雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

<009:椅子>から

2006-09-14 23:19:14 | 題詠blog2006から
よりかかるとすればそれは椅子の背もたれだけと言い切ってくれた凛とした声(ドール)
凭れるは椅子の背だけと言いし人の詩集抱えて坂を上りぬ (お気楽堂)

ぼくが20代半ばから日本の詩人でもっとも敬愛し続けた茨木のり子さんの、早すぎる死を悼む歌です。

<椅子>という題に、最後の詩集『倚りかかりらず』を思い浮かべ、ぼくもこう歌いました。

<敬愛する詩人茨木のり子の早すぎる死を悼みて詠める>
倚りかかる椅子の背もたれ要らぬ日の詩人に早く訪ふも悲しく
 060302 日々歌う

茨木さんに一度だけ、お会いしたことがありました。
彼女の韓国語の先生に誘われ、3人だけで。
 060220 日々歌う

今ぼくも、椅子の背もたれに倚りかかりながら心底ふかく共感します。
もはや、できあいの思想・宗教・学問、いかなる権威にも倚りかかりたくはない。
<じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なにか不都合のことやある>、と。

同じ思いをもって歌を詠まれる方がいらっしゃるのですね。

 WHEN I WAS MOST BEAUTIFUL 060225

コメント (16)
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060914 日々歌う

2006-09-14 13:22:46 | 日々歌ふ
ローマ字でメールの届く吾妹子ゆ瞬時に宙を駆け抜けわれに
(宙=そら)

                 *

テレマンを今井信子弾くヴィオラの音聴きつつ紅茶を静かに飲まむ

季節めぐり朝餉に熱き紅茶をばなみなみ注ぎ杯を重ねぬ
(季節=とき)

手に馴染む亡母買ひくれしマグカップ幾杯重ね半世紀経つ
(亡母=はは)




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