おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

71歳の豪傑

2008-03-31 11:49:32 | Weblog
昨日の雨、まだ降り続いてんのね

それに、ちょっと寒いわね

サクラが散らなければ良いんだけど


私が働いているお店の隣に

この土地で40年以上も続いている

郷土料理の店があるのね

ところが4月一杯で店じまいするの

71歳で男勝りのママが

最盛期には何軒か支店も出して

この土地で知らない人は居ないくらい


私が今の店に働き始めて

オモテでキャッチしてた時に

ママが声をかけてくれたの

「あらァ、アンタ新人なの?  

       お腹空いたらウチに食べに来なさい」

それ以来、何かと良くしてもらっているわ

私もヒマな時はママの店に呼ばれて

お客さんのお相手をした事もあるわ

またママは“こまどり姉妹”や“オヨネーズ”ら

演歌歌手とも親交があるらしく

100人くらいお客を集めて

歌謡ショー付きの宴会も行っているの

毒蝮三太夫のラジオが来た時は

太鼓を叩いて大盛り上がりだったわ


「大家がココを10階建てのビルにするのよ」

「じゃあママ、立退き料をガッポリ貰ったのね」

71歳とは思えないバイタリティで

警察でもヤクザでも納得いかなきゃ食ってかかる豪傑

「ココ閉めたら、どこかで小さな店でも

            やろうかと思ってるのよ」


そう言って野良猫のミーコにエサをやる背中が

どこか淋しそうだったわ






     







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イイ店なのに…

2008-03-30 21:49:55 | Weblog
日曜が雨だとズッシリ憂鬱なのよね~

でもさ、セキュリティソフトの期限があと2日なので

仕方なく雨の中、ソフマップまで行って来たわ

その前にちょっくら腹ごしらえと

ラーメン屋に入ったわ


駅前のバス通りにあるこの店

ジャズが流れて、ちょっと気になる雰囲気

2週間前に初めて入ってみたのよ

チャーシューラーメンを頼んだら

とっても美味しかったのね

熊本風らしいいんだけど

麺は細くて

こってりのスープに

千切りにした昆布が浮かんでて

またイイ味出してるワケよ

それと丼のフチを飾る

厚切りのチャーシュー

濃い味付けがしてあって

私好みなのよ


カウンターだけの狭い店内

今日はスタッフの数が多いわ

以前来た時は居なかった

店長らしき男がスタッフ達に

いろいろアドバイスしてるのよ

下らないギャグを交えながら

あ~でもない、こ~でもないと

ウルサイったらないの

私の前に食べてた若い子達も

帰っちゃって

何だか私まで説教されてる感じ

それに前回よりも時間がかかってるし

客は私ひとりだけなのに…

携帯も文庫本も持って来てなかったから

この嫌な雰囲気から逃げるすべもなく

居眠りこいてるフリしたわよ

こんなに客に精神的負担かける店も珍しいわよね


出て来たラーメン

何だか味が濃かったわ

店長がプレッシャーかけるから

スタッフが動揺したのかしら


駅前の目抜き通り

しかも日曜の夕ご飯時

お客はまばら

カウンター7席だけの店に

スタッフは店長を含めて5人

どうよこのバランス


あの店長

自分が一番邪魔だって事に気付いてるのかしら?










