『牛を屠る』(佐川光晴著、解放出版社)を読みました。この著者は、『父さんは、大丈夫』という小説を読み感動し、続けて『縮んだ愛』を読んでいます。これらは小説ですが、『牛を屠る』は自身の仕事体験によるノンフィクションです。
JR大宮駅近くの、「大宮市営と畜場」。肉牛だけでなく、乳を取るホルスタイン、近くの競馬場で骨折などケガをした馬などが運ばれてきて、それらを一つ一つ解体し、枝肉にしていきいます。
物理的には、生きている牛を殺す、という作業ですが、仕事中は、「生」「殺」という感覚はなかったとか。仕事とは、そのようなものという淡々とした感覚、非常に分かります。
大宮市営と畜場は、かなり設備が古く、そこで働く佐川さんの話は、芝浦(東京)で働く人の耳には、「80~90歳のおじいさんの話のよう」に聞こえるのだとか。そんな、一昔前の空気を残す屠冊場。しかし、O157、狂牛病騒動を経て、近代化されていきます。著者が働いているのは、まさにその過渡期なんですね。
佐川さんは、場で働きながら小説を書き始め、文学賞を受けてデビュー。専業作家になり、芥川賞候補に5回もなっています。作風はマジメで、けれんみがなく、正攻法で人生を捉えています。マジメな読者には共感できる部分が多いでしょう。ぜひ。
JR大宮駅近くの、「大宮市営と畜場」。肉牛だけでなく、乳を取るホルスタイン、近くの競馬場で骨折などケガをした馬などが運ばれてきて、それらを一つ一つ解体し、枝肉にしていきいます。
物理的には、生きている牛を殺す、という作業ですが、仕事中は、「生」「殺」という感覚はなかったとか。仕事とは、そのようなものという淡々とした感覚、非常に分かります。
大宮市営と畜場は、かなり設備が古く、そこで働く佐川さんの話は、芝浦(東京)で働く人の耳には、「80~90歳のおじいさんの話のよう」に聞こえるのだとか。そんな、一昔前の空気を残す屠冊場。しかし、O157、狂牛病騒動を経て、近代化されていきます。著者が働いているのは、まさにその過渡期なんですね。
佐川さんは、場で働きながら小説を書き始め、文学賞を受けてデビュー。専業作家になり、芥川賞候補に5回もなっています。作風はマジメで、けれんみがなく、正攻法で人生を捉えています。マジメな読者には共感できる部分が多いでしょう。ぜひ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます