フォルクスワーゲン・アウディーを中心に車に魅せられた中澤寛のホンネワールド!
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新型 ゴルフ トゥーラン(2代目)

MQB にもとづいて開発されたコンパクトMPV
Golf Touran は、フォルクスワーゲンが誇るコンパクトMPV の国際的人気モデルです。初代は5 世代目Golfの姉妹モデルとして2003 年に発表し、コンパクトMPV としてのオールラウンドな完成度の高さが認められて、地元ドイツでは瞬く間に同セグメントのトップセラーになりました。日本では翌2004 年から導入していますが、今日まで累計40,000 台を超えるGolf Touran を販売しています。その間、2007 年と2011 年に大規模な改良*を行って商品力の充実を図ってきましたが、今回シリーズ初のフルモデルチェンジを行い、時代をリードするコンパクトMPV としての資質を根本から鍛え直すことにしました。
新型Golf Touran のボディサイズは、全長4,535mm、全幅1,830mm、全高1,640~1,670mm で、従来型よりも全長が130mm、全幅が35mm 大きくなり、逆に全高は最大で30mm 低くなっています。ホイールベースは従来型の2,675mm から110mm 延長し2,785mm になりました。従来型のGolf Touran と比べるとボディはより長く、幅広く(そして若干低く)なり、ホイールベースも伸びて、よりスマートでダイナミックなプロポーションが実現しました。
この新しいプロポーションの背景には、新型Golf Touran が、現行の7 世代目Golf やPassat 同様、フォルクスワーゲンの最新の生産方式であるMQB(モジュラートランスバースマトリックス)にもとづいて開発されたモデルであるという事実があります。新型Golf Touran は、MQB により設計されたフォルクスワーゲン グループ初のMPVであり、ボディスタイルだけでなく走行性能から安全性、快適性、環境性能、コネクティビティ、インフォテイメントシステムまで、幅広い分野でMQB の恩恵を得ています。
例えば、ボディサイズがひとまわり大きくなってホイールベースも延長し、装備も確実に拡充しているにもかかわらず、車両重量は従来型より20kg 減っているのは、MQB により徹底した軽量設計の賜物です。そうした軽量化と、MPV としては画期的なCd 値0.296 のエアロダイナミクス、さらに新開発の1.4ℓ TSI エンジンと7 速DSG の組み合わせなどにより、走行性能を高めながら、燃料消費率を従来の15.0km/ℓ から、コンパクトMPV としてはトップレベルの18.5km/ℓ(いずれもJC08 モード値)へと、大幅に改善することができました。
Golf Touran は、従来型モデルにおいても、ABS、ESP に加えて、合計6 つのエアバッグや、前席むち打ち軽減ヘッドレストなどを全車に標準装備するなど、安全対策の面でクラスをリードする存在でした。新型Golf Touranは、それに加え、エアバッグを9 つに増やし、新たにプリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”やポストコリジョンブレーキシステム、プロアクティブ・オキュパント・プロテクションといった最新の安全装備を全車に標準設定し、さらに、レーンキープアシストシステム“Lane Assist”やインテグレーテッド チャイルドシート(後席一体型チャイルドシート)、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール“ACC”といった先進システムを、最上位モデルに標準もしくはオプションで設定しています。

Golf Touran 10 の注目ポイント
1. ハイレベルな先進安全技術や装備、運転支援システムを採用:合計9 つのエアバッグに加えて自動ブレーキのプリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”、プロアクティブ・オキュパント・プロテクション、ポストコリジョンブレーキシステムなど最新の安全装備を全車に標準装備
2. 130mm 長く、35mm 幅広くなったボディ、110mm 延長したホイールベース
3. より伸びやかでダイナミックになったボディプロポーション
4. さらに広くなったコンパクトMPV 最大級の室内とラゲージ容量(最大47 ヶ所の収納スペース)
