おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

雨の週明け

2009-06-22 13:56:21 | Weblog
蒸し暑い

雨が降ってきたので窓を閉め切ってるせいだ

扇風機を回しているが生暖かい風しか送られてこない

思い切って窓を開けた

先ほどの雨は止んだみたいだ

天気予報では「降ったり止んだりの繰り返し」との事

今日は速水パパと立川アモンに行くのだ

出かける頃には止んでいて欲しいのだが


昨日、夕食の材料を買いにサミットへ行った

その途中に何とコンビニが出来ていた

今週末にオープンらしいが

いつの間にそんな工事をしてたのだろう

交通量の激しい国道沿いで

少し前まで運送会社があった場所だ

サミットへ行く時は必ず通る場所なのに

まるで気付かなかった


今まで私が利用していたのはサンクスだ

アパートから一番近いので利用率も高くなる

品揃えは他所と大差ないのだが

一つだけ不便な事がある

それはサンクスに設置されてあるATMでは

“第一勧業銀行”時代のキャッシュカードが利用できないのだ

月末になると口座へお金を入れておかなければならず

少し離れたローソンかセブンまで歩いていた

なので近くにもう一軒コンビニが出来た事は大歓迎だ

オープンするのはミニストップで

私のカードが使える事を祈りたい


今夜はさきほども触れたが

アモンのショーを見に行く

速水パパに連れて行ってもらうのは久々だ

吉祥寺のクラブの女の子も一緒だ

確かアモンは今年10周年で

ショーもそれに相応しい内容らしい

とても楽しみだ

その後は店に同伴してもらう予定である


今の内に少し睡眠をとって夕方に備えよう

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泣き上戸

2009-06-21 19:35:18 | Weblog
昨日の続き…

池袋の店で働いてた時のこと

その日はとても暇な日で

ママもカリカリ来ているようだった

閉店が近付いた頃、ドアが開く音がした

「いらっしゃいませェ~」

近所のホモバーのマスターだ

「あらお母さんいらっしゃ~い!」

マスターだがウチではお母さんと呼ばれている

子泣きジジイそっくりの風貌と

目玉オヤジの様な甲高い声が特徴だ

「どうせ暇こいてたんでしょっ!

 あらエドナあんた相変わらずブスね~」

いつもの毒舌がこんな日は耳に心地良い

「お母さんヒドイワ~ッ!」


マスターのボトルは半分くらい残ったローヤルだ

ママを入れて4人も居るんだから、あっと言う間に空くだろう

東北出身のヒロミちゃんがモタモタと酒を作る

「アンタ相変わらず汚いわねェ~

 化粧の仕方知らないのかしら?」

「そったらこど言わねでけろ~」

ヤニで茶ばんだ歯を見せて身をくねらせるヒロミ

ホモバーのマスターだから口は達者だ

意地悪言われても切り返すぐらいでないとオカマはつとまらない

「ねェお母さん、今度お店に遊びに行ってもいいかしら?」

先輩のレイコさんが甘えた声を出す

「ダメよウチは女装禁止なの!

