露出男

木の芽時は過ぎたというのに

最近やたらと露出系のニュースを聞く


先日もＪＲの電車内で

下半身を露出していた３０代の男性が

向かいに腰掛けていた女性から

注意されて逆切れ

勇敢な女性は男を駅員に引き渡そうと

ホームに連れ出した際に

反対側の線路に突き落とされたと言うのだ

女性は背中から落ちて重症

男はそのまま逃走したそうだ


女性が落ちた線路に電車が来なかったのが

不幸中の幸いだが

その女性、何と２５歳らしい

目の前で男がモノを出してたら

この年頃の女性は気持ち悪がって

席を移動するか眠ったフリで

やり過ごす事が多いのではないだろうか


ウチの店に遊びに来るムツミも２５歳だ

彼女は空いてる電車内で隣に腰掛けた男に

痴漢行為をされたそうだ

ぴったり身体をくっ付けて来て

腕組みした右手でバストの辺りを

触られたらしい

ムツミは声も出せずに固まっていた所

向かいに腰掛けていた３０歳くらいの女性が

その痴漢に注意してくれたのだ


「もし注意してくれる女性が居なかったら？」

「う～ん、怖くて動けなかったかもしれない」

「って事はずっと触られっぱなし？」

「かもね…」


そりゃ怖いだろうと思う



露出した上に、注意した女性を線路に突き落とした男は

まだ捕まっていないらしいが

被害者の女性はホントにお気の毒である



















　

