アイドルのキャラクターグッズを卸す会社で
働いていた事がある
メインは、カメラ小僧(以下カメコ)が撮って来た生写真で
時代は光GENJIの全盛期
コンサート会場の隠し撮りは少々ブレてても
飛ぶように売れていた
カメコは撮ったネガをスピードプリントし
コンサートが終わり会場から出て来た客に
路上でも売っていたのである
ファンは、興奮冷めやらぬまま
今見て来たアックン達の写真に群がったそうである
冬になるとカレンダーの発注が増えるのだ
これがまたかなりの重さになるのだ
事務所の中でそれらを梱包していると
暖房なんて不要だ
そこへ50個入りのマグカップがメーカーから届く
前にも書いたが、ソレを持ち上げた途端
ギックリ腰になった事があるのだ
たまにファンシーショップのスタッフが
直接仕入れに来る事があった
山梨の方のお店だったと思うが
オーナー、スタッフ共にオネエなのだ
外見は普通のオッサンなのだが
狭い事務所の中をああでもない、こうでもないと
動き回るのでホントに邪魔だった
「アラ、かあくんのネームプレート良いわネェ
これ一個もらっとこうかしら
あと、この男闘呼組の缶バッチも3つ頂戴」
と、いつもながらセコい買い付けだった
このオーナーはムッチリした身体をクネクネさせながら
商品を物色するのだがケツがデカいので
よく棚にぶつけては商品を床に散乱させていた
しかも佐川急便のドライバーの来る時間を熟知していて
ウチのスタッフでもないのに
「ご苦労様で~す!」なんて言いながら
荷物の積み込みを手伝っていたのだ
このオーナーの店で働いてるのがヨシタカちゃんと
呼ばれる細身のオネエだった
お料理研究科のマロンちゃんに似ている
彼は鼻にかかった声で
「ごめんなさ~い、正木クンのナマ入荷しましたか?」
が口癖だった
「ウチのお客さんで正木クンのオリキが居るんですけど
私いつもコンサートに誘われちゃうんですよ」と
聞いてもないのにどうでも良い話を延々喋るのだ
うわのそらで作業を進めていると
「聞いてくれてますゥ?
それでいつ正木クンのナマ入るんでしょうか?」
正木とは少年忍者のメンバーなのだが
生写真のニーズはあまりなかった
なのでカメコも殆ど撮って来ないのだった
「今度、カメラ小僧の人に聞いときますね」
と気休めの返事が精一杯だった
ところで事務所の上はマンションだったのだが
場所が新宿2丁目の近くだったので
住人の中にもお仲間が居たのだ
ヨシタカちゃんが、事務所の外にある共同トイレから
帰って来てこう言った
「すみません、このマンションってホモの人が住んでるんですか?」
何事かと思って聞いたら
「トイレに入ったら僕の事をじっと見つめる人が居るんですよ
無視してたら隣に来てオシッコする所を覗くんです
何だか気持ち悪くて途中で出てきました」
“何、生娘ぶってんのよ
このマンションでは日常茶飯事だわよ”と思ったが
「すみません、気持ち悪かったでしょ
たまにそう言う人が出没するんですよ」
とアタシもアンタも住人もホモだらけの職場だったのだ
働いていた事がある
メインは、カメラ小僧(以下カメコ)が撮って来た生写真で
時代は光GENJIの全盛期
コンサート会場の隠し撮りは少々ブレてても
飛ぶように売れていた
カメコは撮ったネガをスピードプリントし
コンサートが終わり会場から出て来た客に
路上でも売っていたのである
ファンは、興奮冷めやらぬまま
今見て来たアックン達の写真に群がったそうである
冬になるとカレンダーの発注が増えるのだ
これがまたかなりの重さになるのだ
事務所の中でそれらを梱包していると
暖房なんて不要だ
そこへ50個入りのマグカップがメーカーから届く
前にも書いたが、ソレを持ち上げた途端
ギックリ腰になった事があるのだ
たまにファンシーショップのスタッフが
直接仕入れに来る事があった
山梨の方のお店だったと思うが
オーナー、スタッフ共にオネエなのだ
外見は普通のオッサンなのだが
狭い事務所の中をああでもない、こうでもないと
動き回るのでホントに邪魔だった
「アラ、かあくんのネームプレート良いわネェ
これ一個もらっとこうかしら
あと、この男闘呼組の缶バッチも3つ頂戴」
と、いつもながらセコい買い付けだった
このオーナーはムッチリした身体をクネクネさせながら
商品を物色するのだがケツがデカいので
よく棚にぶつけては商品を床に散乱させていた
しかも佐川急便のドライバーの来る時間を熟知していて
ウチのスタッフでもないのに
「ご苦労様で~す!」なんて言いながら
荷物の積み込みを手伝っていたのだ
このオーナーの店で働いてるのがヨシタカちゃんと
呼ばれる細身のオネエだった
お料理研究科のマロンちゃんに似ている
彼は鼻にかかった声で
「ごめんなさ~い、正木クンのナマ入荷しましたか?」
が口癖だった
「ウチのお客さんで正木クンのオリキが居るんですけど
私いつもコンサートに誘われちゃうんですよ」と
聞いてもないのにどうでも良い話を延々喋るのだ
うわのそらで作業を進めていると
「聞いてくれてますゥ?
それでいつ正木クンのナマ入るんでしょうか?」
正木とは少年忍者のメンバーなのだが
生写真のニーズはあまりなかった
なのでカメコも殆ど撮って来ないのだった
「今度、カメラ小僧の人に聞いときますね」
と気休めの返事が精一杯だった
ところで事務所の上はマンションだったのだが
場所が新宿2丁目の近くだったので
住人の中にもお仲間が居たのだ
ヨシタカちゃんが、事務所の外にある共同トイレから
帰って来てこう言った
「すみません、このマンションってホモの人が住んでるんですか?」
何事かと思って聞いたら
「トイレに入ったら僕の事をじっと見つめる人が居るんですよ
無視してたら隣に来てオシッコする所を覗くんです
何だか気持ち悪くて途中で出てきました」
“何、生娘ぶってんのよ
このマンションでは日常茶飯事だわよ”と思ったが
「すみません、気持ち悪かったでしょ
たまにそう言う人が出没するんですよ」
とアタシもアンタも住人もホモだらけの職場だったのだ