おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

イケメンのアノ話

2011-08-30 15:46:29 | Weblog
台風が近付いて来ている

明日辺りからお天気が崩れて営業にも大打撃になりそう

それでなくても厳しい状況なのに…

台風の影響をモロに受けそうな場合は

早々とママから「お店を休みましょう」と

連絡があるだろうけど

どちらにしても今からとっても憂鬱である


昨夜、近所のママさんがお連れになったイケメン

若い頃の岩城滉一を甘くした様な顔立ちで

つい見とれてしまったのだ

とても40代には見えない若々しさ

顎のラインもシャープで弛みひとつない

そんな美形の彼だがとても饒舌なのだ

しかも関西弁

黙っていればモデルか俳優に間違われるほどのルックスなのに

ひとたび喋りだすとノリノリのお笑い系

しかも話の引き出しがとても豊富だった

聞けば大阪に居た頃に

ミナミの飲み屋でボーイをやってたらしい

なるほどトークが立つのも頷ける


オカマとの交流もあったそうで

誰でも知ってる有名な歌手の甥っ子が

某所でゲイバーをやっていた時に

彼も遊びに行ったらしい

店内に入ってビックリしたそうだ

今は亡き有名プロレスラーや

当時大人気のジャニーズアイドルが

普通にくつろいでたと言う

おそらく会員制の店だったのだろう

有名人たちも誰の目を気にする事もなく

思い思いに自由を謳歌していたらしい


更には若い時のエピソードが傑作だった

銭湯に行った時についでに下着を洗濯していたら

奥に居た角刈りでコワモテのオニイさんが近付いて来た

てっきり注意されるのかと思ったら

「今時銭湯でパンツ洗うなんて珍しいな」

貧しい苦学生に見えたのだろう

実際かなり困窮していたらしいけど…

それでコワモテのオニイは

「後で一緒に飯でも食いに行こうか」と誘ってくれたらしい

銭湯から出てそのオニイに着いて行くと

何処かのマンションに辿り着いた

1階がレストランになっている

きっと此処でご馳走してくれるのかと思ってたら

脇の入り口からエレベーターで上階に行くではないか

2階から上に店がある雰囲気もない

「何処へ行くんですか」と不安になっていたら

「大丈夫、アタシが美味しいもんこさえてあげるから…」

さっきまでの高倉健が一気におすぎに変貌した

身をくねらせて挙句には

「アタシのことラブって呼んで」とウインク

ぞっとした彼はエレベーターのドアが開いた途端

一目散に逃げたそうだ

イケメンならではのエピソードかもしれない


楽しい話で時間はあっと言う間に過ぎて行った

時計の針は3時半

私たちはまだまだ彼の話を聞いていたかったが

そう言うわけにもいかない

ママさんと彼の後姿を見送りながら

またいつか遊びに来てくれる事を祈った

それにしても、そのラブって人

今でも銭湯で貧しそうな若いイケメンを探しているのだろうか



 