5. MPV としてはトップクラスのCd 値0.296、従来型より軽減した車両重量
6. アルミシリンダーブロックを用いた新世代の1.4ℓ TSI ユニット:ガソリンエンジンのコンパクトMPV ではトップレベ
ルの150PS、250Nm のパフォーマンス
7. 従来型から23 パーセントも改善した18.5km/ℓ(JC08 モード)の燃費効率
8. Golf GTI などと同じフロント マクファーソンストラット、リヤ 4 リンクの4 輪独立式「モジュラーパフォーマンスサスペンション」
9. 後席乗員のために独立した制御が可能な3 ゾーンフルオートエアコンディショナーとフォルクスワーゲン初のアレルゲン除去機能付フレッシュエアフィルター(Highline に標準、Comfortline にオプション設定)
10. 最新世代のインフォテイメントシステム“Composition Media”。Android とApple の両方のスマートフォンと車載インフォテイメントシステムの接続を可能にする新機能のApp-Connect
ハイレベルな先進安全技術や装備、運転支援システムを採用
Golf Touran は従来型モデルにおいても、ABS、ESP に加えて、合計6 つのエアバッグや、前席むち打ち軽減ヘッドレスト、全席3 点式シートベルト、エマージェンシーストップシグナルなどを全車に標準装備するなど、アクティブセーフティ、パッシブセーフティの両面でクラスをリードする存在でした。新型Golf Touran は、それに加えて、エアバッグを9 つにし、新たにポストコリジョンブレーキシステムやプリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”、プロアクティブ・オキュパント・プロテクションといったフォルクスワーゲン独自の安全テクノロジーを全車に標準設定し、さらに、ドライバーの車線維持をサポートするレーンキープアシストシステム ”Lane Assist” やインテグレーテッド チャイルドシート(後席一体型チャイルドシート)、アダプティブクルーズコントロール ”ACC” といった先進的な安全システムを、上級モデルに標準もしくはオプションで初設定しています。
<予防安全>
アダプティブクルーズコントロール“ACC”
シティエマージェンシーブレーキ付き“Front Assist”と同様、このシステムも、車両のフロント部に設置されたレーダーセンサーを使用しています。ドライバーは30~160km/h の範囲内で、希望の巡航速度を設定できます。前方の車両が停止した場合、クルマを完全停止の状態まで制御します。“ACC”では、走行速度だけでなく車間距離の設定ができ、交通の流れに沿って、自動的にブレーキやアクセルの制御を行います。
レーンキープアシストシステム “Lane Assist”
フロントに搭載したカメラにより、道路のレーンマーカーなどを読み取って、ドライバーの車線維持をサポートするシステムです。今回Golf Touran としては初めて、Highline に標準装備、Comfortline にオプション設定しました。ドライバーがウインカーの操作をしていない状態で、クルマが車線をはみ出しそうになると、システムが介入して、自動的にステアリングを補正し、クルマを元の車線へ復帰させます。
プロアクティブ・オキュパント・プロテクション
プロアクティブ・オキュパント・プロテクションは、ブレーキアシストが発動するような強力なブレーキングなど、衝突事故の危険が予見される運転状況において、前席乗員(ドライバーとパッセンジャー)のシートベルトのテンションを自動的に高めて、事故が発生したときのエアバッグとシートベルトの効果を最善なものにするシステムです。さらに、ESP が介入するような厳しいオーバーステア/アンダーステアなど、きわめて危機的で不安定な走行条件が検知された場合には、サイドウインドーをわずかな隙間を残して自動的に閉じ、サンルーフも同様に閉じた状態にします。これは、ウインドーやルーフを閉じることによって、サイド&カーテンエアバッグの乗員保護効果を高めるためです。
プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”(シティエマージェンシーブレーキ機能付)
プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”は、クルマが前方の車両と接近し過ぎた時に、ドライバーに警告を発し、必要に応じて自動的にブレーキを作動させて衝突の危険を減らします。シティエマージェンシーブレーキもその機能の一部です。プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”はより速い速度域において前方車両との接近を警告し、必要に応じて自動的に減速させるのに対し、シティエマージェンシーブレーキは、市街地など速度の低い状況での不注意による追突を防止するための機能で、30km/h 未満で走行している場合にのみ作動します。
<衝突安全>
インテグレーテッド チャイルドシート(後席一体型チャイルドシート)
新型Golf Touran のComfortline およびHighline には、オプションで、インテグレーテッドチャイルドシート(後席一体型チャイルドシート)を装着できます。これは、2列目左右(外側)のシートに内蔵されるもので、シート座面を引き起こし、専用のサイドヘッドレストを装着すると、チャイルドシートとして使用することができます(専用サイドヘッドレストを取り外せば、通常のシートとして使用できます)。※適応体重:15kg~36kg
<二次被害防止>
ポストコリジョンブレーキシステム
ポストコリジョンブレーキシステムは、フォルクスワーゲンのMQB モデルに全車標準化されている革新的なテクノロジーのひとつです。これは、クルマが衝突した直後にブレーキを自動的にかけて、跳ね返りなどによる2 次衝突発生の可能性を減らします。システムは、最初の衝突を検知したエアバッグセンサーの信号を受けて作動します。衝突後、自動ブレーキ作動中もドライバーは、アクセルペダルを踏むといった操作などにより、その機能をキャンセルす
ることができます。
ダイナミズムが強調されたエクステリア
ダイナミックなプロポーションと、表現力に富んだフォルクスワーゲンのデザイン言語を融合した結果、Golf Touran はスポーティでパワフル、そしてモダンなMPVに生まれ変わりました。全長とホイールベースが長くなったことで、エクステリアは、従来型よりずっとスマートでスタイリッシュな印象を与えます。デザイナーは、ボディ全体をリファインし、光による陰影がモダンで彫の深い面処理と、精密な水平基調のラインによる力強い存在感を創出することに成功しました。
上質感を漂わせる新しいフロントフェイス
魅力的なディテールがちりばめられた新しいGolf Touran のフロントフェイスはとても新鮮で、上質感を漂わせています。新型Golf Touran のフロント部分は、水平基調のラインで構成され、従来よりワイドになったボディをより強調しています。複数のラインが互いに補足し、協調しあって、ひとつの効果を生み出しています。例えばラジエターグリルを走る水平ラインの1 本は、そのままヘッドライトの中に伸びてフロントビューの一体感を高める役割を果たしています。ヘッドライト本体も、従来より上下に細くなって、立体感を高めた形状になりました。このヘッドライトは、フロントからサイドセクシ
ョンへのつながりをスムーズにする上での重要なデザインキーにもなっています。なおこの新型Golf Touran には、フォルクスワーゲンのMPVとしては初めて、LEDヘッドライトを設定しました(Highlineにダイナミックコーナリングライトを内蔵した仕様を標準装備)。新型Golf Touran のひとつの特徴は、細部に至るまで緻密なデザイン処理ですが、このフロントセクションでは、ワイド感と低重心を強調する役割を果たしているバンパー下部の黒いエアインテークなどが、その一例です。
伸びやかで存在感のあるサイドシルエット
ボディサイドでは、力強いホイールアーチと複数の水平ラインが、視覚面でのアクセントになっています。AピラーからDピラーまでひとつながりになったウインドーのデザインは、従来型よりもずっとフラットで軽快な印象を与えます。この新しいプロポーションを持ったガラスエリアと、Aピラー/Dピラー周りの特徴的なデザイン処理、新たに光沢処理されたB ピラーと細くなったC ピラーの視覚的相乗効果により、上質感を高めるとともに流麗なプロポーションを実現しました。またGolf Touran としては初めて、サイドウインドー周りにクロームトリムを採用しました(Highline に標準装備)。サイドウインドーの下側に繊細なショルダーラインがフロントホイールアーチの上から始まってD ピラーまでつながり、ボディの伸びやかさを強調する効果を生んでいます。もうひとつ、サイドビューで特徴的なのは彫りの深い2 重のキャラクターラインで、前後のドアハンドルと同じ高さに引かれており、真横から見ると、2 つのドアハンドルがキャラクターラインと重なってひとつの線を成すように感じられます。キャラクターラインはヘッドライト後方の尖った形状を受けて、A ピラーの真下あたりから始まり、ボディサイドを横断してテールランプまでつながっています。また、フォルクスワーゲンにとって同様に重要な視覚的特徴であるD ピラーも、独特の角度をつけたウインドーラインと、エレガントに傾斜したルーフラインにより、これまで以上にスポーティな印象を演出しています。
