おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

心の拠り所が…

2008-10-28 17:00:07 | Weblog
ウチのはす向かいにあるお店が

今月一杯で閉店すると言う

この店は30年近く続いた店で

昔はママさんと娘さんで切り盛りしていた時代もあった

最近ではママの旦那さんが体調を壊し

彼がやっていた板橋の店をママが引き継ぐ事になったのだ

なので、こちらの店の方は年配のスタッフ2人に

何から何まで任せっきりになり

ママを目当てに来ていたお客さんも次第に足が遠のいた

さらにこの不況である


外でキャッチしているとその店のチーママが

よく出て来てお互いヒマを嘆いていた

因みにその店はビルの地下にあり

隣にもう一軒スナックが営業している

そちらのママも事情をよく知っているので

「ついにウチだけになっちゃうわ」と

寂しく呟いていた


私が今の店に入った頃は

仕事が終わった後にお客さんによく連れて行ってもらった

これでもかと言った厚化粧と派手なドレス

声は永年の商売で十二分に熟成されたシワガレだ

店が暗くてよく解らないのだが

恐らくは60近いはずだ

男勝りの気風の良いママだった

オカマが行くと大歓迎してくれて

時間を忘れて昼近くまでお邪魔した事が懐かしい

そう、その店は営業時間が無制限なのだ

カウンターの奥に座敷があるので

お客さんもスタッフも疲れたら仮眠する事が出来る

起きたらまた飲み直すというわけだ


「昨日は夜までやったわ~」とチーママが

よくこぼしていた

営業開始は夜の8時で、お客さんが切れないと

そのまま翌日の夜まで延々続けるので

スタッフは相当タフでないと務まらない

やっと終わったと思ったら、そのまま自宅に戻って

シャワーを浴びたらまた出勤だ

ママが出てくる週末はそんな日が多かったようだ


また、その店は他で出入り禁止の客にも温かい

なのでよく怒鳴りあう声も響いていた

客同士が些細な事で口論となり

血の気の多い場合は殴り合いになる

パトカーを呼んだのも一度や二度ではない

それでも又、懲りずにそのお客さんはやって来る

きっと寂しがり屋には居心地が良いのだろう


私が最後に訪れたのは

店でとても嫌な事があって

珍しく荒れてた日だ

サナエさんに付き合ってもらって

昼近くまで居座った

とてもムシャクシャしていたのだが

カラオケ歌って馬鹿話をしていたら

何だかスッキリして嫌な事も忘れていた


これから店で嫌な事があったら

何処で発散したら良いのだろう
















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忘れ物

2008-10-27 14:03:33 | Weblog
電車に忘れ物をするのは傘ぐらいで

いつも荷物には気をつけてる方だったのに

久々にやってしまった

しかも人から預かったモノを…


一昨日、立川のショーパブに行った時の事

グランデュオの7階に中国製品を売っている

「超級市場」(スーパーマーケットの意)と言うのがあって

速水のパパが馴染みの店の子の為に紹興酒を買って来た

しかも数の少ない30年ものだ

重そうだったので私が持つ事にした

食事をした店でも、ショーパブでも

気をつけて足元から離さないようにしていたのだ

その後、パパと連れの女の子たちは

どこかで時間を潰してウチの店に来てくれると言うので

私は一足先に電車に乗った

土曜日の夜だからなのかとても空いていた

3人掛けのシートを1人で占領し

鞄と紹興酒の入ったビニール袋も座席に置いたのだ

もし混んでいたならきっと手から離す事はなかっただろう


途中の駅から乗って来た20代前半の男の子が

私のはす向かいに腰掛けた

小柄で短髪、顔も男っぽくて私好み

その瞬間にすべてを忘れて彼に釘付けになってしまったのだ

ガン見するのほどの勇気はなかったが

彼の頭上の広告を見るようなフリをして

携帯をいじる彼をチラチラと眺めていた

その内、彼はウトウトし始めた

可愛い寝顔を、よっぽど写メに収めたかったが

シャッター音に気付かれて

胸ぐら摑まれるのも困る、それより盗撮は犯罪だ

そんな事を考えてる内に電車は目的の駅に到着した

名残惜しいがここで降りなくてはならない

彼の顔をしっかり目に焼き付けて座席から離れた

その時になぜ紹興酒を入れたビニール袋に気付かなかったのか

本当に不思議で仕方ない

鞄の横に置いた赤いビニール袋


電車のドアが閉まる寸前、何と彼も慌てて降りたのだ

“あら一緒の駅だったのね”

