おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

歌声ゲイバー

2011-09-29 14:59:22 | Weblog
昨夜は10時過ぎにユリ子ちゃんカップルが一番乗り

「今日は私のダーリンを連れて来たわ~」

いつもはお友達のマキちゃんとお見えになるのだが

珍しくこの夜は殿方同伴だった

秋の夜長をオカマバーで盛り上がろうって

彼氏の手を引いてやって来てくれた


ダーリンはその昔アマチュアバンドを組んでいて

ドラムを担当していたそうだ

そのせいか歌がとっても上手で

いきなり「また逢う日まで」を熱唱

他に誰も居ない店内に

ダーリンのダイナミックなボーカルが響き渡った

声を張り上げても耳障りにならない

とても聞きやすい声質なのだ

私もヒデミもうっとりと聞き惚れていた

気を良くしたダーリンは次々と曲をチョイス

懐かしの洋楽からフォークやニューミュージックまで

気が付けば彼のリサイタルになっていた

「いつもこうなのよ

 行きつけのスナックでも乗ると延々歌い続けて

 止まらないわけ」

会話をしたのは最初の15分くらいで

あとはずっとダーリンの歌声を皆で聴いていた

私の場合、カラオケは話が途切れた時の端休めくらいに思っているので

2時間も3時間も同じお客さんのカラオケを聴いていると

眠くなってしまうのだ

しかもダーリンの歌声は耳に心地良くて子守唄には最適だ

てか他にお客さんが来ないのも寂しいけど…


「ごめん、もうちょっとマイクのボリューム上げてくれる」

店内は彼のオンステージだ

階上の住人たちになるべく配慮しながら

ほんのちょっとだけボリュームとエコーを上げた

ビリー・ジョエル、エルトン・ジョンと続いた所で

ドアが開いた

近所の店のママさんだ

このママさんは人の店が賑やかだと覗く癖がある

入りもしないのにドアだけ開けるのだ

カラオケで盛り上がっているので

さぞかし忙しいのかと思ったら

店内は閑散としている

「あら大した事ないじゃない」

そのまま帰って行った

何て常識のない人なのかしらとユリ子ちゃん達も呆れている

「ダーリンの歌声に吸い寄せられたんじゃないの?」


数十分後、ほんとに彼のボーカルに吸い寄せられてやって来たのが

アニメーターのYちゃんだった

相変わらず酔っ払っていて

ワケのわからない事を口走っているが

ダーリンの歌に合わせて一緒にガナっている

余計な事を言わない様にヒデミがフォローしている


Yちゃんの後には飲ませ屋のアッ君登場

最近病んでいる義妹のアイカを連れている

立川のキャバで苛めに遭っているそうだ

人一倍飲んで売り上げを伸ばしているのに

同僚のキャストたちは彼女に冷たく当たるらしく

ボーイたちも味方にはなってくれず

ストレスは溜まる一方らしい

店長はあまり店に現れないので

彼女を理解する人は誰も居ない

孤独なナンバー1なのだ

でもお客さんは解っている

よく見ていると思う

「だからめげずにファイトよ」と励ました


ユリ子とダーリンたちのカラオケがやっとストップした

時計を見ると4時だ

アニメーターのYちゃんは一足先に帰っていた

飲ませ屋アッ君も「そろそろ終わりだろ」と言って

会計を済ませた

アイカは酔っ払っているが

「世の中不景気で大変だけど

 お互い何とか生き残って行きましょ」と

私は自分にも言い聞かせながら彼女の後姿に手を振った

それにしてもこの日のカラオケ代

結構良い数字を上げている

ダーリン、また暇な時に素敵な喉を披露しに来て~!
















