MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

ニーベルングの指環

2008年09月07日 | 音楽
        
先日、アニメの『ポニョ』の本名が
ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」に
登場するヒロインと同じだと 書きましたが

その 本家『ブリュンヒルデ』、
性格は違うけれど「人魚姫」みたい だよね、
と 友達に言ったところ
「どこが」と 突っ込まれてしまいましたので
全4部の あらすじを書いてみようと思います。
(かなり 省略していますので
 興味のある方は ちゃんと本などで読んでくださいね)

【ラインの黄金】
昔々、ライン河の乙女(妖精)が守る『ラインの黄金』があり
それを奪った小人(ニーベルング族)の男が
『権力を得る魔力』を持つ指環を作りました。
これがタイトルにもある「ニーベルングの指環」です。

一方、神々の長ヴォータンは 
報酬として、美の女神フライアを差し出すという条件で
自分の城を 巨人族の兄弟に建てさせていました。
そもそも、約束を守る気のなかったヴォータンは
ラインの黄金と指環を 小人から奪い
フライアの代償として 渡します。
この仕打ちを恨んだ小人から 指環に呪いがかけられます。

【ヴァルキューレ】
ヴォータンが かつて人間の女性との間に作った
双子の兄妹が、お互いの正体を知らずに再会し
惹かれあって 駆け落ちします。
ヴォータンの妻は、「兄妹で結ばれるなんて許されない」と
兄を殺すように ヴォータンにせまり
ヴォータンは、しぶしぶ 娘のブリュンヒルデに
(ブリュンヒルデは、ヴォータンの作った
「ヴァルキューレ」と呼ばれる9人娘の中の 長女)
兄を殺すよう命令するのですが
ブリュンヒルデは  お互いを思う兄妹の愛に打たれて
父の命令に逆らい、二人を助けようとします。
この兄妹の間に生まれた子どもが 英雄ジークフリート

命令に逆らったブリュンヒルデは、罰として
神としての力を奪われ、魔法によって眠らされます。

【ジークフリート】
立派に成長したジークフリートが
巨人を倒し、指環を手に入れて 彼女の元へやってきます。
ブリュンヒルデは目覚め、二人は結ばれます

【神々の黄昏】
ジークフリートが 旅先のグンター城で
「忘れ薬」を飲まされて、愛妻ブリュンヒルデの事を忘れ
当主の妹に求婚します。

ブリュンヒルデが 連れてこられ、二人は再会するものの
肝心のジークフリートは 自分のことを忘れて 
他の女性と結ばれている状況。
怒り狂ったブリュンヒルデは
ジークフリートをこころよく思わない当主の異父弟に
彼の弱点(背中)を教えてしまい
そのため ジークフリートは殺されます。

ブリュンヒルデは、『指環の呪い』に決着をつけるため
ジークフリートの遺体に火をかけ、
自分も 呪いの指環を持って、炎の中に飛び込んでいきます。
(完)

どこらへんが、人魚姫みたいだと思ったかといいますと

もとは 人間ではなかった。
相手の男に自覚はないけれど、一度命を助けてやっている。
 (人魚姫は 海に落ちた王子を、
  ブリュンヒルデは ジークを身ごもった母を助けています)
人間になって再会するが、
  男は 他の女性と結ばれようとしていた。
というところ。

まあ、性格は全く正反対で、
人魚姫は 男を殺せば自分が救われるのに
殺すことができず、泡となって消えてしまう一方、
ブリュンヒルデは まず「許せん」と
相手を殺してしまうのですけれどね。

(だから はかなくない人魚姫だと思ったわけです)