月曜日

よく寝た

月曜日は毎度の事である

窓から入って来る秋風が夜は寒いくらい

明日から１０月

ボヤボヤしてたら、あっと言う間に年の瀬

やがて新しい年がやって来る

来年で私の大殺界も終わりだ

信じない人には丸でピンと来ないかもしれないが

去年、今年と私自身あまり良くない事が続いている

来年は果たして何が待ち受けているのだろうか

身体の事、仕事の事ほか懸念材料はイロイロあるので

楽観的では居られないのだ

とにかくこれ以上酷い状況にならない様に祈るばかり


そうそう出勤時に立ち寄った地元の東秀

珍しく客入りが良い

マニュアル通りの感じの良い女子スタッフが注文を取りに来た

鶏肉の甘醤炒め定食と餃子を頼んだ

料理は５分くらいで運ばれて来たが餃子がまだだ

しかし運んで来た男性スタッフは水のおかわりに気配りしてくれたが

「餃子はもう少しお待ち下さい」のひと事がなかった

しかも伝票を置いて行ったのだ

厨房では餃子焼き器の蓋が開けられ良い音がしている

料理は半分食べ終えていたが餃子が来るのを待って箸を休める

先程の女子スタッフが餃子を運んで来た

と思いきや他のテーブルだった

しかも私より後から来たオジサンだ

まさかと思い裏返しの伝票を見てみると

やっぱり

餃子を忘れているのだ

あの女子スタッフは復唱したにもかかわらず

まあ良いんだけど

軽く舌打ちしたくなったのは大人げないかしら

土曜日について

涼しい上に秋の虫たちの大合唱を子守唄に寝てたら

体内時計さえも狂ってしまったらしい

今日は目覚めたら窓の向こうは既に闇

慌てて飛び起き出勤支度を始める

部屋を出た時には１９時を１５分も過ぎでいた

土曜日はバスの本数が少ないのだ

しかしすっかり秋めいた事で最寄りの鉄道駅までの１５分を歩く事は可能だ

暑い時期にはその１５分を歩くと駅に着いた時には汗だくになっていた

仕事を前にそれは避けたいのでバス利用は必至だった

迷う事なくバス停とは違う裏通りを駅に向かって歩き出す私

日が短くなって来ている

夜道を街灯が照らす


昨夜は金曜日らしい賑わいを見せた

今夜は長らく休んでいたハルナが復帰

土曜日はここ数週間、３人で営業していた

それで何とか回せるのだ

金曜日と違い暇な事もあるので人を増やすのは賭けでもある

キャッチの上手なハルナの復帰で男性客を集客できる事を祈りたい

駅に急ぎながら今夜の営業について思案する私なのだった

ヒデミが

逸れた台風の影響で風が強い

それによって屋外での体感温度はぐっと下がる

道行く人の多くが長袖か一枚余分に羽織っている

私はまだ半袖で十分だ

しかし明日の朝は更に寒いとか

店に置いてある薄手のジャンパーを着て帰る事になりそうだ


昨夜は口開けのお客様を待つ間にボトル棚を整理したり

カウンター内の仕事に追われていた

そこへキンちゃんが飲み友のＹさんを連れて来店

更に４月に酔ったあげくに悪態をついて辞めたヒデミも一緒だった

一緒に食事をして来たらしい

彼女を贔屓にしていたお客様の何人かが辞めた後に連絡したが

人の心配をよそに気まぐれに出たり出なかったり

気分屋なので昔からそう言う所は変わってない

それでもこうしてイロイロと手を差し延べてくれる人に恵まれている事を

つくづく有り難く思ってはいるだろう

ヒデミが慕っているキンちゃんは

金銭面でも手助けした様だ

なのでヒデミは以前と全く変わらず元気そうだった

今度キンちゃん主催の屋形船飲み会にも参加するらしい

辞めた人にあれこれ言う筋合いではないが

今度こそ身体を治して深酒を慎む様にして欲しいと思う

ハルナいつ復帰

長らく休みを取っていたハルナが今夜から復帰するとのメールが届いていた

中国籍の彼女はお盆前に帰国して

９月の上旬には戻って来るはずだったが

肉親の体調不良とかで９月いっぱい休むと連絡があった

お盆明けは何度も嘆いたが店は急激に暇になるのだ

なのでシフトをイロイロと思案していた私としては

ハルナの長期休暇はそれほど痛手とはならなかったので

マヤの出勤する火曜日とキャストの多い週末以外は私とボーイで営業していた

ところが９月に入り２週目に突入したあたりから

２人営業の日にキャストの多い金曜日並の忙しい日があり

ハルナの復帰を待ち望んでいたのだ


そして今日の夕方、メールが届いた

差出人はハルナ

体調がすぐれず明日からの出勤にして欲しいとの事

もしかしたら天候も悪いし暇だろうからと気を遣ったのだろうか

確かに雨の日はお客様の足は遠退く

おまけに夜半から風も出て来るらしいから尚更だ

取り敢えず今夜はボーイと２人で営業するが

明日は出勤してよね

警鐘

時間を読み間違えて出掛けに大慌て

焦る気持ちを落ち着かせてバス停に走る

いつもなら待たされる所だが、今日だけは私の味方になってくれた

涼しくなったので車内のエアコンなど期待もしてなかった

シャワーを浴びた後、慌てて部屋を出て走ったのだ

首筋にうっすらと汗をかいている

バスの中でうちわは恥ずかしいなと思いながら乗り込むと

程よくクーラーが効いているのだ

お誂え向きではないか

しかもバスは渋滞する事もなくスムーズに駅前に到着した

しかし定期が切れてるので券売機で乗車券を買わなくてはならない

北口にはたった４台の券売機しかない

案の定列が出来ている

定期を作っている女性が居てモタついている

隣の列が運よく空いたので移動

ここでも時短で切符をゲット

何だか良い事でも起きる前兆なのかしら

ホームに上って電車を待っていると

私の斜め前に立っていた若い女性が

鞄からリップクリームを取り出して唇に塗っている

もう、そう言う季節なのよね…と思っていたら

彼女の指からリップクリームが線路に落ちてしまったのだ

どうするのかと思ったら近くの駅員に何かを言っている

落としたリップクリームを取って貰う様にお願いしたのだろうか

私の乗る電車が到着して窓から彼女の様子を見ていたら

電車は動き出してしまった

あの光景は今日これまでの小さなラッキーに浮かれちゃいかんと

警鐘を促しているのかも

気を引き締めた私なのだった