 それにアンタは顔がデカ過ぎてドアにつっかえちゃうわよ!!」

「まァ悔しいわァ」


ママがソワソワし始めた

ショータイムをしたくてウズウズしているのだ

客が来ると会話もそこそこですぐショーをしたがるのだ

「エドナ、あんたは踊り下手だから見てらんないわ

 こないだアタシが教えてあげたでしょ

 色っぽさがないとダメよ!」

「お母さん、プレッシャーだわァ」

私は昔からショータイムは苦手

踊りのセンスがまるでないのだ

それよりもボトルがなかなか空かない事の方が気になっていた

ヒロミちゃんに目で合図するが分ってないようだ


入り口のドアが開き、新たなお客様が来店

レイコさん目当ての男性客だ

ママは相変わらずショーの音楽の頭出しに夢中だ

ショーが終わったらマスターも帰ってしまうだろう

始まる前にニューボトルを入れてもらわなければ…

私とヒロミの2人で飲めばあっと言う間だろう

私はグラスにドバドバ~と酒を注いだ

この際仕方がない

ヒロミは相変わらず涼しい顔をしている

腹が立ったので「アンタも飲みなさいよ」と言うと

「おめに言われだがね」(アンタに言われたくない)と来た

「飲まない、喋らない、動かない

 まるでアンタはオブジェね」と吐き捨て

ほとんどストレートに近いウイスキーを

立て続けに流し込んだのだ

見かねてマスターが口を開いた

「アンタ、無理しなくても入れてあげたのに…」


「エドナそろそろ始めましょ」

ママが私にショーの前歌を命じる

私はさっきの一気飲みが効いた様だ

いつもなら「さそり座の女」を選ぶのに

何故かその時は中島みゆきの「化粧」を入れてしまった

そんな暗い曲をショーの前に歌うなんて

きっとママに注意されるだろうが

もうイントロが始まっている


♪化粧なんてどうでも良いと思っていたけれど…

歌いだして気付いたのだが涙が出ている

サビに来るともう駄目だ

泣けて泣けて、とても歌えないのだ

マスターや他のお客さん(と言っても一人だが)も

何で私が泣いてるのか不思議そうに眺めている

その日のショーは酔っ払って泣きじゃくる私のせいで

滅茶苦茶だった


何が哀しいのだろうか

ヒロミちゃんがこんな暇な時にも

マイペースだった事か?