また、立体感を強調したサイドシルの造形も印象的で、その視覚的効果により、エクステリアの安定感が増し、サイドビューの存在感も高まっています。
個性的なリヤビューリヤセクションでは、ボディサイドから伸びたキャラクターラインが、車両全体の造形的な一体感を高める役割を果たしています。
このキャラクターラインが、左右のテールランプの両端を結んでおり、その中央にVWエンブレムが設置されています。ナンバープレートフレームはその下の窪んだ面の中に設置されていますが、横長台形のその面と、上方にある2 つのテールランプにより、これまでにはない個性を生み出しています。細長くデザインされたテールランプも、真っ直ぐのラインで構成されたリヤの造形とよく調和しており、点灯時には、最新のライトテクノロジーにより、独特のグラフィックが描き出されます。左右両端の低い位置に設置されたリヤリフレクターが、ボディの幅広さと低重心を視覚的に強調する要素になっており、フロント同様、バンパー下部に設置された黒いディフューザーの造形に、デザイナーのこだわりが見て取れます。
5 種類のボディカラー
新型Golf Touran には、カリビアンブルーメタリック、アトランティックブルーメタリックの2 色を新色に設定し、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、リフレックスシルバーメタリックをあわせて5 種類のボディカラーを設定しています。
使い勝手が向上し、より上質となったインテリア
ダッシュボード、メーターパネル、操作系
インストゥルメントパネルは全面的に設計し直し、よりドライバー志向のレイアウトが採用されました。パネルの上部はスラッシュ成型によるソフトな素材で作られており、フタ付の収納コンパートメント(ダッシュボードアッパーボックス)を内蔵しています。中央(センターコンソールの上)にはクロームのアクセントで縁取りされたエアベントとハザードスイッチが設置され、その下のパネル中心部には、デコラティブパネルがウイングのように左右に
広がっています。デコラティブパネルに挟まれた中央部には、光沢ブラックのフレームに囲まれたインフォテイメントシステムを設置し、その下には空調コントロールスイッチと各種機能の操作ボタンが並んでいます。運転席周りで、視覚的、人間工学的に注目すべきポイントは、下から上側に向けて傾斜がつけられたセンターコンソールです。
最上位モデルのHighline ではインテリアアンビエントライト/フットウェルランプが標準装備となりますが、そのランプが、ドアや足元に加えて今回初めて、さらに大型になった(面積は従来型の1.15 ㎡に対して1.34 ㎡)電動パノラマスライディングルーフ(Highline にオプション設定)の縁にも沿って配置され、閉じられたサンルーフのブラインドも間接照明でライトアップされるようになりました。
マルチ可変フラットフォールドシート
MPV が市場で成功するには、ドライバーを含めて最大7 人の乗員のニーズをあらゆる面で満たすインテリアを備えていなければなりません。初代Golf Touranが発売と同時に成功を収めた要因のひとつにインテリアの機能性がありましたが、新型はその面でさらに洗練されたMPV になっています。新型Golf Touranのインテリアで、キーとなるアイテムは、新設計のフラットフォールドシートです。これにより、2列目および3 列目の最大5 つの座席とフロント助手席のバックレストを、簡単な操作によりすべて折り畳んで、フラットなラゲージフロアを生み出すことができます(助手席バックレストまで倒せるのはComfortline 以上のモデル)。簡単なレバー操作により2 列目の3 つのシート、3 列目の2 つのシートのバックレストを折り畳めば、段差のない平らな床が得られ、最大1,857ℓ(天井および前席バックレストの背後まで積み込んだ場合)の大きなラゲージスペースを生み出すことができます。
1列目シート(運転席および助手席)