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向かいの店では

2011-09-28 14:40:47 | Weblog
朝夕めっきり涼しくなってきた

外出時は一枚余分に上着などを用意していないと

帰る頃には風邪を引きそうになる事も…

先週まではまだ残暑の名残があったのに

こんなに急激に肌寒くなるとは…


シルバーウイークの後はやはり店は暇である

昨夜は向かいのスナックも看板が消えていた

「どうせ暇だろうから休むわ」

灯りの消えた赤い看板を見つめていたら

ママさんの声が聞こえてくる様だった

週末は30代の可愛らしい女性が手伝いに来るので

お客さんの入りも良いが

平日はママさん1人なので

ノーゲストの店内に居ると寂しいらしく

いつもキャッチしている私たちに何かと話しかけてくるのだ


「10月からはチーフが入るのよ」

前から聞いていたが

吉祥寺で長らくお店を経営していた初老の男性が

契約更新を諦めて店を閉める事になった

でもまだまだ体力も気力もあるその男性を

隠居させるのは勿体無いとママさんが

自身の店を手伝わないかとスカウトしたのだった

チーフが入れば遅くに来店のお客様も増えるだろうと

延長営業も実施の予定だと言う

「ただアタシの体力がもつかしら…

 チーフを置いて先に帰るのも気がひけるしねェ」

ところでそのチーフなのだが

ややオネエ系らしい

どちらかと言うとママさんは、サバサバして男っぽい性格なので

ちょうど良いバランスになりそうだ

「カウンターの中もチーフが働きやすい様に

 余分なものは退けたわ」

受け入れ態勢は万全だ

これまでみたいに気まぐれでお店を臨時休業したり

「どうせ暇だろうから今日は早上がりよ」

なんて事もなくなるだろう

週末の女性と言い、マスターと言い

新しいスタッフとリニューアルしたお店で

心機一転巻き返しを図るママさんなのであった











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Tちゃんの話

2011-09-26 13:01:25 | Weblog
先週は連休と台風で実働3日間だった

休みボケで仕事に支障をきたさなければ良いけれど…

先週、近隣の店のSママがアフターでお客さんとご来店

従業員の女の子も一緒だったが

昼間の仕事の都合で先に帰った

「最近調子が悪いのでお医者さんに見て貰ったら

 更年期障害だって言うの」

ママさんは40代前半と思われるが

「あらママ、随分早いじゃない
 
 私はとっくに更年期だけどさ…」

そんな話をしていると連れの男性が口を挟んだ

「だから情緒不安定になって

 些細なことを気にするんだよ」

聞くと近所のお店のTちゃんが最近よく来るらしい

癒し系の美人Tちゃんは最近店を辞めて

次は自分の店を持つ為に物件を探しているとの事

彼女が在籍していたのは

以前、Sママも働いていたお店だ

「Tちゃんと一緒にKちゃんも辞めたのよ」

Kちゃんは見栄えはイマイチだが

枕営業のうわさもある口八丁身体八丁のやり手だ

「まさか2人で共同経営するのかしら?」


Sママは3月の地震以降経営が大変な事を嘆いていたが

それを知ってかTちゃんが店の後釜を狙っているのでは?と疑っているのだ

「あの子ならこの町じゃなくても

 都心で十分やって行けるのに

 何で此処に拘るのかしら?」

Tちゃんとて決して若くはない

どうせなら馴染み客の多いこの町で勝負を賭けた方が有利だ

在籍した店と同じビル内なら

お客様の送り出しなどでチャンスも多い

「あら~○○さん、お久し振りです~」

「Tちゃんじゃないか、○○辞めたんだって?

 今何処に居るの?」

「すぐ地下のお店なの、ちょっと寄ってって~」

こんな具合で連絡出来なかったかつてのお客様の捕獲も出来る


でもTちゃんとKちゃんの共同経営では上手く行かないだろう

彼女たちが在籍していたお店には

よく速水パパに連れて行って貰ってたが

2人の事は私もよく知っているのだ

周囲からの噂も総合すると

彼女たちはお店を持つと言うよりも

キャストとして光るタイプだと思われる

まして2人とも下の子を育てられるタイプではないのだ

Tちゃんが後釜を狙っていると思い過ごしのSママに

「ママ、大丈夫よ

 あの2人がやって行けるわけがないわよ

 共同経営じゃなくてスポンサーがついても

 Tちゃんじゃ多分すぐに潰れるわよ

 世の中そんなに甘くないわよ」

実際にママのお店の界隈も随分と客離れが続いている

高級店がひしめき合ったビルの各店舗は

生き残りをかけて熾烈な戦いが続いている


それにしてもTちゃんがお店を?

