数日前の出勤時、新宿から乗り換えた総武線でこんな事があった
たまたま座れた3人掛けのシート
右隣には膝の上に幾つもの紙袋を置いた若い女性
マルキューで衝動買いでもして来たようだ
ケータイをいじっているので肘が私の脇腹に当たって不快だ
左隣には小太りの40歳くらいの男性
足元にはビックカメラの大きな紙袋
中からパソコンの外付けハードディスクの箱が覗いている
彼もまた携帯プレイヤーを操作しているので
肘が私の脇腹を刺激する
両方からの攻撃はまるで
後から来てそこに腰掛けた者を排除するかのような嫌がらせなのかとも思えた
でも腰掛けられた幸運を手放すのも悔しい
その日は前日の疲れが残っており
20分も吊り革に摑まっているのは辛かったのだ
阿佐ヶ谷を過ぎた辺りだったろうか
先程まで目の前に立っていた若い男の子やら
これから家族の元に帰るであろう中年のオジサン
文庫本を夢中でめくっていたお局風OLら
多くの乗客が吐き出されていった事により
車内はかなり見通しが良くなった
私も故障したi-podに代わり
昔のMDウォ-クマンで石野真子ベストかなんか聴いていた
音量はやや大き目だが耳の穴にすっぽり入るカナル型イヤフォンなので
両隣に音漏れの不快感は与えていない筈だ
目を閉じて懐かしい歌声にどっぷり浸っていると
何処からか低い唸り声のような音が聞こえてくるのだ
最初はあまり気にしていなかったのだが
徐々にその音量は私が聴いている石野真子のボーカルよりも大きくなった
しかもその声は左隣の男性が発していると気付くのに
そう時間はかからなかった
おまけに激しく身体を振動させている
それでも気付かぬフリして目を閉じていたのだが
右隣の若い女性は限界なのか席を立った
その空いた場所に他の誰も寄り付く事はなかった
薄目を開けて隣の様子を覗う
彼は明らかに何か私の知らないナンバーを歌っているようだ
木の芽時には少し早い気もするが…
彼の隣に密着している事もないので
先程まで若い女性が腰掛けていた場所へと腰をスライドする
私と彼の間には一人分のスペースが出来たが
当然そこに腰を下ろす人は居ない
駅前などで若い子たちが大声で歌っているのは特に珍しくもないが
電車内でこんな風に歌うパフォーマンスってあまり見ない
彼の歌声は既に10分以上続いている
周囲の乗客はさすがに迷惑そうな顔で
歌声の主に注意を促すような視線を送っているのだが
本人には一切そんなシグナルは届いていない
何故なら彼は手に持った携帯プレイヤーに映し出される歌詞を見ているからだ
びっくりしたのだが最近の機種は
ダウンロードした曲の歌詞までディスプレイしてくれる
確かに便利な機能だと思う
カラオケで歌いたい曲をいち早く覚えるのにも役立つだろう
しかし彼のように聴いている内につい口ずさみたくなってしまう人も多いのでは?
歌番組などで歌詞がテロップで表示されると
つい一緒になって歌ってしまうあの感覚だ
私がもしその携帯プレイヤーで懐メロを聴いていたら
恥ずかしげもなく♪春ラララ~とか口をついて出るのだろうか
たまたま座れた3人掛けのシート
右隣には膝の上に幾つもの紙袋を置いた若い女性
マルキューで衝動買いでもして来たようだ
ケータイをいじっているので肘が私の脇腹に当たって不快だ
左隣には小太りの40歳くらいの男性
足元にはビックカメラの大きな紙袋
中からパソコンの外付けハードディスクの箱が覗いている
彼もまた携帯プレイヤーを操作しているので
肘が私の脇腹を刺激する
両方からの攻撃はまるで
後から来てそこに腰掛けた者を排除するかのような嫌がらせなのかとも思えた
でも腰掛けられた幸運を手放すのも悔しい
その日は前日の疲れが残っており
20分も吊り革に摑まっているのは辛かったのだ
阿佐ヶ谷を過ぎた辺りだったろうか
先程まで目の前に立っていた若い男の子やら
これから家族の元に帰るであろう中年のオジサン
文庫本を夢中でめくっていたお局風OLら
多くの乗客が吐き出されていった事により
車内はかなり見通しが良くなった
私も故障したi-podに代わり
昔のMDウォ-クマンで石野真子ベストかなんか聴いていた
音量はやや大き目だが耳の穴にすっぽり入るカナル型イヤフォンなので
両隣に音漏れの不快感は与えていない筈だ
目を閉じて懐かしい歌声にどっぷり浸っていると
何処からか低い唸り声のような音が聞こえてくるのだ
最初はあまり気にしていなかったのだが
徐々にその音量は私が聴いている石野真子のボーカルよりも大きくなった
しかもその声は左隣の男性が発していると気付くのに
そう時間はかからなかった
おまけに激しく身体を振動させている
それでも気付かぬフリして目を閉じていたのだが
右隣の若い女性は限界なのか席を立った
その空いた場所に他の誰も寄り付く事はなかった
薄目を開けて隣の様子を覗う
彼は明らかに何か私の知らないナンバーを歌っているようだ
木の芽時には少し早い気もするが…
彼の隣に密着している事もないので
先程まで若い女性が腰掛けていた場所へと腰をスライドする
私と彼の間には一人分のスペースが出来たが
当然そこに腰を下ろす人は居ない
駅前などで若い子たちが大声で歌っているのは特に珍しくもないが
電車内でこんな風に歌うパフォーマンスってあまり見ない
彼の歌声は既に10分以上続いている
周囲の乗客はさすがに迷惑そうな顔で
歌声の主に注意を促すような視線を送っているのだが
本人には一切そんなシグナルは届いていない
何故なら彼は手に持った携帯プレイヤーに映し出される歌詞を見ているからだ
びっくりしたのだが最近の機種は
ダウンロードした曲の歌詞までディスプレイしてくれる
確かに便利な機能だと思う
カラオケで歌いたい曲をいち早く覚えるのにも役立つだろう
しかし彼のように聴いている内につい口ずさみたくなってしまう人も多いのでは?
歌番組などで歌詞がテロップで表示されると
つい一緒になって歌ってしまうあの感覚だ
私がもしその携帯プレイヤーで懐メロを聴いていたら
恥ずかしげもなく♪春ラララ~とか口をついて出るのだろうか