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無名演歌歌手

2008-03-29 16:00:03 | Weblog
昨日は仕事の前に

あるお客様とお酒を飲んだ

場所は、地元で有名なカラオケスナックである


この店のマスターは

歌謡イベントやディナーショーなどでも

活躍するプロの司会者である

お店の方も

“歌謡スタジオ”と謳うだけあって

音響や照明にも拘っている

何よりマスターが

イントロで曲紹介してくれるので

歌う側もノリが違う


この日は無名の歌手が営業に来ていた

どこかで聞き覚えのあるメロディーだった

店で営業前にメイクしながら

ラジオを聴いているのだが

その中で、バスストップの平浩二と

DJをやっている歌手だった

元々俳優だった彼は

表情を作るのが巧い

スナックでの営業は

酔客相手なので

まともに歌など聴いて貰えない

しかし彼は

僅かに与えられた時間の中で

お客の心を掴もうと必死だった

CDが売れないこの時代

演歌のシェアはほんの数パーセントだと言う

無名の演歌歌手たちは

こうして足で稼ぐのだ

場内のお客さんに歌詞カードを配り

握手をして周る

写メにも気軽に応じてくれる

私はこう言うのに弱い

「ラジオ聴いてるわよ

      こんなイイ男だったのね~

               頑張ってね~」

と言いながら

彼のゴツイ手に福沢諭吉を握らせた

両手で私の手を包んで

お礼を言う彼


CDを一枚買って貰う事の有り難味が

直に伝わって来た


今日も又どこかで

草の根運動を続けているのだろうか












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福寿荘

2008-03-28 08:28:37 | Weblog
瀬戸内の長閑な田舎で

18年間を過ごした私にとって

殺人事件は

あまりにも衝撃的だった

翌日の朝刊に詳細が載っていた

“殺されたのはソープ嬢”

と言うのが事件を更に浮き立たせていた


夜になると物騒な事件を思い起こし

部屋に一人で居るのが怖かった

そんな時、テレビが唯一の味方だった


確か映画を見ていた時だと記憶している

突然、何者かがドアを激しく叩いたのだ

しかも何かを叫んでいる

開けるとそこには

目を血走らせ、鬼の形相の男が立って居た

「うるせえんだよ!

      いつも、いつも でけえ音立てやがって!!」

男の迫力に声も出なかった

そこへ向かいの部屋の人が出て来た

男をなだめている

だが、男の怒りは収まらない

彼の言い分としては

階下に住む私の生活音の全てが

癇に障ってたようだ

言い訳になるが

私は決して大音量でステレオをかけたり

テレビを見たりした事はない

しかし、安普請のこのアパートでは

ちょっとした物音が騒音になるようだ

しかも階上に住む男は相当に神経過敏らしい

私はキレまくる彼にひとまず詫びた


次の日、私は不動産屋を何軒か見て歩いた

ソープ嬢殺人事件

階上の神経過敏な男

最早この部屋に留まる理由はなかった


こうして入居から数ヶ月で

福寿荘を出る事になった

都会ではよくある事かもしれない

その程度でいちいち引っ越してたら

東京では暮らしていけないのかもしれない


“福寿荘”と言う名前が皮肉に思えた









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殺人事件

2008-03-27 07:30:19 | Weblog
東京で一人暮らしデビュー

大塚のアパートに決めたのは

ひょんなきっかけからだった


アパートを探しに上京する際

飛行機の中で隣り合わせた見知らぬオバサンが

声をかけてきた

彼女の子供も去年、進学の為に上京したそうだ

私が一人で不動産屋を訪ねると聞いて

何かとアドバイスしてくれたのだ

学校から遠くない場所で

学生が住みやすい場所

何箇所か挙げた中に

大塚があった


当時の私は映画が大好きで

関東限定だった「ぴあ」を取り寄せて

東京の映画館マップを眺めていた

どうせ住むなら名画座のある所が好ましかった

オバサンも推薦してくれた場所だから

安心感もあった


駅前の古い不動産屋に入り

紹介して貰ったのが「福寿荘」だった

かなり古い建物だったが

当時の学生にとっては分相応の物件だった

今から思えば、同じ家賃でもっと良い部屋が

他にあったかもしれないが

面倒臭がりの私は

そこに決めてしまったのだ

日当たりは悪く

昼間でも電気をつける部屋だった


ある日の夕方、パチンコで負けて

部屋でフテ寝してると

誰かがドアをノックした

開けるとそこには警官が立って居た

すぐそこの路地で殺人事件が起きたと言う

犯人がまだ見つかっておらず

目撃情報を集めているとの事

背筋がゾッとした


アパートの目と鼻の先で

人が殺されたと言う恐怖

もしかしたら犯人が、まだこの辺りに

潜伏しているかもしれないのだ


その夜は一睡も出来なかった



















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