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韓国料理店で

2011-08-29 13:33:47 | Weblog
昨日は夕方から店の近所にある

韓国家庭料理店3周年のお祝いに駆けつけた

4時スタートだったが自宅が遠い私は

6時頃に行くと伝えておいた

お店のドアを開けると入り口付近までお客さんでビッシリ

4~50人は入って居るだろうか

このお店のママとマスター

他に何人かのお客さんとは顔見知りだったが

殆どの方が始めてお会いするので

こちらもやや緊張していた

奥のカウンター席に通され

隣に見知った顔のRちゃんが居る事で一安心

彼女は土曜日にDちゃんと遊びに来て下さった

そのDちゃんはコスプレをさせられている

どうやらマスコットキャラを任された様だ


みんなのテンションに付いて行く様に

私も黒マッコリをいただく

最近お肌の調子が少し良くなったので

お店でもお酒を飲める様になったのだ

料理もとっても美味しい

ここの常連さんがお祝いに合わせて持ち寄った

思い思いのおつまみも振舞われる

私の大好物のお赤飯も出た

隣のRちゃんは、その隣のイケメンと席を替わって

私とお話しする様にと気遣ってくれる


目元が愛らしい30歳の彼はお医者さんだと言う

しかも美容外科医との事で

オカマと整形は切っても切れない中

話は大いに盛り上がったのだ

誰でも知っている某有名アーティストの鼻も

彼の作品だと言う

とっても気さくで笑顔の耐えない彼は

仕事が忙しくて彼女を作る時間さえないらしい

彼の仕事をよく理解して精神面のケアをしてくれる様な

大人の感覚を持った女性が見つかると良いなと思った


楽しい時間はあっと言う間に過ぎて行く

明日の仕事に備えるために美容外科医の彼は帰って行った

代わりに近所の主婦ヒロミが私の隣に来た

花柳現舟に似ている

歳は私の3個上だった

彼女が持って来たと言う

きゅうりと茗荷の梅酢和えはさっぱりして美味しかった

ダンナは7歳下で写メを見せて貰ったら草食系だった

ヒロミはスタイルが良いので褒めたら

「毎日ストレッチを欠かさないの」と言っていた

「そうよね、毎日の積み重ねって大きいわよね」と

大いに感心したのだった


ヒロミと私が主婦談義に花を咲かせていると

さっきからデジカメで今夜の様子を撮影していたアニキが登場

男っぽくて顔立ちもちょっと東映ヤクザ路線だ

「あら、こちら良いオトコじゃない

 オカマはこの手のタイプに弱いのよ~」

アニキもまんざらでもない様子で

「オレも2丁目じゃちょっとした人気モンよ」

「解るわ~、放っとかないわよ」

化粧ポーチの中にグロスを忘れて来た事を後悔しつつ

しばしアニキの肩を揉んであげた


時計は10時近くになっていた

ヒロミもそろそろ帰ると言うので一緒に出る事にした

一応9時までと聞いていたが

お客さんたちは益々盛り上がり

私も近所だったら最後まで居たかったのだが

ロマンスカーで帰りたかったので

慌てて帰り支度をした

こんなオカマでも此処のゲスト達は別れを惜しんでくれた

「以前、オネエさんの店に行った事があるのよ~」

「今度絶対行くからな!」

色んな嬉しい言葉を浴びながら店を出た

うっかりしてた、あの整形外科医のメアド聞き忘れたわ~






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見逃しても…

2011-08-26 15:09:04 | Weblog
お盆明けとは言えあまりにも暇だ

昨夜など目の前のスナックが2軒も臨時休業していた

はす向かいのママはよっぽどの事がない限り店は開ける

それが「都合によりお休みします」とドアに貼り紙をしてあった

ここの所、スタッフのフィリピン人を外に立たせたり

ママ自らも道行く顔見知りに

「アンタ、ちょっと寄ってってよ~!」と声かけ運動を実施

何処のお店も必死だ


先日放送された「さんまのほんとの恋のカマ騒ぎ」の第2弾

留守録し損なった

営業中にお客様から「今夜オカマの番組やるよね」と聞き

慌ててケータイのワンセグを見たら既に始まって15分も経っている

それでも一応あとで見ようと録画のマークをなぞる

それにしても悔しい

2~3日前にネットの芸能ニュースで

『マツコがTBSの若手女子アナを大イビリ』と言う記事を読んだばかりだ

この番組の宣伝だったのだ

毎日ネットでテレビ番組表をチェックしているのに

この日はうっかりしていた

第1弾があまりにも面白かったので続編を期待していたのに…


仕事を終えて自宅に戻り

YouTubeをチェックする

誰か親切な人が投稿していないか祈る様な気持ちで検索をする

女子アナのファンが例の記事のシーンのみだがアップしていた

それを見たら益々通しで見たくなった

色々探すとTBSオンデマンドと言うのが見つかった

TBSの色んな番組を此処で見る事が出来るのだが

残念ながら「カマ騒ぎ」はなかった

それでも執念で検索をかけていると

あるブログに辿り着いた

其処では毎日放送されるバラエティやドラマなどを紹介している

記事の中に動画を埋め込んでいるのだが

番組が丸ごと楽しめるのだ

ところが番組によっては著作権の問題なのか見られない

昨夜の「カマ騒ぎ」もダメなようだ

しかし私はめげない

この埋め込み動画は中国の動画サイトを利用している

そのアドレスを入力するとダウンロード出来るフリーソフトがあるのだ

早速試してみると何の障害もなく保存できた

あとは何時でもヒマな時に見る事が出来る

ほんと便利な時代になった

これからは見逃した番組はこの要領でチェックしよう

てかこの執念とエネルギーを何故仕事に活かさないのかと反省する

今夜は花金なので頑張るわよ~!!!











