暇だった
一昨日とは大違い
はす向かいのPのママも店の前で涼んでいる
「ママんところも暇なの?」
「そうなのよ~、木曜日はダメね」
70を越えているとは思えない張りのある声だ
そう言えば、一週間くらい前にスナックPから
ママの怒鳴り声が聞こえてきた
「てめー!二度とウチに来るんじゃないぞ!」
彼女はよくお客さんと喧嘩をするのだが
この時はいつも以上に声に迫力がある
「あの日は凄く忙しかったのよ
そんな日に限ってエリが酔っ払って使い物にならなくて…」
エリはフィリピン人で何度もPを辞めては出戻っている
ママは彼女には特に厳しい
男の客の間で酔っ払ってベロンベロンで動かないエリに
よっぽど腹が立ったらしく鉄拳制裁を加えた
それを見た男性客が「可哀想じゃないか!」とママに食ってかかる
他のテーブルの男性客がママに加勢する
満席の店内は一気に険悪なムードに
その時、エリを庇った客がママを突き飛ばした
その途端、ママは床に転げ落ちた
「ちょっとコレ見てよ!」
ドレスの肩をずらすと青い大きなアザが…
転んだ拍子に床にぶつけたようだ
完全にブチ切れた彼女は
突き飛ばした男に啖呵を切った
男も戦闘体制だ
「殴るなら殴れ!その代わり警察呼ぶからな!!」
男を連れてきたのは常連の男性だった
「○○ちゃん、今すぐこの男とエリを連れて出てって!!!
エリもクビだ!!」
そして冒頭の怒鳴り声へと続くのだ
Pの奥から電話が鳴る
ドアが開いてエリがママに電話を引き継ぐ
クビがつながったのかしら
それにしても男勝りで負けん気が強く
警察だろうがヤクザだろうが怖いものなしだ
「ママ、お転婆もほどほどにね」
アハハハ~!と豪快に笑って店の奥に消えた
八丈島から出て来て
この土地で郷土料理店を40年も続けて来た
その店は建物の老朽化に伴い立ち退きとなったが
向かいの姉妹店Pは現在も継続して営業中だ
「私は酒を飲まないし、接客も苦手なのよ
だからスナックは向いてないの
そのうち又料理屋をやりたいわ」
70を越えてもまだまだ将来に夢を描いている
私も腰が痛いだのめまいがするだの言ってる場合じゃないわ
一昨日とは大違い
はす向かいのPのママも店の前で涼んでいる
「ママんところも暇なの?」
「そうなのよ~、木曜日はダメね」
70を越えているとは思えない張りのある声だ
そう言えば、一週間くらい前にスナックPから
ママの怒鳴り声が聞こえてきた
「てめー!二度とウチに来るんじゃないぞ!」
彼女はよくお客さんと喧嘩をするのだが
この時はいつも以上に声に迫力がある
「あの日は凄く忙しかったのよ
そんな日に限ってエリが酔っ払って使い物にならなくて…」
エリはフィリピン人で何度もPを辞めては出戻っている
ママは彼女には特に厳しい
男の客の間で酔っ払ってベロンベロンで動かないエリに
よっぽど腹が立ったらしく鉄拳制裁を加えた
それを見た男性客が「可哀想じゃないか!」とママに食ってかかる
他のテーブルの男性客がママに加勢する
満席の店内は一気に険悪なムードに
その時、エリを庇った客がママを突き飛ばした
その途端、ママは床に転げ落ちた
「ちょっとコレ見てよ!」
ドレスの肩をずらすと青い大きなアザが…
転んだ拍子に床にぶつけたようだ
完全にブチ切れた彼女は
突き飛ばした男に啖呵を切った
男も戦闘体制だ
「殴るなら殴れ!その代わり警察呼ぶからな!!」
男を連れてきたのは常連の男性だった
「○○ちゃん、今すぐこの男とエリを連れて出てって!!!
エリもクビだ!!」
そして冒頭の怒鳴り声へと続くのだ
Pの奥から電話が鳴る
ドアが開いてエリがママに電話を引き継ぐ
クビがつながったのかしら
それにしても男勝りで負けん気が強く
警察だろうがヤクザだろうが怖いものなしだ
「ママ、お転婆もほどほどにね」
アハハハ~!と豪快に笑って店の奥に消えた
八丈島から出て来て
この土地で郷土料理店を40年も続けて来た
その店は建物の老朽化に伴い立ち退きとなったが
向かいの姉妹店Pは現在も継続して営業中だ
「私は酒を飲まないし、接客も苦手なのよ
だからスナックは向いてないの
そのうち又料理屋をやりたいわ」
70を越えてもまだまだ将来に夢を描いている
私も腰が痛いだのめまいがするだの言ってる場合じゃないわ