新型Golf Touran では、運転席と助手席の乗員は、路面からおおよそ625mm の高さに座ることになり、MPVならではの見晴らしのいいドライバー視界と、優れた乗降性を、両立しています。新型Golf Touran では、快適性の高いアップライトな着座姿勢が可能となっており、従来型と比較するとステアリングホイールの角度も垂直に近づいて、より乗用車的な操縦感覚が得られるようにもなっています。なお、前席まわりの収納機能としては、ダッシュボードのグローブボックス、アッパーボックスに加えて、大容量のドアポケット、シートアンダートレー、センターコンソールのカップホルダー、センターアームレスト下の大型収納ボックスなどがあります。Comfortline 以上のモデルでは、運転席と助手席の背後に、折り畳み式のテーブル(シートバックテーブル)を設置しています。
2 列目シート(3 座の独立シート)
延長したホイールベースの恩恵は、このクラスのクルマでは使用頻度の高い2 列目シートにも表れています。2 列目にある3 座の独立シートとも、スライド幅が40mm 増え、最大200mm の前後調整が可能となりました。バックレストの角度も3段階で調節することができます。2列目シートが利用されているときに乗員がシートベルトをしているか、ドライバーはインジケーターで知ることができます。Golf Touranでは初めて、2 列目左右にもシートヒーターを設定し(Highline に標準装備)、後席乗員のために独立した制御可能な3 ゾーンフルオートエアコンディショナーとフォルクスワーゲン初のアレルゲン除去機能付フレッシュエアフィルターも選択できるようになりました(Highline に標準、Comfortline にオプション設定)。新開発のフラットフォールドシートは、ヘッドクリアランスは従来型より6mm増えています。室内幅は、乗員の肘の高さで1,518mm 確保しました。この幅により、2 列目にチャイルドシートを3 つ並べて設置することも可能です。そのため、2列目、3列目のすべてのシートに、ISOFIX基準適合チャイルドシート固定装置を設置しています。また、Comfortline およびHighline では、2 列目の左右(外側)シートに、オプションでインテグレーテッド チャイルドシートを設定することが可能です。
3 列目シート(2 座の独立シート)
3 列目には座席が2 つ設置されています。ここでも、従来型に対してレッグスペースが54mm 広くなり、ヘッドクリアランスも13mm改善されています。ドア開口部が拡がり、2列目左右(外側)シートにワンタッチで前方にスライドする「イージーエントリー機能」を採用したことで、3 列目シートへの乗り降りが、これまで以上に容易にできるようになりました。
ラゲージコンパートメント
すべてのリヤシート、および(Comfortline 以上のグレードのモデルでは)フロント助手席のシートは、バックレストを前に倒して折り畳むことができ、フラットな広いラゲージスペースを得ることができます。2 列目シートより後ろのスペースを天井まで全部使いきった場合、ラゲージスペース容量は最大917ℓ になります。この場合、2 列目シートの背後にパーティションネットを装着できます。さらに2 列目シートも畳んで、フロントシートから後ろをすべてラゲージスペースとして使うと、その容量は最大1.857ℓ にもなります。
新世代ガソリン直噴ターボエンジンと7 速DSG
新開発の1.4ℓ TSI エンジン
新型Golf Touran に搭載するエンジンは、MQBコンポーネントのひとつとしてフォルクスワーゲンが新たに開発したオールアルミ製1.4ℓ TSI(ガソリン直噴ターボ)ユニットです。最高出力は従来型よりも10PS 増え150PS/5,000~6,000rpm、最大トルクは従来型よりも30Nm(3.1kgm)大きく250Nm(25.5kgm)/1,500~3,500rpmとなり、性能向上を果たしています。さらに、BlueMotionテクノロジー(start/stopシステムおよびブレーキエネルギー回生システム)を標準化した効果と併せて、燃費効率は従来型の15.0km/ℓ から18.5km/ℓ(いずれもJC08 モード値)と従来よりも23 パーセントも改善を果たしています。
新しい1.4ℓ TSI エンジンは、シリンダーブロックを従来の鋳鉄製からオールアルミ製に変更することで重量を削減しています。また、エキゾーストマニフォールドをシリンダーヘッドに一体化させる設計にして、エンジンクーラントの冷却回路をエキゾーストマニフォールドまで及ぶようにすることで、暖気時間を短縮しつつ、高負荷時でもエキゾーストガスの温度が上がり過ぎないようにしました。それにより全開走行時の燃料消費を削減しています。また、エンジン本体とターボなどの補機類を、温度設定の異なる別の回路で冷却する仕組みを採用して、各部の温度管理(サーマルマネジメント)をより適切に行えるようにしています。
MQB モデルに共通する技術的特徴として、この新しい1.4ℓ TSI エンジンは、従来の場合と反対に、車両に対して前方が吸気、後方が排気というレイアウトで搭載しています。さらに補機類を含めて省スペースを徹底することで、エンジンマウント長を従来よりも数十mm 単位で短縮することに成功し、そのぶんフロント車軸の位置を前方に移動させて、ホイールベースの長い伸びやかなボディのサイドシルエットが生み出されています。
7 速DSG
新型Golf Touran はトランスミッションとして、全車7 速DSG を採用しています。DSG はフォルクスワーゲンが独自開発したデュアルクラッチを使ったメカニカルオートマチックギヤボックスで、トルクコンバーター式のオートマチックに対し、高い伝達効率とダイレクトなアクセルレスポンス、さらに、加速中のトルク断絶のない素早くスムーズなギヤシフトなどを特徴としています。今回新型Golf Touran に標準装備したのは、前進7 段のギヤと乾式クラッチを用いたDSG で、各ギヤ比が見直された結果、優れた伝達効率を実現しています。低回転から高トルクを発生するTSI エンジンと、伝達効率の高いDSG の組み合わせにより、巡航時のエンジン回転数が低く抑えられ、燃費効率に大きく貢献しています。その一方で、スポーティな走りが要求される場合には、レスポンスのいいエンジンと、瞬間にシフトチェンジを可能にするDSG が、ドライバーに深い喜びを与えます。最上位モデルのHighline には、パドルシフトも標準装備していて(Comfortline ではオプション設定)、マニュアルでのギヤシフトを、より楽しむことができます。
MQB 設計のシャシーコンポーネンツ
4 輪独立式サスペンション
新型Golf Touran は、フロント マクファーソンストラット、リヤ 4 リンクの4 輪独立式サスペンションを採用しています。そのうち後輪の4 リンク は、MQB のシャシーコンポーネントのなかで「モジュラー パフォーマンスサスペンション」と呼ばれるシステムであり、現行7 世代目Golf のなかでも高出力のモデルに多く採用しているメカニズムです。マルチリンクシステムのアドバンテージで、縦方向と横方向のコンプライアンスを別々に設定できることから、ハンドリング性能と乗り心地を高度にバランスさせるポテンシャルを備えています。また、前輪のマクファーソンシステム同様、高強度スチールやアルミなどの軽量部品を多用することで、操縦安定性に寄与する各部の剛性を高めつつ、システム全体で大幅な軽量化に成功しています。なお、ホイール、タイヤは、Trendline とComfortline が、205/60R16 タイヤと6.5J×16 インチ スチールホイール(フルホイールキャップ付)の組み合わせ、Highline が215/55R17 のモビリティタイヤと6.5J×17 インチ アルミホイールの組み合わせ。その他メーカーオプションで、Comfortline には16 インチ 5 ダブルスポークのアルミホイール、Highline には17 インチ 10 ダブルスポークのアルミホイールを選択することができます。
エレクトロメカニカルパワーステアリング
新型Golf Touran には全車、電子制御電動式のパワーステアリングを標準装備しています。このシステムの特長は、走行状況やクルマのキャラクターに応じて、プログラムの幅が広い点にあり、またパワーアシストするためのエネルギー消費も削減されます。新型Golf Touran では、ホイールベースとトレッドの拡大、およびサスペンションの改善により、クルマそのものの走行安定性が高まったため、ステアリングのギヤ比をよりクイックな設定にすることで、持ち前のきびきびとした操縦性を確保しています。また、ステアリングギヤハウジングなどの設計を工夫することで、軽量化にも成功しています。
ドライビングプロファイルとアダプティブシャシーコントロール“DCC”
ドライビングプロファイル機能およびアダプティブシャシーコントロール”DCC”を搭載した上級モデルのHighline(DCC はオプション)では、合計5 つのプログラムが、ドライビングモードとして選択可能です。それは、Eco、Sport、Normal、Individual、および、Comfort の各モードで、そのうちEco モードを選択すると、エンジン、エアコン、その他の電装品などの制御プログラムが、燃費を重視したものに切り替わり、シフトプログラムも効率重視になって、長い下り坂などの無負荷走行時には「コースティング(滑走走行)」も多用されるようになります。Sport モードを選択すると、ダンパー減衰力が引き上げられて、ボディのロールなどが抑えられるようになるほか、エンジンレスポンスもより活発になり、DSG のシフトプログラムも加速を重視した方向に切り替わります。
エレクトロニックパーキングブレーキとオートホールド機能
従来型にあったハンドブレーキレバーの代わりに、センターコンソールにはエレクトロニックパーキングブレーキのコントロールスイッチとAuto Hold(オートホールド)のボタンを設置しています。エレクトロニックパーキングブレーキにはいくつかのメリットがあり、まずは操作レバーがなくなったことで、センターコンソール周りのデザインがスッキリしました。発進時には自動的に解除*されるため、坂道発進なども簡単です。さらに、Auto Hold の機能を使えば、パーキングブレーキの操作をいちいち行わなくても、坂道での停止時に後ろに下がるといった危険を防止できます。
*一定の条件を満たした場合のみ作動
インフォテイメントシステム
新型Golf Touran には、大型タッチスクリーンを用いた最新世代のインフォテイメントシステムを用意しています。これらもまた、フォルクスワーゲンが体系的に開発したMQB コンポーネントのひとつであり、ラジオ、CD などの音源再生機能のほか、スマートフォンとの接続と、今日の乗用車として最高水準のコネクティビティを実現しているのが特徴です。まず、新型Golf Touran 全車に標準装備しているVolkswagen 純正インフォテイメントシステム“Composition Media”は、WVGA 画質の6.5 インチモニター(タッチスクリーン)を採用し、スマートフォンに匹敵する高解像度の画面で直感的に操作を行うことが可能です。また、近接センサーを採用することで、ドライバーの手の動きを感知して必要な時だけメニュー表示を行うなど、閲覧性と操作性を高度に両立しています。オーディオシステムとして、AM/FMラジオ、CDプレーヤーとしての機能のほか、MP3/WMA 再生、Bluetooth オーディオ/ハンズフリーフォン、iPod/iPhone 再生にも対応。さらにボイスコントロール機能を備え、フォルクスワーゲンが独自に開発した新機能 ”App-Connect” により、各社スマートフォンとの接続も可能にしています。
さらに、新型Golf Touran TSI Comfortline とHighline にはオプションで、ナビゲーション機能を備えたVolkswagen純正インフォテイメントシステム ”Discover Pro” も用意しています。これは、8インチの大型フルカラータッチスクリーンと64GB の大容量SSD を備え、一般的なナビゲーション機能、オーディオ機能に加えて、タッチスクリーンを介して様々な車載システムの設定まで行える総合的管理システムとしての役割も果たします。Composition Media 同様、タッチスクリーンには近接センサーが備わり、手を近づけただけでメニュー画面が現れたり、スマートフォンのように2 本の指先操作で画面の拡大/縮小ができたりと、優れた操作性を実現しています。
Composition Media から追加される機能として、前述の車両情報表示および設定のほか、ナビゲーション、TV(フルセグ)チューナー、USB メモリ再生、写真表示機能などがあります。
App-Connect
フォルクスワーゲンが提供する各種オンラインサービス “Car-Net” の一環として、インフォテイメントシステム“Composition Media”に搭載する新たな機能がApp-Connect です。これは、車載インフォテイメントシステムとスマートフォンなど、機器間の接続手段として開発されたMirrorLink™、CarPlay(Apple 社)、AndroidAuto(Google 社)の3 つの通信プロトコルに対応します。App-Connect を介してComposition Media にスマートフォンを接続すれば、各社が定める、もしくは対応するアプリを車載のタッチスクリーンで閲覧するだけでなく、操作することが可能になります。例えば、Apple 社が提供するMaps の簡易ナビゲーション機能やSMS などをタッチスクリーンを介して利用できるほか、Siri®による操作も可能です。
