おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

あるホストの誤算②

2008-10-23 16:21:43 | Weblog
富士そばでヘルプと待機していたはずのレイコが

我慢しきれずにジョナサンの下で待ち伏せしていたのだ


リュウセイは連れの女を早く店に連れて行こうとしていたが

ジョナを出た所で女は彼に抱きついてきた

それを見たレイコはヘルプの手を振りはらい

2人に近付いた

ボーイズパブに出入りする様なタイプには見えないレイコ

グレーのセーターと茶色のスカートのコーディネイトが

更に彼女を地味な印象にしている

リュウセイに何かを訴えている様に見える


同伴を約束した時間を待ちきれずに

2時間も早く現れ、先約の女とバッティング

おまけに路上で抱き合っている所を目撃して

頭に血が上ったレイコはリュウセイを責める

彼に抱きついていた若い女から何かを言われ

今度は彼女に詰め寄り髪の毛を掴んだ

地味目な彼女からは想像もつかない行動だ

更には自動販売機に若い女の顔をぶつけたのだ

昔のスケバン映画の1シーンを見てる様だった


レイコの形相は凄まじいものがあった

リュウセイにいくら注ぎ込んだのかは知らないが

惚れた男に二股かけられ逆上している

ホストにどれだけ入れ込んでも

単なる客の一人でしかない

レイコはそれを理解していない様だ

自分よりも明らかに可愛い女がリュウセイにまとわり付いている

どうせ風俗の女だろうが許せない

こんなズベ公に取られてたまるもんか

喧嘩などした事もなさそうなレイコが初めて見せた修羅の姿


ヘルプの男が若い女からレイコを引き離そうとする

その時、掴んでた髪の毛がごっそり抜けた

エクステが外れたのだ

女は持っていたコーチのバッグでレイコに反撃

更には顔面にパンチを浴びせる

ジョナの窓際に腰掛けていた客は

下の騒ぎを面白そうに見ている

ホストを巡って2人の女が乱闘しているのだ


しばらくして警察が来た

通りすがりの誰かが呼んだのだろう

レイコは鼻血が出ている

リュウセイとヘルプの男は呆然と立ち尽くしたままだ

若い女は警官に食ってかかっている

早朝で人通りも少ないのに

いつの間にか何人かの野次馬が遠巻きに見ていた


レイコの暴走で2組の同伴はおろか

警察まで来る騒ぎになり、さんざんのリュウセイ

あの後、交番に連れて行かれ事情を聞かれる羽目になり

営業どころではなくなったはずだ

優秀なホストならもっと上手く捌いたのだろうが

まだまだ少年の面影の残るリュウセイには

咄嗟の判断がとんでもない結果を招いた

もし私が彼の立場だったらどうしただろうか

それにしてもこの日のリュウセイにはホントに同情した

ホストの同伴に使われてたジョナも今はもうない
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あるホストの誤算①

2008-10-22 16:09:36 | Weblog
今朝はまた一段と寒かった

地元駅に付いてから“なか卯”に立ち寄って

えびかき揚げうどんを食べた

淡白な京風のおつゆだ

ちょっと物足りないくらいの薄味だが

さっぱりしていて食べやすい

店には私以外にもう一組

若いカップルが朝からイチャイチャしている

近所の飲み屋でオールしたのだろうか

そう言えば、以前はこの付近にジョナサンもあった

早朝は、始発待ちの客で溢れていたが

不況と共に客足は減り、店自体も閉店してしまった


今朝と同じ寒い朝だった

入り口付近の禁煙席で窓の下の景色を眺めながら

ハンバーグセットを食べていた

隣には、いつも見かける老婆が眠りこけている

テーブルの上にはドリンクバーで何度もお代わりした

コーヒーカップが置かれてある


奥の喫煙席は相変わらず賑やかだ

学生たちや、アフターのキャバ嬢に混じって

紫色のスーツを着た茶髪のホストが客とご飯を食べていた

ジョナサンの周囲にはボーイズパブが何軒かある

彼らの店はまだまだこの時間も営業中だ

彼らが若い女性客と富士そばや松屋で

たむろしているのを何度も見た

同伴前の腹ごしらえにしてはしょぼ過ぎだ

この近辺に早朝まで営業している焼肉屋などなく

せいぜいジョナ、マック、松屋、吉牛、富士そばだ


紫のスーツの彼が入り口付近まで来て携帯に怒鳴っている

「おめえ、まだはええんだよ!