それとも無理してボトルを空けようとした自分が

はしたなくて惨めに思えて来たのか

そのどちらでもない

私は酔うと泣き上戸になると言う事を

その時、初めて知ったのだった























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キヨカ

2009-06-20 15:04:24 | Weblog
今朝は小雨交じりで寒いくらいだったのに

昼過ぎに目が覚めた時にはP-カンだ

階下のサーファーは朝から海へ行く準備で大忙し

梅雨の合間の波乗り日和なのだろう

でもホントに梅雨なの?ってくらい雨が降らない

去年の様なゲリラ豪雨が一日だけあったけど

このまま夏に突入なんて、まさかね…


昨夜はTママが近所のキャバヘ招んでくれた

アフターでよくウチの店を利用してくれるキヨカの働く店だ

Tママの姪っ子のノゾミがキヨカと仲が良くて

ノゾミがバイトしている武蔵境の店にも来てくれたらしい

「ノンちゃんの所に来てくれたらしいから

 お返しに来たのよ」

Tママには子供が居ないが、姪っ子が何人か居て

最近はノゾミをとても可愛がっている


キヨカが働くSBと言う店は地下にあり

大人っぽい雰囲気でキャバと言うよりクラブに近い雰囲気だ

店の外では4~5人の嬢たちがキャッチしていた

その中の一人が私を見つけると

「エドナさん、ノンちゃん達もう来てますよ」と

階下へ案内してくれた

私の名前を知ってくれている

この店にはかなり前に“飲ませ屋”のマイちゃんに連れてこられた

その時にテーブルに付いてくれた子だったのかも…


広い店内に客は2組

奥のテーブルにTママ達を発見

「お待たせ~!」

野太いオカマの声は静かな店内に響き渡る

「お疲れさんス」

キヨカが相変わらずの体育会系ノリで迎えてくれる

海外ドラマ「フレンズ」のジェニファー・アニストンを

きつくした感じの顔立ちで

ロングヘアをかき上げる仕草が色っぽい

しかし彼女の目力はかなりの強さを秘めていて

パンチの効いた人生を歩んでいるのが垣間見える


ある時マイちゃんがSBで飲んだ帰りにウチにも寄ってくれた

「後からキヨカも来るから…」

と言ってたのだが一時間以上経っても連絡さえない

約束を守らない女は大嫌いなマイちゃんは切れて

SBに電話を入れた

すると5分後に、SBのスタッフに抱きかかえられながら

キヨカがヨレヨレの姿で登場した

売り上げのためにさんざっぱら飲んだと見える

マイちゃんのテーブルでもかなり飲んだと思われるが

その後に来たお客さんの席でもがぶ飲みしたのだろう

キヨカは号泣している

酒に負けた自分が情けないようだ

とても負けん気の強い彼女は

動けないくらい飲んだのに

せっかくアフターを誘ってくれたマイちゃんに申し訳ないと

わざわざスタッフと共に詫びを入れに来たのだ

あの姿を見て私も昔を思い出した


池袋の店だった

暇な日で、近所のホモバーのマスターが遊びに来てくれた

ローヤルのボトルが半分くらい残っている

オカマが2人付いていたらチャンスボトルだ

しかし飲まないのだ

ママはショータイムをやりたくてウズウズしてる

マスターもかなり酔っ払って奇声を上げている

「ちょっとエドナ!アンタ少しぐらい踊りは上達したの?」

「やだァ、マスター!こないだ教わったじゃないのよ

 アレを参考にして頑張ってるわよォ」

酔った勢いでマスターが日舞を披露してくれた

子泣きジジイの様な風貌のマスターだったが

自己流とは言え、手の動きや足捌きなどお勉強になった

それよりもボトルを早く開けないと売り上げにならない

ママはショーの音楽をセットしている

私はグラスにたっぷりとウイスキーを注ぎ

3杯くらい一気に飲み干した


まだ若かったとは言え無茶な飲み方だった

たちまち目が据わりろれつの回らない私が

同僚のオカマに食ってかかった

「ヒロミちゃん、何で飲まないのよォ!

 飲まない、喋らない、動かないじゃ

 まるでオブジェじゃないのよ!!」

東北出身のヒロミちゃんはプイと横向いて

「おめに言われだがね」(訳:アンタに言われたくないわ)

その途端、私は何だか悲しくなって席を立った

そして…つづく





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Pのママ

2009-06-19 14:52:01 | Weblog
暇だった

一昨日とは大違い

はす向かいのPのママも店の前で涼んでいる

「ママんところも暇なの?」

「そうなのよ~、木曜日はダメね」

70を越えているとは思えない張りのある声だ

そう言えば、一週間くらい前にスナックPから

ママの怒鳴り声が聞こえてきた

「てめー!二度とウチに来るんじゃないぞ!」

彼女はよくお客さんと喧嘩をするのだが

この時はいつも以上に声に迫力がある


「あの日は凄く忙しかったのよ

 そんな日に限ってエリが酔っ払って使い物にならなくて…」

エリはフィリピン人で何度もPを辞めては出戻っている

ママは彼女には特に厳しい

男の客の間で酔っ払ってベロンベロンで動かないエリに

よっぽど腹が立ったらしく鉄拳制裁を加えた

それを見た男性客が「可哀想じゃないか!」とママに食ってかかる

他のテーブルの男性客がママに加勢する

満席の店内は一気に険悪なムードに

その時、エリを庇った客がママを突き飛ばした

その途端、ママは床に転げ落ちた


「ちょっとコレ見てよ!」

ドレスの肩をずらすと青い大きなアザが…

転んだ拍子に床にぶつけたようだ

完全にブチ切れた彼女は

突き飛ばした男に啖呵を切った

男も戦闘体制だ

「殴るなら殴れ!その代わり警察呼ぶからな!!」

男を連れてきたのは常連の男性だった

「○○ちゃん、今すぐこの男とエリを連れて出てって!!!

 エリもクビだ!!」

そして冒頭の怒鳴り声へと続くのだ


Pの奥から電話が鳴る

ドアが開いてエリがママに電話を引き継ぐ

クビがつながったのかしら

それにしても男勝りで負けん気が強く

警察だろうがヤクザだろうが怖いものなしだ

「ママ、お転婆もほどほどにね」

アハハハ~!と豪快に笑って店の奥に消えた


八丈島から出て来て

この土地で郷土料理店を40年も続けて来た

その店は建物の老朽化に伴い立ち退きとなったが

向かいの姉妹店Pは現在も継続して営業中だ

「私は酒を飲まないし、接客も苦手なのよ

 だからスナックは向いてないの

 そのうち又料理屋をやりたいわ」

70を越えてもまだまだ将来に夢を描いている

私も腰が痛いだのめまいがするだの言ってる場合じゃないわ



 






 













