夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

緊急自動車はなぜがなり立てるのか

2008年09月08日 | Weblog
 車優先社会が世の中を悪くしていると私は思っている。地方に行くと車が無いと生活が出来ないと言う現実がある。隣家まで1キロもあったんじゃ、とても車無しには暮らせない。だが、そうなると、車の運転の出来ない高齢者はどうなるのか。好きで山の中に住んでいるならともかく、そうでなければ、もう少し便利な所に住めるようには出来ないものか。そしてそこには公共の交通機関を導入する。採算なんて後回しで良い。他に幾らでも無駄遣いをしている事がある。
 ただ、どんどん過疎化が進んでいると言う情況がある。これも、やれ新幹線だの幹線道路だのと言って、都会に人々を吸収してしまうからだ。地方を繁栄させる事を全く考えていない。やるかと思えば、今度は無駄な建物ばかり作ってしまう。
 大局的見地に立って物を見る必要のある人々が、自分達の都合ばかりを考えているから不公平でお金が偏って存在する社会が出来てしまうのである。

 私は幹線道路のすぐそばに住んでいる。緊急自動車が頻繁に通る。サイレンだけでもうるさいのに、いつからか、スピーカーでがなり立てるようになった。「赤信号を直進します」などと大音声に叫ぶ。そんな事、言われなくても分かっている。我々はそんな馬鹿じゃない。
 もっとも、分からない馬鹿者は多い。自転車でさえ、直前を突っ切ったりする。だから、声で説明しなければならなくなる。そうは言っても、道路交通法には緊急自動車への対処の仕方が書かれている。知らなければ運転免許はもらえない。じゃあ、何で知らない奴が免許を持ってるんだ?
 知らない訳じゃない。単に守ろうとしていないだけだ。だからサイレンだけでは駄目なんだろう。
 でも、何でそんに音量がでかいのか。そうしないと、車内に届かないのだろう。
 運転者は一年中窓をすっかり閉め切って、しかも大音量で音楽を流しながら運転をしているのもいる。緊急自動車のサイレンなど聞こえはしない。だから左端に寄って停止するなどの規則を守らない。
 外部の情況が判断出来ないような運転は違反である。それなのに、そうした事は野放しにして、仕方が無いからサイレンだけではなく、人間の声、それもとても美声とは言えない声で、本当にがなり立てている。サイレンは仕方が無い。だが、あの大声だけは何とかして欲しい。夜中まで、それも一日に何度も何度も聞かされる身にもなって欲しい。
 もちろん、緊急自動車の方も真剣その物なのは分かっている。特に昨今は救急車が足りないと言う。何でもかんでも救急車を頼るからそうなる。それが救急施設が満員になって、患者がたらい回しになる現実に繋がる。先日、狭い商店街に道幅一杯の消防自動車が入って来た。どこにも煙は見えない。止まった消防車から、人が倒れているとの通報で出動しました、とのアナウンスが流れた。救急車が間に合わないから消防車が出動したのである。

 指向性を持つ強力な超音波などを発信して、前方に居て進路を譲らないような無法な車だけに「どけ!」と伝えるような事は出来ないのか。そして違反車はびしびし取り締まるべきだ。違反車のせいで我々の平穏な生活が破られるなんて、そんな筋の通らない滅茶苦茶な話があるもんか。

 運転者には聞こえないと言う話をもう一つ。すぐ近くにエネオスのガソリンスタンドがある。そこの店員が年がら年中大声でわめき立てるのである。「オーライ、オーライ、オーライ、はーい、オッケーー」といった事を日に何度も繰り返す。それが本当に馬鹿でかい声なのである。たった一台の車に対するのに、近所中、何十世帯にも響き渡る大声で叫んでいる。
 そうしないと、運転者に聞こえないのだろう。聞こえるなら、大声は絶対にやめるべきだ。他の幾つかのスタンドで観察した。そこには利口な店員ばかりいるようで、すべて身ぶり手振りで誘導している。それで十分に分かるし、いや、その方がずっと分かり易い。
 大体、給油に立ち寄る車が自分の位置も分からないはずが無い。そんなんじゃ、危なくて走ってもらっては困るのである。
 多分、このスタンドはそれがサービスだと思い込んでいるに違いない。大きな声を張り上げられるんだから、さぞ気持がいい事だろう。でも、自分の気持の発散なら、もっと別の方法で、他人に迷惑の掛からない方法でやるべきである。

 ずいぶんと細かい事を言っているなあ、と思うかも知れない。しかしこれは単に迷惑とかだけの話ではない。どうすれば相手に一番よく伝わるかを考えるべきだ、と言っているのである。そして、そのためには無駄な迷惑になる事は避けよう、と言うのである。単なる苦情などではない。大袈裟に言えば、このスタンドは他人に対する思いやりに欠け、自分だけの事しか考えていないと言える。指導しない石油会社はもっと馬鹿だ。