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近所の吉牛で

2011-08-24 14:13:33 | Weblog
この間、営業中にあるお客様が牛丼を食べたいと言い出した

いつもならボーイに走ってもらうところを

ちょうど店もヒマだったので私が買いに行く事になった

店の近所には吉野家、松屋、すき屋が熱い戦いを展開していて

選択肢は多いのだが

やはり老舗の吉牛へ自然と足が向いた

平日の深夜なので当然店内はガラガラで

入り口からは死角になっている奥のテーブルから

若い男女の笑い声が聞こえて来るばかりだ

カウンター係りと思われる小柄なイケメンスタッフが

満面の笑みで「いらっしゃいませ~!」と歓迎してくれる

マックにも負けないくらいの営業スマイルだ

奥の厨房からも同じ様に「いらっしゃいませ~」

この近所のコンビ二の店員に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ

「持ち帰りで並ひとつお願いします」

深夜に訪れた大柄なオカマに全くたじろぐ事もなく

イケメン君は目をキラキラ輝かせながら

「紅しょうがと七味はお一つずつで宜しいですか?」

ファンデーションを塗り直して来なかった事を後悔する


あっと言う間にお弁当が私の元に届けられた

お会計をすると例のイケメンが両手で

私の手を握るようにしてお釣りを渡してくれたのだ

えっ?何?この胸をときめかす心遣いは…

彼の目の中には相変わらず王子様の様に星が輝いていた

「ありがとうございました~!」

厨房の奥からも呼応する様に同じ言葉が響く

ここまで感じの良いお店も久しぶりだ


松屋、すき屋に続いてオープンしたこの吉野家

それぞれのライバル店からは10メートル前後の距離だ

私の場合、牛丼と言えば吉牛なので大歓迎だったが

仕事帰りに立ち寄ると概ねガラガラだった

ただ、いつも感じていたのは

とてもスタッフの感じが良かったと言う事だ

それにイケメン率も高かった様に思う

ただここ最近はあまり利用する機会がなかった

久々に利用してホント気持ち良かった

オカマにも優しいのがポイント高い

また当店のお客様が何か食べたいと言ったら

「吉牛がお勧めよ!」と叫びそうだ















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ミステリー

2011-08-23 15:30:26 | Weblog
昨夜はとっても奇妙な事が起こった

早い時間にご来店のSさんご夫婦

20日にお誕生日を迎えたダンナさんを

ワインでお祝いして店内はアットホームな雰囲気に包まれていた

共働きのご夫婦で

お互いの休みが重なった時でないと

飲みに出る事はない

この日は約一ヶ月ぶりのご来店だった


奥さんのアッ子ちゃんは蕎麦屋で働いている

根っからのお人好し、世話好きな性格から

スタッフ達のまとめ役的な役割を担っている

ここの所、最近入ったバイトの事で頭を痛めている

本人にやる気はあるのだが

周囲とのコミュニケーションが上手く行かず

他のスタッフからブーイング

確かにアッ子ちゃんも

彼の事は前から気になっていた

ある日、店長からその点を注意されたらしい

ところが彼にとってみれば

仕事は一生懸命にやっているのだから

何の問題もないだろうとの答え

益々孤立していく結果に…

そんな話を聞いているうちに

時計の針は3時近くになっていた

アッ子ちゃんのダンナさんは

大好きなカラオケで自慢の喉を披露していたが

当店はその都度料金を徴収するシステムなので

所持金に余裕がなくなっていた

「近所のコンビ二におろしに行って来る」

そう言ってダンナさんは店を出た


店内は他のお客さんたちも楽しげに談笑していて

ヒマだけど雰囲気だけは良かったのだ

数分後、アッ子ちゃんのダンナが戻って来た

帰って来るなりこう言うのだ

「ず~と誰かが後ろから着いて来て

 耳元で『歌って、歌って!』と囁くんだよ」

丑三つ時の暗い裏通りだから

怪しげな現象もないとは言えない

まして通りの途中にある今にも倒れそうな古い佇まいは

道に迷った酔客を昭和の始めにタイプスリップさせそうだ


私には思い当たるふしがあった

去年、かけおちの末

男に捨てられて兵庫のアパートで衰弱死したMちゃんの事だ

彼女には夫が居たが、それを捨てて男を選んだ

その男との事は誰もが反対したが

Mちゃんは後先考えずに男の故郷の熊本に飛んだ

最初こそ良かったが

徐々に誰もが予想した結果になって行った

脚の不自由なMちゃんは酒びたりになり

義足も入らないほど太ってしまった

Mちゃんの親友のYちゃんがその都度心配して彼女に会いに行った

確か最後の方は入院していたはずだ


それから数ヶ月経ってYちゃんからメールで

Mちゃんの訃報を知らされた

熊本に居たはずなのに何故か兵庫のアパートで衰弱死していたらしい

しかも一緒のはずの男は見当たらず

近所からの通報でMちゃんは変わり果てた姿で発見されたのだ

駆け落ちまでした男からは捨てられ

唯一の肉親の妹からも見放されて無縁仏となったMちゃん

男はその後、警察の捜索で身柄を確保されたが

特に事件性はないとの事で釈放されたとか…

Mちゃんの骨は親友のYちゃんが東京に持って帰り

無縁仏を扱うお寺に預けた

身内の承諾も必要で、嫌がる妹さんを説得するのに必死だったとか


ちょうど初盆だった事もあり

Mちゃんはよく通ってた当店に遊びに来てたのかもしれない

その当時アッ子ちゃん夫婦には優しく接してもらってた

「あんな夫婦が羨ましい」とよく呟いていた

昨夜、アッ子ちゃんたちはいつもと違う席に

吸い寄せられる様に腰掛けた

誰も其処に案内していないのに

当たり前の様に着席したのだ

他にはまだ誰もお客さんが居なかったので

何処のお席でも良かったのだが

入り口に一番近いエアコンの真下の席を選んだ

その席はよくMちゃんが腰掛けていた席だった

優しいアッ子ちゃんご夫婦と一緒にお酒を飲みたかったのかもしれない














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