妙に嬉しくなって、後ろから歩いてくる彼が

私を追い越してくれるように歩く速度を緩めた

エスカレーターを上り、エキナカを通過して自動改札へ…

後ろを振り返って彼の姿をもう一度と思ったが

もしかしたら違う改札に向かったかもしれない

“通勤時にイケメンを見ることが出来てラッキー”

と思う事にとどめよう

頭の中はその事で一杯だった


営業時間になりパパたちが来てくれた

紹興酒の話が出るまで私はきれいさっぱり忘れていたのだ

えっと何処に置いたっけ?

店の中を探し回る私

何処を探しても出てこない

やっと、事の重大さに気付いて冷や汗が出て来た

「パパごめ~ん!明日同じもの買って来るから許して~」と

半ベソかいていた

「いいよ、また買うから…」と笑って許してくれたが

私自身がそれでは納得いかない

本当にどうかしてる


ネットで色々調べてみた

ウチの近所で同じモノを手に入れられないか

若しくは新宿の酒屋にないだろうか

何軒かチェックしたが見当たらない

やはり今日か明日、また早く起きて立川に行こう

気が緩んでる私、情けなくて涙が出てくるよ

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悪意に満ちた噂

2008-10-26 23:45:54 | Weblog
昨日は早起きして立川のショーパブへ行って来た

速水のパパがお気に入りの女の子2人を従えて

私はそのお守りも兼ねている


夕方6時にグランデュオで待ち合わせだったが

時間を読み誤って早く着き過ぎたので

本屋で時間つぶしに付き合ってくれる文庫本を探した

その本を持ってカフェにでも入ろうと思ったら

さすが土曜日、どこも混んでいる

仕方がないのでグランデュオの休憩コーナーに腰掛けた

ふと前を見ると下着売り場で、中の女店員が

怪訝そうな顔で私を見つめていた


小一時間、読書を楽しんだ後パパたちと合流

食事をした後ショーパブへ向かう

彼女たちは新宿の“アルカザール”へ一度連れて行ってもらっている

私も連れて行ってもらったが

“黒鳥の湖”“ギャルソンパブ”と同様

はとバスツアーにも入っているだけあって

和洋折衷のショーが楽しめ

三蔵さんと言う年季の入ったコミックの

マイクパフォーマンスには大爆笑させられた

あらゆる年齢層の人が楽しめる内容だ


一方“杏門”は若者向けのヒップホップや

前衛的なパフォーマンスが多く

男子部が充実しているのだ

一時期は昼下がりのワイドショーで

何度もイケメンダンサーとして紹介された人も居る

最近では夕方のニュースのワンコーナーで

子だくさんのオカマとして何度も紹介されている

リキヤさんが人気だ

来年には武田鉄也のドラマにも出演が決まっている

他にもテレビや雑誌にひっぱりだこのメンバーが多い

毎回きらびやかなショーで大勢のファンを魅了している


たまたまネットを検索していたら杏門批評と言う掲示板に辿り着いた

そこにはショースタッフの悪口や

常連客の男子部独占に対する嫉妬

ほか諸々の罵詈雑言が綴られていた

ほとんどが事実に反する書き込みと信じたいのだが

中には、内部事情に詳しい者が記したと思える情報もあるのだ

私などは来る度にスタッフもお客さんも

和気藹々に見えて、とても爽やかな印象を持っていたのだ

しかし実はドロドロの人間模様が渦巻いていて

その一部を垣間見たようでショックだった


いつもテーブルに付いてくれる顔馴染みのニューハーフに

直球を投げてみた

「あの掲示板知ってる?酷いよね~」

「そうなの、でも個人攻撃されてる○○さんは

 決してそんな事はないと思うんだけど…」

以前勤めていたお店の先輩に当たる彼女とは

いつも本音で喋るので

