店によって…

この間、出勤時にセブンイレブンで買い物をしたら

期間限定のスピードくじを引く事が出来た

幸運にもお茶が当たり、仕事前の慌ただしい中にも

小さな喜びをかみしめたのだった。


翌日、仕事帰りに地元の吉野家で豚丼を食べて会計を済ませたら

小さなスタンプカードをくれた

スタンプ７個で牛丼かオリジナルグッズを貰えるらしい

壁のポスターには吉牛の丼やら湯呑みの写真が…

欲しいわ

衝動的にそう思った私は翌日、やはり仕事終わりに

店の近所の吉牛へ立ち寄ったのだ

食事を終えて会計時にスタンプカードを差し出すと

スタッフは何コレ？と言った表情を浮かべた

歳を重ねると若さと共に執着心まで失うものである

私はスタッフに強い口調で

「早くスタンプ押してよ」と良い放ったのだ

フリーター歴が長そうな目の前のスタッフ君は

「聞いてないっス」

思いもかけないセリフに私は一瞬軽いめまいを覚えた

「だってコレ今オタクでキャンペーン中でしょう？」

私は店内に貼られてるであろうポスターを探した

ところが、それらしい告知は何ひとつ見つからないではないか

目の前のスタッフ君は勝ち誇った様にスタンプカードを指さした

「此処に書いてあるじゃないスか、〇○店のみって」

彼の薄い唇は明らかに目の前のオヤジを嘲笑している

「やだ～」

動揺するとオネエが出るのが私の悪い癖

彼からスタンプカードを奪い取って小走りに店を出たのは言うまでもない

そそっかしいったらありゃしない

セブンの小さな幸せの後だったから尚更ショックは大きい

それでも湯呑み欲しさに地元の吉牛に通う私なのだった

ひばりちゃん

昨夜放送の歌番組で美空ひばり特集をやっていた

ちょうどその日はお嬢の誕生日と言う事もあって

親交の深かった浅丘ルリ子がゲスト出演し

懐かしい貴重なエピソードを披露して番組に深みを出していた


ところで私が約２０年前にオカマデビューした店は

ママが熱狂的なヒバリストで

ＴＶチャンピオンの美空ひばり大会では

３位になる程の心酔ぶりだった

店の壁にはお嬢のカレンダーが貼ってあり

ショータイムでは曲の大半がひばりメロディー

また暇な時はレーザーディスクで

レアなひばりナンバーを納得行くまで練習していた


そう言う店なのでお客様の中にもひばりファンが多くて

オークションで紅白の衣装を競り落としたツワモノや

ひばり公演でバックの演奏メンバーだった人

ひばりのソックリさんで年収５０００万の女性など

多彩な顔ぶれだった


そんな環境で働いていると知らず知らずの内に

私も洗脳されてしまい

遂にはシングル曲を完全網羅したＣＤ全集まで手に入れる事に

その頃には毎年新緑の季節に放送される

ひばり特集は欠かさず見る様になった

画面の向こうでファンに笑いかける彼女に

「お嬢！」「ひばりチャンッ！」等と声援を送っていた

今年もスカパーでは生前の歌番組やドラマなども放送される


今は違う場所に店を移したあのママも

お嬢の在りし日の勇姿に心ときめかすのだろうか

結ばれぬ恋

最近よく顔を出してくれるマドカ

近所のスナックで働く１９歳だ

顔はあどけないが、スタイルが良く

磨けばモデルも夢じゃないタイプ

そんな彼女が先週の土曜日に来た時は荒れていた

「辞めるんです」

あと数日で店をあがると言う

その日は店のママや常連さん達と一緒だったが

その中にマドカが惚れてるセイジも居た

彼が当店に来るのは２回目で

最初は気付かなかったが何かの拍子に前のめりになった時

肩口のモンモンがチラリと見えた

マドカの気持ちは嬉しいが

セイジはきっと幸せにしてやれないからと

彼女が待っている言葉を口にしない

「もう会えなくなるかもしれないのに…」

マドカは切ない気持ちを酒でごまかそうと

ワインを瓶ごと口に含んだ

「よしなさい」

止めたのは一緒に来ていたママだった