 7時から同伴だって言ってたべ!!」

約束をしていた客が2時間も早く連絡して来たようだ

しかし彼は既に他の客と食事中だ

電話の相手は、どうやらジョナの外に居るらしくて

彼にしてみたら万事休すだ

もう一台の携帯で店に電話してヘルプを呼んでいる

このまま彼女がジョナに来るのはマズい

しかし2組の同伴は何としてでも欲しい

どうするのかと思っていたら

「オレが行くまで富士そばでレイコの機嫌取ってろ」と

ヘルプに指示した

数分後、窓の下にジャニーズくずれの様なホストが現れ

レイコを連れてどこかへ消えた


紫の彼は相手をせかして店へ連れて行こうとしている

この女を取り敢えず先に入店させヘルプに任せる

その後、もう一人の女と入店すれば

ダブル同伴が成立する

しかし女はもっと二人だけの時間を楽しみたいらしく

「まだ良いじゃんよ~」とゴネている

「でもココじゃキスも出来ねえべ」と殺し文句を吐いた

「リュウセイったら勝手なんだからァ…」

女は甘ったるい声を出しながらレジで精算を済ませた


ジョナを出た二人の様子を窓から眺めていると

待ちきれない女がリュウセイにしがみ付いている

そこへ富士そばで待機していたはずのレイコが現れた

リュウセイ危うし

この続きはまた明日
















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プチトリアノンへ

2008-10-21 16:21:27 | Weblog
昨日は速水のパパから連絡があり

隣町のクラブに駆けつけた

ドアを開けたらナナが笑顔で歓迎してくれた

いつもはお客様で賑わっているこの店が

珍しく閑散としている

給料日前の週で休み明けと言うのも関係しているのだろうか


パパは八重歯が印象的なエツコを隣においてご満悦だ

他にチーママのユミや先ほどのナナも付いている

ナナは一時期パパが気に入ってた子で

この店が改装で一ヶ月休んだ時に

他所の店で臨時バイトしていた

パパは律儀にもその店にも顔を出していた

しかし彼のお気に入り熱は3ヶ月で醒める

ご執心の時は、同伴だショーパブだプレゼントだと

集中して入れあげるのだが

3ヶ月が過ぎると次の子へ心移りするのだ

エツコに鼻の下を伸ばしているパパに

ナナは顔色一つ変えずにニコニコ見ている

私の方がナナに気を遣ってしまったほどだ

まあ客の指名代えなんて日常茶飯事なので

いちいち気にしてたらやってられないだろう


この日、パパはいつもの様にハシゴして来て

この店の後は、最近オープンした気になる店に行くと言う

立川のショーパブに居たミレイさんとダイヤさんが

出したカフェバーだ

マリー・アントワネットが愛した

ベルサイユ宮殿の離宮の名をそのまま店名にしている

実際にミレイさんたちは現地に旅行した時に

その優雅さに感動して、いずれは

こんな素敵なイメージのお店を開きたいと考えていた様だ


エレベーターを降りると

オレンジのオーガンジーのベールの向こうに

華やかな世界が待ち受けていた

久々に合うミレイさんもダイヤさんも元気そうだ

もう一人、女性のキャストも居た

そしてミレイさんの愛犬“ミッキー”も

13歳とは思えない元気さで出迎えてくれた

この子は毎日出勤してるわけではないとの事

内装はとても夢のあるもので随所に拘りが感じられた

きっと女性はウットリする事だろう

残念ながら駅から少し離れたところにあるので

浸透するまでに少し時間がかかりそうだった

駅でチラシを配ったりイベントに参加したりと

宣伝活動も行っている様だ

ショーパブ時代と変わらぬ人懐っこさと

優しい微笑が溢れたお店だった

パパも気に入ったみたいで又今度連れて行ってもらおう



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心に沁みる歌

2008-10-20 16:23:46 | Weblog
昨夜はいつもの様に午前3時頃まで

ネットで遊んでいた

今話題の泰葉のブログも見た

結構辛辣な言葉が並んでいる

テレビではかなりネジが緩んでる様なイメージだが

ブログの方は意外と面白かった

今夏NHKで放送された「思い出のメロディー」では

彼女も唯一のヒット曲を披露していたが

その出演決定から収録までの心情が綴られてあり

大変興味深かった


「フライディ・チャイナタウン」は