掲示板の書き込みはやはり大袈裟と言う事が判った


そこへホールスタッフの男子がやって来た

可愛い顔をしていて母性本能をくすぐるタイプだ

「ねえ、○○クンってどの子?」

掲示板で個人攻撃をされているニューハーフが

付き合ってると書かれたボーイの名前だ

「オレですけど…」

えっ?この子なんだ

解るわ~、この子なら喰いたい、いえ付き合いたくなるわ

人懐っこい笑顔もオカマの心をくすぐる

さらに目の前で酒を作ってくれる仕草が手馴れている

「アンタ、ホストやってたでしょ?」

「いいえ、全然」

そう否定しながらもうっすら笑みを浮かべている

「歌舞伎町ではよく飲んでましたけど…」

サラリかわされたけど、きっと女のあしらいが巧いだろう


ショーが始まった

パパと一緒に来た2人の女の子は

目を輝かせながらステージに見入っていた

大音響と共に汗を光らせながら踊る彼らに

うっとりしているようだ

満席の店内はカラフルなライトに照らされ

ダンサーたちと一体化して盛り上がっていた


そんな中、どんな悪口を書かれても笑顔で踊る○○さんを見ていると

ついつい健気さに打たれてしまった

多分、私と同じ様な思いを抱く人も多いだろう

むしろあんな酷い事を書かれている彼女に同情し

応援さえしたくなる

これからも素敵なパフォーマンスとスマイルで

嫌な噂を吹き飛ばして欲しいと思う









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週末の胸キュン

2008-10-25 08:27:20 | Weblog
昨夜は花金で、給料日の人も多かったと思う

仕事に出る前にみつけた胸キュンなシーンふたつ


雨上がりの若干蒸し暑い中を

バスを逃して駅まで歩いた私は

コンビニに駆け込んだ

ジュースとガリガリ君を買うためだ

入ってスグに目に付いたカレセンオヤジ

若い頃はさんざ女を泣かせたであろう優しい顔立ち

目を細めて何かを見ている

よく見ると四角いクリアケースに入った下着だ

ボクサーブリーフの様だった

カレセンオヤジは普通のトランクスを選ばず

この箱に入った下着をじっくり眺めている

“息子が穿いているパンツ、オレにも似合うだろうか”

そんな事を考えていたのだと思う

もしかして、これから若い女とデート?

何だかとっても微笑ましい気分になって

オジサン頑張れとエールを贈りたくなったのである


そしてもう一つは

ロマンスカーを待つ人たちの横で

ちょっと神経質そうな40前くらいの男が目に入った

携帯で何やら話しているが、か細い声で聞き取れない

人の電話に聞き耳を立てるのも悪趣味だが

何となく気になる男だったのだ

そこへロマンスカーが到着した

仕事に疲れたオジサン達に混じって

メガネをかけた髪の長い女が下りて来た

特に美人ではないが清潔感あふれる服の好みが

とても印象を良くしていた

辺りをキョロキョロ見渡している

そして誰かに手を振った

相手はさっきの神経質そうな男だった

彼女と待ち合わせだったのだ

嬉しそうな笑顔の2人

男は女の腰に手を回して優しく引き寄せた

そしてそのまま人込みに消えていった

一緒に食事でもするのだろうか

そしてその後は彼の部屋で

きっと幸せな週末を過ごすのだろう

想像しただけで甘い気分になった


ロマンスカーはホームからどんどん遠ざかって行く

カレセンオヤジはあの下着で素敵な夜を迎えて欲しい

そしてあの2人はきっとロマンティックな逢瀬を楽しんでるだろう

さっきコンビニで買ったガリガリ君は少し溶けていた
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サトミ女になれるかナ

