夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

辞書マニアさんを御紹介します

2009年11月07日 | 言葉
 ブログの整理をしていたら、書いたまま発信し忘れているのが幾つもあるのを発見した。その一つだから、ずいぶんと日にちが経っている。
 私のブログの「檄を飛ばす」(09・8・8)にコメントを下さった方が居て、そのブログを訪問した。お名前は「柊木惇」さん。
 「言語楼―B級「高等遊民」の戯言」と題するブログで、http://d.hatena.ne.jp/hiiragi-june/。
 辞書マニアを自称し、言葉の雑学が趣味と言う。専門的な辞書も取り揃えてきちんと調べている。それに博学である。私など足元にも及ばない。辞書を調べるのが好きなのは私も同じだが、観点などが多少違う。それで私は安心した。と言うとおかしいが、同じような人間が二人居てもつまらない。それぞれに性格も異なり、考え方も違うから面白い。私が面白い、とは言わないが。
 拝読して分かったのは、やっぱり私はしつこいなあ、である。しつこくしないと私如きが言っても説得力が乏しい。しつこい調べは説得力のカバーなのである。ただ、そのカバーの仕方があまり上手くはない。それは様々な人から言われている事でもある。自分でも承知してはいる。ある編集長は、しつこいが、納得させられてしまう不思議な魅力のある文章だ、と褒めて下さる。ええ、私はそれを本気に信じているのてす。それを励みにしつこさをしつこく感じさせない工夫をしたいと試行錯誤をしている。
 それで、同じような事を書いている、柊木さんの文章が参考になるのでは、などと勝手な事を考えている。もっとも、本質的な事を変えない限りは、ただ真似をしたって無駄に終わるとは分かっている。
 三つ子の魂百までも、と言うが、私は以前はそんなにしつこくはなかったと思っている。しつこくなくて、簡単に失敗をした事も少なくない。それなのに、いつの頃からかしつこくなってしまった。
 思い当たるのは国語辞典の説明を徹底的に調べ始めた頃からだ。国語辞典の説明はそれこそしつこく調べないと迷宮入りになる。辞書の執筆者達はそんな事は思いもよらないのだろうが、それは専門家だからだ。我々素人にはきちんと筋の通る説明をしてくれなければ分からない。それが専門家には分からないらしい。そこで、説明の足りない部分をなんとか補おうとする。それはしつこさが無ければ出来ない。
 それが習性となってしまい、見る物、聞く物にしつこくこだわるようになったのだろう、と推測している。それに何度も騙されて来たあほらしさに今更ながら気が付いたのも理由だろう。そして唯一の取り柄であるしつこさを何とか洗練させたいものだと、頑張っているのです。「洗練されたしつこさ」なんてあるのかどうかも分からないが、まあ、取り敢えず、「洗練」に憧れています。あれあれ、人様の紹介のつもりだったのに。いや、紹介になっている。柊木さんはしつこくはない、だからきっと面白いと思いますよ。

 柊木さんのコメントは3ヶ月遅れの御紹介だったが、私の原稿など、1年以上知らん顔をされているのもある。いずれもきちんと相手側の「読みましょう」との了解を取った上で送った原稿なのに、一言も無い。まあ、駄目だったんだろうと思うが、待っている身には辛い一年間になる。
 原稿募集をしている所でも、ほとんどが3ヶ月以上掛かる。本に出来る原稿かどうかなんて、初めの数ページを読んだだけで分かるはずだ。数ページでさえ読めないほどに忙しいのだろうか、と不思議になる。だから自分勝手に、売れるかどうかのぎりぎりの所で、社内でもめているんだろう、と考える事にしている。そうでもないとやってらんない。
 そしてこれは無いものねだりだが、駄目な場合に、こうすれば、売れる本になるよ、と言った助言などどこもしてくれない。もうホント、「駄目」しか無い。そう言えば、前にある出版社に幾つかの原稿を送ったが、そこではある一人の編集者が色々と助言をしてくれた。ただ、その時は、まだ私にはその助言を受け入れてそのように変更出来る力が無かった。今はあるのか、と言えばそんなに自信を持っては言えないが、ある程度までは言えるようになったと思っている。
 今は駄目だと言われた原稿は徹底的に書き直している。内容の構成もまるで違った、趣旨も異なる方向にして書き直している。タイトルを変えただけで、内容は大きく変わってしまう。まあ、そんな事をしても芽の出る可能性は本当に低いのだろうが。何事もやってみなければ分からない。初めからあきらめてどうする。
 民主党政権だって同じだ。訳の分からない連中に反対され、何のかのといちゃもんを付けられ、それでもめげずに初心を貫徹してこそ、「新政権」なのである。何も私如きを引き合いに出して言う事は無いが。