代達矢 八千草薫 酒井美紀 中山忍 田中実 尾美としのり 牧瀬里穂
2023年9月21日 BS松竹東急 よる8銀座シネマ
【あらすじ】
宮澤賢治の生涯を、女性関係中心に描く…?
天下の文豪も、新藤兼人脚本にかかればこの通り。はちゃめちゃな人物にされて、尊敬の念も台無しにされる。概ね史実に忠実なんだろうが、もっと描くべきことはあっただろうによ。幼馴染のキミコちゃん(尾羽智加子)のこととか、看護婦さんに一目惚れして勝手に結婚するつもりになったとか、押しかけてきた高瀬露(牧瀬)を何もせず追い返したとか、いったい何のこっちゃというエピソードばかり連ねられる。そして結局妹トシ(酒井)との死別が丁寧に描かれ、シスコンだったことにされる。農業に関しちゃ結構な仕事をしたはずだったがその偉大さは掘り下げられることもなく、作家業も何となく始められてていつの間にか名作が出来てたりする。
仲代達也も八千草薫もキョトンとする他なく、ラストはカズンのポップな主題曲に乗せて締められるという有様。三上博史も、ロケット団の倉本一歩先行く星人にしか見えなかった。
神山征二郎は1992年にも新藤兼人脚本で「遠き落日」なる野口英世伝を世に送り出していたが、これも同様の見応えのない類似品であった…。何なの、コイツら!?