2008-10-24 17:27:18 | Weblog
昨夜は久々に下着女装マニアが遊びに来た

オカマバーにはたまにそう言うお客さんが来るのだ

最初は普通に飲んでるのだけれど

時間が経つに連れ、このオカマちゃんなら解ってくれるかな

と思ったら一気にカムアウト

たちまちムードが一変するのだ


雨でヒマな木曜だった

今しがたまで飲んでたアヤちゃんを送り出したら

通りを歩いていたジャージの男が

しきりにコチラを窺っている

アヤちゃんと意気投合して私と一緒に

外まで出て来た客のミチコに興味があるようだ

彼女はまだ二十歳そこそこのイケイケで

酔っ払うと日頃のストレスの為か

かなりパンチの効いた行動に出る

そんな光景を見ていてアヤちゃんは

自分に相通ずるモノを感じたようだ

ミチコとアヤちゃんは名残惜しそうにハグなどしている

通りすがりの男はミチコをてっきりスタッフと

勘違いしたらしい

それもそのはず、ミチコはキャバ嬢風の派手なメイクに

てんこ盛りの茶髪だったのだから…


男は恐る恐るといった感じで店に入った

ミチコとは離して席に案内する

どちらかと言うと男っぽいタイプの風貌で

顔はなべおさみに似ていた

初めての来店なので

色んな話を向けてみたが全く無関心のようだ

退屈だったのかいきなりカラオケを歌いだした

結構上手いのだ

褒めると嬉しそうに声を裏返して喜んでいる

何か変だ、組合なのかと思い

「もしかしてゲイ?」と直球を投げてみた

ムッとした顔をしたが、絶対に妖しい

2曲歌った後で急に隣に来いと手招きする

横に座るとベタッと身を寄せて来た

裏声でタラちゃんみたいな喋り方になっている

下着女装に幼児プレイのオプション付だ

ふとジャージから覗く派手な足元に目が留まった

オレンジ系でサイケな柄のカラータイツを穿いている

「可愛い!」とオーバーアクションで褒めてみた

「タイツとブラスリップが好きなの」

出た~!!!

彼はより一層甘えた声で自分の下着倒錯をカムアウトする

「解る、ウチのお店はそう言う人を応援してるのよ」

どんな店だ


話を聞くと、彼は3年前に目覚めたらしい

新宿のオカダヤで購入したタイツやスリップを身に着けて

イメクラで女王様に陵辱されるのが喜びの様だ

性の対象は女だが

自分も女になって犯されたいと言うタイプだ

「サトミ、女の子になれるかなァ…」

「勿論よ、今度来た時はお化粧してドレスも着ましょ」

サトミと名乗る彼は女装した己を想像して身悶えている

サトミはドMの様なので

「ウチに来る女性のお客さんはSの人が多いから

 きっとサトミちゃんを見たら虐めてくれるわよ」と

気休めを言ってみたら

「あ~んッ!うれし~!!」と身をよじっていた


この何とも言えない光景を

離れたテーブルのミチコは覚めた目で見ていた

「じゃあ、サトミちゃん

 今度は女の子の歌にチャレンジしてね」

サトミは私に更に強くしがみ付きながら

今井美樹の「プライド」を裏声で熱唱

「サトミ可愛かったァ?」

「最高よ」

他に客はミチコだけだったが

私とサトミの気色悪いツーショットに辟易したらしい

会計を始めた


時間もそろそろ閉店に近い

「サトミちゃん、もうすぐお店終わりよ」

「や~ん!そんなの寂しい」と悲しそうな目をする

「今度は素敵な女王様を紹介するから週末においで」

ラスカルが適任だ

「わかったァ!絶対にお願いね」

そう言って席を立ち店を出た

サトミは一歩外に出た途端

まるで夢から醒めたように肩を怒らせて

通りに消えた

は~、ドッと疲れた

「サトミ、女になれるかなァ…」

甘えた声が耳から離れない

















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