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久々の乗り過ごし

2009-06-18 09:04:33 | Weblog
あ~、久々に“乗り過ごし”やっちゃいました

あと10分で下車駅だと言うのにウトウト

次に目を覚ました時には見慣れない景色が窓の向こうに流れていた

まさか厚木までは行ってないだろう

しかし駅間が長い

目の前に立ってる若い女がやけに圧迫感がある

隣に腰掛けた分厚いアタッシュケースのオヤジは

太ももの外側が私の足に少し乗り上げている

朝のラッシュにさしかかろうとしているので仕方がない

何だか頭がいたい

日本酒を大ぶりのロックグラスで2杯

その後、ボトルを開けようと焼酎をがぶ飲みしたのが効いた様だ


早い時間帯にサヨコさんが来店

彼女は56歳の人妻だが

何だかムシャクシャする事があったらしく

ウチの店で発散しようとやって来た

皮膚のたるみが気になるらしく

リフトアップの手術を受けたい様だ

巣鴨でかなり前に流行った美用グッズがある

ヘアバンド状になっているゴムのそれを

こめかみの、やや上辺りで留めて引っ張ると言う仕組みだ

若干リフトアップするが整形ではないので

ゴムをはずすと元通り

サヨコさん大爆笑

「切ったり貼ったりして痛いのイヤだからソレにしようかしら」


次に店の裏に住んでるアカネが会社の同僚となだれ込んだ

彼女はキャッチをしている時によく話し込む子だ

最近お母さんが脳梗塞で倒れて入院した

母一人子一人の家庭で、まだ20代半ばの彼女が

必死で母親の世話をしている

身内は叔父さんが居るらしいが役に立たないとか…

たまたま会社帰りに飲んでた同僚のリョウコに

「ウチの裏にオカマバーがある」と話したら

是非に行きたいとの事で駆けつけてくれた

アカネは少し酔ってたが

自分のウチからお菓子や自家製の梅酒などを持って来た

でも仕事の疲れが溜まってて眠そうだ

明日休みだと言うリョウコを残して先に帰った


その後団体が2組続き、ソロのオヤジが2組来店

ヒデミさんと2人でてんやわんやだ

それを見ていたリョウコは気を効かしてオヤジの相手をしてくれる

オミズの経験があるらしく、あしらいがとても上手い

その間に私は片方の団体を接客する

近所の店のママがお客さんを連れて来てくれたのだ

長崎出身のとても気さくなママだ

娘さんと2人でお店を切り盛りしている

この間ウチのママと遊びに行ったのでお礼に来てくれた様だ


そこへ電話が鳴った

スナックMのひろみママだ

カラオケの音で彼女の声がよく聞き取れない

「今から6人で行きたいんだけど…」

既に店内はほぼ満席で、スタッフも2人しか居ない

「何とかならない、誰か帰りそうなお客居ないの?」

ママはきっと良いお客さんを紹介してくれようとしてるのだ

なのにとても手が足らない上に席もない

事情を説明して勘弁してもらった

あ~、ホントに勿体無い

こんな不景気にお客を断わるなんて…

しかしどうしようもないのだ


時間は4時を過ぎている

団体は既に帰り、リョウコとオジサンが2人だけだ

相変わらずカラオケで盛り上がっている

上の部屋の住人が起きたのか音がする

さりげなくボリュームを下げるが

オジサンは容赦なく声を張り上げる

4時半には終了しないとまずいだろう

「そろそろフィナーレよ!」

私の号令でオジサンは素直にラストソングを選んだ

「長崎は今日も雨だった」のイントロが流れる

すかさず私がマイクを握り前説を入れる

“本日も数あるネオンの中から当店をお選びいただき

 誠にありがとう存じます

 お名残惜しゅうございますが、この曲を持ちまして

 本日の営業は終了とさせていただきます

 ラストを飾って下さるのは4番テーブルのお客様

 シゲちゃんでございます、張り切ってどうぞ~!!”

クサいアドリブだがオジサンはやけにウケている


大急ぎで後片付けを済まし電車に乗る

椅子に腰掛けられなくて、さっき買った文春や新潮も読めない

それよりも車内は中途半端に蒸し暑くて不快だ

きっと小田急に乗り換えた途端、爆睡して乗り過ごしそうだ

予感は見事に的中したわけだ…



 


















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