MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

名曲でさようなら

2010年03月26日 | 音楽教室

3月は卒業・別れの季節。

小学6年生・中学3年生は4月から中学生・高校生。
生活のリズムが大きく変わる時期ですから
ここが一つの境目です。

小学6年生の生徒さんの1人は、年明け早々
「中学生になったら忙しくなるし
 部活をやりたい、ダンスも習いたいので
 3月いっぱいでやめます」
と退会届けを出されました。

            
自分でやりたい事を見つけたのなら
それは応援したいので、
気持ちよく見送ろうと思いましたが

彼女にとって『ピアノを習いに来てよかった
という感動があったのかどうか

手応えがとても薄かった事だけが心残り

練習はさぼらず、でも特別には頑張らず
弾きたい曲はない?と聞いても「別に・・・」。
基本姿勢は「受身」で、
ほめてもひっそりと喜ぶタイプ
淡々とレッスンに通ってきていて
まあ、こういうきっかけでやめるかも
と予想はしていましたが

せめて最後の最後くらい
音楽の楽しさをはっきりと感じている姿」を見たい。


今回、本当に弾きたい曲はない?と
食い下がって聞いてみたところ
エリーゼのために』に反応しました。

発表会が終わるまでは、余裕がないでしょうから
レッスンできる期間は実質1ヶ月。

譜読みして、ただ弾くだけなら弾けるでしょうが
弾く以上は、やはり
「人にお聞かせできる」ところまでいきたい。


『名曲』ってすごいな、と思いました。

ひそかに憧れていた曲だけに食いつきが違います。
お母さまがびっくりするくらい練習したらしく
レッスン最終日、素敵に演奏してくれました。

演奏し終えた彼女は、初めて
とっても嬉しそうな満足顔」。


ピアノが楽しいという気持ちのままでやめるなら
きっと、いつかまた再開してくれる。

そう信じての「さようなら」です。