ミツコナイト

昨日の続き…

ダイナマイトみつ子を吉祥寺に迎えに行って

着流しのオネエも引き連れて店に戻った


扉を開けると奥の席に懐かしい顔が

ゲイバーずれしている口の達者なＲ子ちゃんだ

ウチの店に遊びに来るのは久々だ

彼女は以前、吉祥寺の店を任されていた

経営者がワンマン過ぎて、当時は店での鬱憤をウチで発散しまくってた

現在は夜の仕事から足を洗ってパートで頑張っている

何とミッちゃんの連れの着流しが彼女と古い知り合いのようだ

「あら～、○○ちゃんじゃないの！久しぶりッ！！」

お互い懐かしい顔に出会い嬉しそうだ

しかしミッちゃんとＲ子ちゃんは絶対に相性が会わない

隣にセッティングするのは危険だ

「ほらほらオネエさん、今日はミッちゃんとツーショットでしょ

　彼女を放たらかしにするとおかんむりよ」

意気投合しているＲ子ちゃんと着流しを

やんわり引き離し、離れたテーブルに付かせる


そこへ今度は賑やかな一団が登場だ

マエダちゃんがフィリピーナを３人も引き連れて来たのだ

とても陽気で元気な彼女たちは

一気に店の雰囲気を明るくしてくれる

それを見て刺激されたのか

ミッちゃんが彼女たちを歓迎するかの様に

腰をくねらせながら踊りだした

フィリピーナ達も大喜びだ

「ママさん、セクシーねェ」

調子に乗ったミッちゃんは

オレンジのジャケットを脱いで更にヒートアップ

マエダちゃんがチップをはさむ

ミッちゃんに同行の着流しは呆れている

そしてフィリピーナ達とミッちゃんの異常なテンションに

さきほどまで元気だったＲ子ちゃんも

すっかり出鼻をくじかれた感じで出る幕無しだ

いつもなら彼女もオカマに負けない賑やかさなのに

今日はさすがに主役を奪われた様だ

Ｒ子ちゃんは顔の前に指でバッテンを作った

「会計して頂戴」って意味だ

久々に来てくれたのに残念


さて此処からが本番だった

フィリピーナのカラオケに併せて

私も踊る羽目になったのだ

急いで全身タイツに着替えてミッちゃんに合流

麦ふみの様なダンスだが仕方ない

盛り上がるフィリピーナ

笑いが止まらないマエダちゃん

そう言えば店の２階に新しい住人が引っ越して来たはずだ

オカマバーのすぐ上の部屋なので

中々借り手が居なかった

夜通し大騒ぎのオカマバーの真上で安眠など出来るはずがない

明日あたりクレームが来そうだ


さて狂乱の宴は閉店まで続き

私も汗ビッショリ

全身タイツはさすがに暑いので

ポリネシアンショーみたいな格好に着替えた

コントの出落ちの様だがフィリピーナには大ウケだ

ミッちゃんも踊り疲れて休憩している

時計は４時を回っている

今日はもうお開きよ

フィリピーナたちは「今度また来るネ」と言って

マエダちゃんと一緒に帰った

着流しのオネエも一足先に吉祥寺に戻った

残るはミッちゃんだ

さすがに疲れたようでタクシーに大人しく乗った

彼女が鞄を置き忘れないように運転手さんにもお願いした

ミッちゃん、この後ほとんど寝ずに仕事だけど

大丈夫なのかしら…