寿退店

久々に速水のパパから電話があった

電車内だったので鞄の中で

バイブが知らせるが出られない

店に着いてからコールする

贔屓の店で飲んでるから来いとのお誘い

大急ぎでメイクを終え

タクシーに飛び乗る


人間ドックで検査してもらったそうだ

どこも悪くなかったらしく

一ヶ月ぶりに飲むとの事


そう言えばパパが可愛がってたＭちゃんが

寿退店する

お店で見つけた彼とゴールイン


Ｍちゃんは昼はコンパニオン

夜はクラブで働いている

実家は鹿児島で

要介護のお祖母ちゃんの世話の為

度々帰っている

Ｍちゃんに母親は居ないらしく

父親がお祖母さんと同居なのだが

細かい事は近所に住むおばさんが見てくれる

おばさんも旦那さんが病気で

付きっ切りという訳にもいかない

もう少し父親がしっかり見てくれれば

私もラクになれるんだけど…

と、いつもこぼしている


嫁ぎ先は勿論東京なので

実家にもこれまでみたいに頻繁には帰れない

そうなれば父親がもっとしっかりするのでは

との期待もかかっている


ところでＭちゃんが働いてた店のママは

彼女が辞める事を口止めしていたらしい

速水のパパはその店とは長い付き合いなのに

水臭いとおかんむりだった

寿退店なら最後のご奉公じゃないけど

それを理由にお客様を呼べるのに…


私も以前勤めていた店では

事前に辞める事が決まってる場合

お客様には内緒にしてなさいとママに命じられた

それでも最後の日だけは

ご贔屓にしてもらった方達に来ていただいた


Ｍちゃんは、先輩のマイコ姐さんが

速水のパパに知らせなければ

知らない内に辞めていたって事になる

今月は忙しくて飲みに行けないと言っていたパパも

時間を作って駆け付けたのだ


しっかり者のＭちゃんだから

旦那さんは尻にしかれるかもしれない

マイコ姐さんが

「女は男を立てなければダメよ

　　　　　　　　男の上を行っちゃダメ　　　　

　　　　　　　　　　　　　私もそれで失敗したんだから…」


私とＭちゃんは大きく頷いたのだった

箸がない

よく立ち寄るコンビ二

昨日も出勤時に弁当を求めて

駆け込んだ

ジュースやお茶などと一緒にレジへ…

今日はやけにスタッフの数が多い

強化週間なのだろうか


会計は６８０円

その時レジを打つ女性が

「あと２０円でスピードくじが引けますよ」

この店ではハズレが出た事がない

多分当たりクジだけを入れて

お客へサービスしてるのだろう

景品はジュースだったりアイスだったり

２００円前後の商品が多いが

それでも当たると嬉しいものだ

あと２０円だからレジ横の

大福とかチロルチョコでクリアするが

私はサラダとドレッシングを追加

ロマンスカーの中でゆっくり食べるつもりだ


箱の中に手を入れてクジを引く

出て来たのは何とハズレだった

クジを勧めた女性も声を曇らせる

「こちらは応募券になります」

枚数に応じてｉ－ｐｏｄやデジカメなどが当たるらしい

私は昔から懸賞とか当たった試しがなく

この応募券も捨ててしまうだろう


まあ仕方ない

くじなんてそんなもんだと言い聞かせ

ロマンスカーに乗る

早速弁当を食べようと袋から出したら

何と箸が入ってないのだ

そんなバカな！

レジの女性に間違いなく箸を所望したはずだ

こんな時の為にカバンに予備の箸をしのばせるほど

用意周到ではない


クジにはハズレ、弁当には箸がない

今日一日ついてないって事だろうか

でも私はメゲない

弁当のフタの端を手でちぎり

箸の代わりにしたのだ

ちょっと掴みにくいが

この際贅沢は言ってられない

幸いにも車内は空いていて

誰も見ちゃ居ない

サラダも何とか食べられた


それにしてもあのレジの女性

くじを勧める前に箸を忘れるんじゃないわよッ！

仕事を終えてから

私達の仕事が終わるのは早朝

空きっ腹を抱えて

駆け込む先は限られる

立ち食いそば屋、ファミレス

マック、なか卯くらいしかない

松屋、吉牛もあるが駅の反対側だ

後はコンビニやオリジンの弁当で済ます

自宅に帰って何かを作る事は滅多にない


今朝は、なか卯でカツカレーを食べた

意外と美味しい

食べ終わった頃に

私好みのサラリーマンが入って来た

３０前くらいだろうか

朝ご飯を何にしようか迷っている

他に客も居ないから

彼の表情を凝視してしまった


そう言えば、この店がオープンして

すぐそばの大戸屋が閉店に追い込まれた

大戸屋もオープンした時は

至近のジョナサンを閉店に追いやった

“因果は巡る”ってのは言い過ぎだろうか


大戸屋の場合は、なか卯の前に

日高屋もオープンして

ダブルパンチだったのだろう

大戸屋が出来た当初は

私もよく通った

場所柄、若いグループや

カップルが多くて

食べ終わってもモタモタしてる

店員は温かいお茶を持って来て

早く帰れと促すが

知っちゃ居ない

ピーク時にこんな客ばかりだと

堪ったもんじゃない


大戸屋の後は何になるのだろう

吉牛とかなら嬉しいが…

スッキリ

１０年ぶりに髪の毛をショートにした

行きつけの美容室では

担当のお姐さんが

「何かあったんですか？」

みたいなニュアンスで

根掘り葉掘り聞いてくる

私はどちらかと言うと

頭をいじってもらってる間は

話しかけられたくないタイプなので

居眠りするフリしていた

心の中では

「オカマだから色々あんのよ！

　　　　　　　　　　わかんでしょっ！！！」

って叫んでいた


後から来たオバサン（客）が

「男の人も来るのね～」って感心していた

この店は中高年のオバサンが多い

鏡越しに容赦なくガン見された

担当のお姐さんは

「最近は美容室に来られる男性多いんですよ～」

とフォローしているが

そのオバサンは

私みたいな中年のオッサンは

床屋で十分でしょう

みたいな視線をずっと投げかけているのだ


カラーも終わり

仕上がりを鏡でチェックする

オバサンっぽくなった

まあ仕方ない

どうせヅラ被るんだから

普段はコレで十分だ

当分帽子ともオサラバだ


スッキリした気分でお会計をしてると

さっきのオバサンが目に入った

女性週刊誌の「男の女性化どこまで許せる？」

って記事を食い入るように見ていた