夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

情報の質と言い、テロップと言い、テレビは不親切だ

2008年09月30日 | Weblog
 9月30日、フジテレビの「めざましテレビ」で魚の中毒の話をした。釣ったイシダイを刺身で食べた人が、腹痛と下痢、嘔吐に悩まされ、全身にしびれがあり、冷たい物に触れると激痛を覚える、ドライアイスショックとか言う症状に見舞われていると言う。
 フグの毒の20倍もの強さがあるらしい。その毒を持った微生物が海藻に密生し、それを食べた魚が感染する。以前は熱帯、亜熱帯地域の海にしか発生していなかったが、近頃は静岡、神奈川、千葉にまで北上していると言う。これまた地球の温暖化の影響である。
 このニュースを紹介したあと、釣った魚にはご用心と言い、魚の専門家に見てもらえ、と助言をしている。釣った魚だけが危なくて、漁業で捕獲した魚は危険性が無いと言うのはどのような根拠があるのだろうか。そして専門家はどのような情況を魚に見て、これは毒がある、無いと判断するのだろうか。

 そうした事には一切触れない。担当者はそれで分かったらしく、それで終わり。私は釣りをしないから、まるで関係が無いが、毒の話には関係がある。本当に、素人が釣った魚と漁師が釣った魚のどこにどのような違いがあるのか。それをきちんと説明しなければ、報道をした事にならないと思う。
 多分、この担当者はそうした事を考える能力が無いのだろう。それは番組全体の評価にもなり得るのだから、危険である。もしかしたら、私の能力が不足しているのかも知れないが、どうにも分からないのだ。どなたか教えて下さい。

 話は変わるが、テレビの報道にはテロップが付き物である。要領よく、しかも分かり易く説明してくれる。それは視聴者のために存在する。ところが、そのテロップを手に持って見せる人が居る。そしてそれが話すたびにゆらゆらと揺れて見にくくてしょうがない。見えなくて良いのなら、出す必要は無い。そして興奮すると振り回す。あれあれ、それ、視聴者のためじゃなかったっけ?
 テロップが動かなくて見易い場合でも、そこに赤や黒の油性ペンで汚らしく線を引いたり、丸で囲んだりする。それが実に汚らしい。特別に線を引いたり丸で囲んだりしなくても、そこにはそれくらいの事しか書かれていないのである。見落とすはずが無い。覚える大切な事柄を、たくさんある文章の中から目に付き易くするために、参考書などに線を引くのとは違うのだ。下手に線など引くから、かえって見にくくなってしまう。
 単に演出効果の一助とぐらいにしか考えていない。線を引くなら、丸で囲むなら、もっときれいにやりなさい。小学生だってもっときれいに出来る。多分、一過性ですぐに要らなくなると思っているから、そんなぞんざいな扱い方をするのだろう。
 それにテロップを作る人の事も考えなさい。失礼です。

 お手軽な新聞記事の紹介では、拡大した紙面で、該当部分を赤や緑の枠できちんと囲み、記事には傍線まで引いている。それをきれいにやっている。そのきれいさと、乱暴に線を引くその汚らしさはまるで相容れない。新聞の情報を頂いているのだから、丁寧に扱って、自分達の情報だから汚く扱うとでも言うのだろうか。
 みなさん、マンネリになっているから、少しもおかしいなどとは思わない。
 でもホントに気楽でいいよね。新聞がたまにテレビでの画像を写真の代わりに使う事がある。だが、それくらいだ。それなのに、テレビは新聞の記事をそっくりそのまま頂戴してしまう。そこから様々な発展があるのではなく、単に紹介してそれで終わり。

 こんな事を言っていると、多分呆れられる。細かくて、実に嫌な人間だと。だがすべて大の大人の仕事である。かなりの額のお給金を頂いてのお仕事である。それにしては少々お粗末過ぎないだろうか。こんな事で高給を頂けるテレビ業界がうらやましい。それもこれも多額のCM料が入るからだろうね。そのCM料金を実際に負担しているのは誰だったっけ。宣伝広告費がその価格の中に入っていない商品を私は知らない。