コンパクトMPV として類まれな成功を収めてきたGolf Touran
Golf Touran は、今日ヨーロッパでもっとも人気のあるコンパクトMPVのひとつであり、母国ドイツでは、過去十年来、MPV 市場のトップセラーの座を不動のものにしています。
初代を発表したのは2003 年です。フォルクスワーゲンはそれまで、上級MPV のシャランを販売していましたが、コンパクトクラスのMPV 市場への参入は初めてでした。しかし、試みは見事成功を収め、生まれたばかりのGolf Touran には、予想を超える注文が殺到したのです。
この初代モデルの時代から、Golf Touran が売り物にしてきたのが「安全性」です。Golf Touran は、発売直後の2003 年暮れに行われたEuro NCAP の衝突テストで、コンパクトMPVとしては稀な5 つ星の最高評価(大人の乗員へのダメージ)を獲得しました。Golf 譲りの足回りや、ABS、ESP といったシステムの標準化により、アクティブセーフティの面では当初から定評がありましたが、パッシブセーフティの面でも卓越したMPV であることが、第3者機関によって確認されたのです。そうした情報も、ヨーロッパでのGolf Touran の人気に拍車をかける要因となりました。
ちなみに、当初ヨーロッパ市場で設定していたエンジンは、1.6L と2.0L のFSI(自然吸気の直噴ガソリン)と1.9ℓ のディーゼルです。そのうち1.6ℓ と2.0L FSI を搭載したモデル(トランスミッションは6 速ティプトロニック)を、翌2004 年4 月から日本でも販売することになります。
日本市場でもGolf Touran は、好評をもって迎えられました。この年の暮、Golf Touran は5 世代目Golf とともに栄えある「2004-2005 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
そうした人気は、新世代の高効率パワーユニットである1.4ℓ TSI(ツインチャージャー)エンジンとDSG(当初は6 速)の組み合わせをGolf Touran にも導入したことで、さらに沸騰していきました。最初のマイナーチェンジを経験して、その新メカニズムを手に入れた2007 年には、日本国内でのGolf Touran の販売が、累計17,500台を超えました。Golf の走りのよさや安全性を受け継いだMPV として、Golf Touran の名前は、日本でも広く認知されるようになりました。
この最初のマイナーチェンジを機に、派生モデルとして、車高を若干上げて、ホイールアーチにプラスチックのガードを配したクロスオーバー仕様の ”CrossTouran” を開発しました。このCrossTouran は、次のマイナーチェンジを経た2012 年秋から日本での販売が始まっています。
2009 年にGolf が6 世代目に進化したのに伴い、翌2010 年に、Golf Touran にも2 度目の改良を施しました(日本市場での発売は2011 年初頭)。このとき、内外装にも大幅なてこ入れがなされて、例えばエアロダイナミクスは、今回の新型と同じ、Cd 値0.30 を切るレベルまで改善しています。また装備も拡充し、日本仕様には合計6 つのエアバッグのほか、オートライトシステム、クルーズコントロールなどが標準装備となりました。
2 度目のマイナーチェンジを行った2011 年には、Golf Touran の日本国内での販売が、ふたたび4,000 台を超えるレベルに達しました。2004 年の発売から2015 年の暮れまでの11 年間で、累計40,000 台を超えるGolfTouran が日本で販売されています。世界市場では、2003 年の発売以来、約200 万台のGolf Touran が販売されています。コンパクトクラスのMPV として、そのように、評価の面でも商業的にも、近年類稀な成功を収めたクルマがフォルクスワーゲンGolf Touran なのです。
■TSI、DSG はフォルクスワーゲンAG またはフォルクスワーゲン グループ各社の登録商標です。
■写真およびイラストは、欧州仕様車と日本仕様車で構成しています。
※主要諸元表、各種画像は省いて掲載。
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