私が店子デビューした2丁目のホモバーで

お客によく歌われていた

その時は暑苦しい曲だと思っていたけど

最近ラジオでたまたま聴いたら

アレンジがカッコイイ事に気付いた

私の場合、リアルタイムでは全く興味のなかった曲が

何十年も経って聴いた時に好きになる事が多い


「なごり雪/イルカ」「いちご白書をもう一度/バンバン」

どちらも大ヒットした曲だった

当時は何度も何度も耳にするので「もう良い加減にして」と

耳を塞ぎたくなるくらいだった

大人になって改めて聴いた時に

歌の内容に心を打たれたのだ

昔はメロディー優先で、詩の内容は

二の次と言うか、殆ど意識してなかったのだ

何となく別れの歌とは解っていても

まだ子供だったので特にピンと来なかった

しかしカラオケで誰かが歌っていると

画面に映し出される歌詞に嫌でも目が行く

その時に、こんな切ない歌だったんだと

遅ればせながら気付いたのだ


私も人並みに恋愛もした事があり

哀しい別れも経験した

そう言った事が歌詞とオーバーラップするのだ

酔っ払った時には歌いながら涙する事もある

歳と共に涙腺も緩くなった

こんなオカマの涙をそっと拭ってくれる

優しい男はいつになったら現れるのだろう…










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人身事故を写メる人

2008-10-19 22:32:35 | Weblog
今日は朝から肌寒い

店の帰りに吉牛に立ち寄った


この地区には「松屋」が古くから有り

その後「すき屋」がオープンし

二つの店の中間に「吉牛」が殴り込みをかけた

私が利用する時間帯は朝の5時くらいなので

「すき屋」も「吉牛」もガラガラだ

「松屋」はその先にあるので足が延びない

牛丼を食べるのであれば迷わず「吉牛」に駆け込む


ガラス張りの入り口からはカウンターが丸見えだ

客は誰も居ない

混んでるのは苦手だが、ノーゲストも居心地が悪い

前回はスタッフが一人だったのに今回はもう一人増えていた

どうやら新人のようだが歳が若くない

役者の様なイイ声なのでつい顔を覗き込んだら

やしきたかじんみたいな顔だった


しょうが焼き定食とお新香を注文した

しかし、一向に鉄板の上で肉を焼く気配がない

厨房の男は「間もなくしょうが焼き上がりま~す」と

やしきたかじんに声をかける

その時、確かにチン!と言う音を聞いた

えっ?まさか???

運ばれて来たのは牛皿のブタ版と言った感じで

一般的に店で出てくるしょうが焼きとは程遠いモノだった

一応、キャベツの千切りが添えられてあるが

これなら松屋の方が良かったかも…


吉牛とは全く関係ないが昨夜、中央線の荻窪駅で人身事故があった

新宿駅では、電車が止まっていると繰り返しアナウンスされていた

総武線各駅停車のホームに行くと電車が入って来た

こちらは動いているのかと思ったら

次の大久保駅で少し運転を見合わせるとの事

土曜の夜なのでそれほど混んではいないが

仕事に遅れる事が心配だった


私の傍ではカップルがベタベタしている

男がわりとイケている

これから食事か飲み屋にでも行くのだろうか

女の方も思いっきり甘えた顔をしている

電車がいつ運転再開するのかよりも

この2人の方が気になって仕方ない

男は30くらいだろうか、オリエンタルラジオの

メガネの方を男っぽくした感じだ

女は笑うと歯茎が気になるが仕草が女っぽい

男がこの女を抱きしめてキスを奪うのだろうか

いけない、店に“遅れそうだ”と電話しなきゃ

携帯を見ると電池切れだった


10分位して電車は動き出した

荻窪に到着した時に、事故のあった車両が向かいのホームに停まっていた

まだ人が車両の下に居るようで救出作業が行われていた

驚いたのはその様子を写メで撮ってる人が居たのだ

しかも一人ではない

あの秋葉原の事件を思い出した

道路に横たわる被害者に、大勢の野次馬が

ニヤニヤしながらデジカメや携帯を向けていた

あの光景が甦ってきたのだ

人身事故の様子を撮って何が楽しいのだろうか

それとも自身のブログで公開するのだろうか

ホントに嫌な世の中になったものだ




































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