最後にSママの店に連れて行って貰った時に

たまたまTちゃんが中年男性と遊びに来ていたが

少し老けた印象だった

パパは以前彼女に入れ込んでいた時期があるのだ

しかしある事があって完全に熱がさめた

その話を聞いて私も驚いたが

とにかく心臓に毛が生えているのは確かだ

女ってホント恐ろしいわネエ~












 
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オネエ丸出しなの

2011-09-25 16:46:14 | Weblog
土曜日の営業は日曜朝の7時近くまで延長だった

早い時間があまりにも暇だったので

その分を少しでも取り戻すべく頑張ったのだ

ボーイのトシは定時の4時で上がった

以前彼が勤めていたお店の先輩がフィナーレだと言うので

応援に駆けつけるためだ

先輩は独立して新店をオープンさせるらしい

当店にも何度か遊びに来たが

未だにトシを手元に置きたいらしい

本人にその気はない様だが

お世話になった恩返しの意味もあってか

今後も時おり手伝いに行かなくてはならないだろう


後始末を終えて帰宅の徒につく

中央線から小田急に乗り換える時に

これまでだったら迷わずロマンスカーを選ぶのだが

ここの所、思わず目を奪われる車両が日曜の朝に走るのだ

通称「ドラえもん電車」

沿線に原作者のミュージアムがオープンするのに合わせて

カラフルなラッピング車両を走らせているのだ

しかし都の条例に違反している事が判り

9月一杯で運行を終了するらしい

「ドラえもん電車」は一編成しかないので

どうしても乗りたい場合は小田急に問い合わせて

何処の駅に何時に停車するのか調べておく必要がある

ただ私がこれまで何度か目にしたのは日曜の朝

新宿始発の便である

イイ歳こいて遊園地のお猿の電車にでも乗る様な高揚感に

自分でも驚くのだが

大人でもあの車体を見ると子供に帰ると思う

実際、写メ撮ってる人多いし…


地元の駅に着いたら9時になっていた

お腹が空いていたのでオリジン弁当に立ち寄った

ここ2~3日とても涼しい

駅から自宅までの15分も苦にならない気候になった

店内に入ると派手目の30歳くらいの男性が2人

弁当を注文していたのだが微妙にクネっている

言葉遣いもオネエ丸出しでしかも妙にテンションが高い

料理研究科のマロンそっくりの細身の方が特にはしゃいでいる

私はなるべく彼らの言動に無関心を装いながら

量り売りのお惣菜を容器によそった

「ちょっとォ~、このレバー超美味しいわよ!」

「やだ、そんなに食べんのォ?デブまっしぐらよォ~」

他人の事などオカマいなしに背中越しに飛び交う2人の掛け合い

店のスタッフも何事もない様に応対しているが

きっと彼らが帰った後に

「今の2人オカマよ~、朝からうるさいわね~」とか言っていそう

「あら、もう1人オジサンが居たけどアレも仲間かしら…」

そう言えばこの店があるのは「○野2丁目」だったわ~






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台風の爪あと

2011-09-23 22:16:25 | Weblog
台風15号、我が家に残した傷跡はまだあった

前回は強風で網戸が外れ

飛ばされそうになった事はお伝えしたが

他にもまだあったのだ

ベランダの取り付けた2つのパラボラアンテナ

BSとCS受信用だが

どうもBSの方が風でズレた様なのだ

画面には「受信できません」との文字が…

単に受信角度がズレただけなら簡単に直せるが

それ以外の故障だったらどうしよう


アンテナとは別に窓ガラスにも20センチほどのヒビが入っていたのだ

いつもは開閉しないカーテンに隠れて見えなかった側のガラスだ

中に針金の入った防弾仕様だが

何かが飛んで来て当たったのだろうか

それとも…

風が強かった時間帯は確かに窓ガラスがガタガタ音を立てて揺れていた

このアパートでこれまでにも台風は経験しているが

あんなに揺れたのは初めてだった


さっき大家が私の部屋にやって来て

10月中に壁の塗り替えをするので

ベランダのパラボラアンテナを一時的に取り外す様に言われた

2週間ほどかかるらしく

スカパーは見逃しても再放送があるので何とかなるが

BSの場合は見逃すといつ再放送されるか分からないので

ちょっと不安だ

この時期は番組改変期で興味深いプログラムが目白押しだ

BSも何かやらかしてくれそうで

工事期間中にバッティングしない事を祈っている


大家さんが来た時に

ついでにトイレのタンクや風呂場の換気扇の故障も言うべきだった

窓ガラスのヒビに付いては

「不可抗力と言う事で…」と弁償する事は免れた

てか、「じゃあ早速業者を呼びます」なんていわれた日にゃ

私の部屋の中に人を入れる事になる

それだけは避けたいのだ

何たってこの部屋はごみ屋敷と化していて

足の踏み場もないくらいに散らかっている

ガス会社が点検のために何度も電話を寄越した時も

すっとぼけて延ばし延ばしにした

キッチンもかなりの惨状でガス屋を上げるなんてもっての外

しかも渋々キッチンに通した係員は若いイケメンだったのだ

ホント顔から火が出るほど恥ずかしかったのだ


「生活するには全く支障がないので…」とか何とか言って

大家には誤魔化したが

また大きな台風が来た時の事を考えたら…

ま、その時はその時

先の事を考えて暗くなるのはやめよう

せっかく秋分の日で店が休みなのだから

ネットで夜更かし夜更かし…










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