青きまま楠の葉群のちぎれ舞ふ

　　　　　　　　　　　　 青きまま楠の葉群のちぎれ舞ふ春をも待たずいのち絶たれて


　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　六義公園前にて

080224 日々歌ふ

がうがうと冷たき風の吹きすさぶ抗ふ楠の枝葉狂はせ

吹く風にざわめき狂ふ大楠の青き葉群の身悶ゆるごと

青きまま楠の葉群のちぎれ舞ふ春をも待たずいのち絶たれて

寒風のときに激しく揺らせども牡丹の白くしろく咲きをり

　　　　　　　　　　　　　　　　　＊

落陽の燃え立つ空に鴉らの影絵となりて木立に憩ふ

寒の桜の一本に花の盛りて

　　　　　　　　　　　　陽に明かく寒の桜の一本（ひともと）に花の盛りて冬の去りゆく


　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小石川植物園にて

080223 日々歌ふ

陽に明かく寒の桜の一本に花の盛りて冬の去りゆく
（一本＝ひともと）

生れし日の近きを吾妹と

　　　　　　　　　　　　　　生れし日の近きを吾妹と祝ひ酔ふ小さき店の料理に酒に


　

　　　　　　　　　　　　　　　　アオリイカ・首折れ鯖・天然真鯛の刺身　豊島区南大塚＜くう＞にて

080222 日々歌ふ

八歳につかの間開く年齢の差は吾妹もわれもきさらぎに生れ
（年齢＝とし、生れ＝あれ）

生れし日の近きを吾妹と祝ひ酔ふ小さき店の料理に酒に

080221 日々歌ふ

青山の到る所にありとせど青山墓地にしくはなからむ
（青山の＝せいざんの）

いつしかぞ月満ち明かく

　　　　　　　　　　　　職場にてふと見上ぐればいつしかぞ月満ち明かく空におはしぬ


　　　　　　　　　　　

080220 日々歌ふ

職場にてふと見上ぐればいつしかぞ月満ち明かく空におはしぬ

真青なる空に白雲流れゆく

　　　　　　　　　　　　　　　真青なる空に白雲流れゆく朝に兆す風邪の気配の


　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　窓辺から六義公園・六義園を望みて