セイジは空気が重苦しくならない様に

私に「アンタ何とかしなさいよ」と命じる

前回来た時もだが、オカマバーだと

わざとオネエ言葉で話す様だ

セイジ、アンタも本当は辛いのね

女といい加減に付き合うタイプではないのね

時計の針は５時に近付いている

閉店を告げると皆は遅くまで営業している他店へ

行くと言う

外はしらじら明けて来たがマドカの破れた心を

皆で繕ってあげる事が出来るだろうか

ディスプレイ交換

パソコンのディスプレイの思わぬ故障で

月末だと言うのに予定外の出費

そう、居ても立っても居られずに近所のヤマダを覗いたのだ

パソコンの買い替えも視野に入れて売り場に足を踏み入れたら

早速メーカーから派遣されたと思われる係員が近寄って来た

この店は近隣のヨドバシやソフマップなどの価格を常にチェックしているので

割引率に関しては特に申し分がない

しかし今の私にとっては目の前のＤＥＬＬの最新型を購入する勇気はない

光フレッツとかに契約すれば何万円か値引きすると書いてあるが

今の私に光ファイバーでの接続環境は特に必要がない

なのでパソコン本体ではなくディスプレイだけの購入に決める

係員はそれまでの積極的な態度から

一気にトーンダウンした声で顔も見やしない

脈なしの客と完全に見放されたのだ

ヤマダの社員ならもう少し親切だろうが仕方ない

私は選択肢の少ないディスプレイ売り場で放置プレイ

むしろ、その方がやいのやいのと催促されないだけマシだ

それにしても４機種ほどしか並んでいない

きっとディスプレイだけを購入する客は少ないのだろう

しばらく其処に置いてあったカタログなどで

スペックをチェックしながら検討した結果

ＬＧの２３インチモニターに決めた

この位のサイズなら細かな文字も見やすいだろう


アパートに戻る途中マックに立ち寄った

レジには新人らしき若いバイトの女がたどたどしく応対

その横では先輩が手取り足取りアドバイス

その先輩の方も客の事よりもレジのミスタッチがないかのみに

全精力を注ぎ過ぎていて細かい配慮に欠けていた

マニュアル通りでも待たせる客には心遣いが欲しい

数分待たされた後に他のスタッフが申し訳なさそうに

注文のバーガーセットを紙袋に入れてくれた

レジの新人は緊張のあまり声も出ない

きっと高校生だろう

ルックスは可愛いが気配りも忘れないでね


アパートに着いてマックを食べた後

ディスプレイを接続する

かなりのワイド画面なので全てが横に広がって映る

調整も済ませ早速動画サイトなどをチェック

やはり大きいので見やすい

今夜はこの調子でまた夜更かししそうだ

ヤンママの苦悩

今仕事から帰る総武線内から投稿。

ケータイからなので読み難いと思うけど

当分このパターンなので御容赦下さい。

昨夜は早い時間ヒマだったが

後半、飲ませ屋アッ君が久々に６人で来てくれて

店内は一気に華やいだ。

何たって２０代前半のキャバ壌が４人も居るのだから…

まだあどけなさが残る彼女たちは

アッ君から渡されるショットグラスを

次々と開けて行く

いつもなら私達が飲まされるのだが

この日は酒の強いお嬢たちがターゲットの様だ。

小一時間してアッ君と嬢の一人がコンビニへ行くと言って中座した。

残った嬢たちはせきを切った様にトイレへ駆け込む。

あれだけ飲めば具合悪くなって当然だ。

アッ君の部下のユウちゃんが一人残される。

トイレから中々出て来ない嬢たち。

マヤが見に行ったら３人で泣いていた。

実はその中の２人が子持ちなのである。

酒の力で日頃のストレスが一気に爆発したのかも。

同じ立場の者にしか解らないヤンママの苦悩。

未成熟で、まだ親の庇護を必要とする年頃なのに

子育てと言う荷重に戸惑いとストレスの日々。

彼女たちはオカマバーのトイレで肩を抱き合い号泣していた。

一晩寝たら、また子供たちに優しい笑顔を見せられるママに戻ってね。